【読んだ】グレゴワール・シャマユー『ドローンの哲学 遠隔テクノロジーと〈無人化〉する戦争』
戦闘ドローンは、戦争を「戦闘行為」から「殺害行為」に変えたという。その技術的条件は「脆弱性=ヴァルネラビリティ」の克服である。訳者によれば脆弱性とは「被害をうける可能性」の事(P22)。安全な環境から遠隔操作での戦闘を可能にするドローンは、「脆弱性をもった身体を過酷な環境から撤退させることができる」(P33)。身体が同じ空間を共有しない以上、敵から攻撃を受ける可能性は原理的には無い。従ってそれは、「前線、単線的戦闘、対面的な衝突といった概念に立脚した従来型の戦争モデル」(P4