長谷部浩

演劇の評論を仕事にして、40年が過ぎました。あっという間でした。 自由に長い劇評を書きたい。そんな願いが高まってきましたので、NOTEを選びました。 書くことは、今も、大好きです。読者のみなさんが、こんな考えもあるのかと、思っていただけるような評でありたいと思っています。

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演劇の評論を仕事にして、40年が過ぎました。あっという間でした。 自由に長い劇評を書きたい。そんな願いが高まってきましたので、NOTEを選びました。 書くことは、今も、大好きです。読者のみなさんが、こんな考えもあるのかと、思っていただけるような評でありたいと思っています。

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  • 長谷部浩のノート お芝居と劇評とその周辺

    演劇評論家長谷部浩のノートです。歌舞伎や現代演劇を中心とした劇評や記事は、すべてこのマガジンに含まれます。長文の劇評もすべて収録されます。ですから、このマガジンをご講読いただくのが、もっともお得です。このマガジンの購読者をもっとも大切にいたします。 気に入った記事がありましたら、ぜひ「オススメ」をお願いいたします。

  • 天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎

    今もあふれる悲しみ。『天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎』(文春新書)を書くことになったのも、私にとっては宿命だったような気がしています。いつまでも忘れられず、記憶のなかで生き続けるふたりの名優の思い出。

  • 長谷部浩の俳優論。

    歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。

  • 演出家蜷川幸雄の名言。

    蜷川 幸雄(にながわ ゆきお、1935年(昭和10年)10月15日 - 2016年(平成28年)5月12日)さんは、私にとって、どんな存在だったのでしょうか。優しかった思い出ばかりではなく、怒られた記憶も多々あります。蜷川さんが、いったどんな遺言を遺したかったのか、すぐれた言葉をたどります。

  • 天才と名人の息子たち。勘九郎、七之助、巳之助のいま。

    十八代目中村勘三郎、十代目坂東三津五郎とは、筆者と同世代でもあり、彼らの舞台を熱心に観てきました。歌舞伎の伝承の基本には、家の藝があります。勘九郎、七之助の中村屋、巳之助の大和屋が、これから、ますます太い幹となるように願っています。

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    権力と孤独――演出家 蜷川幸雄の時代

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    天才と名人 中村勘三郎と坂東三津五郎 (文春新書)

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最近の記事

京都の花街、愛したり、食べたり、裏切ったり。

 京都の花街のシステムには、人を惹きつけてやまない深さがある。  是枝裕和総監督の『舞妓さんちのまかないさん』は、その謎めいた世界に斬り込んでいる。  単純な内情暴露ではない。そのシステムの矛盾や時代錯誤まで含めて、よく撮られた作品だと思う。 私は、現在、Netflexに後悔されているエピソードを二日にわけてだけれども、一気に観てしまった。  実は、この世界に少し足を踏み入れたことがある。  祇園甲部にはじめて行ったのは、故・十八代目中村勘三郎に連れられてのことだった

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    • 【劇評292】那須佐代子、凜による『おやすみ、お母さん』。人間の真実をふかくえぐり出す傑出した舞台。

       母と娘が、容赦なく、これまでため込んできた思いを言葉にする。  マーシャ・ノーマンの『おやすみ、お母さん』(小川絵梨子翻訳・演出)は、セルマ(那須佐代子)とジェシー(那須凜)の親子の人生を、台詞劇として凝縮している。  八二年に初演され、八十三年度にピューリッツアー賞を受賞した戯曲を初めて観たとき、私はテネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』を思い出した。この作品は、強烈な個性を持ったアマンダと繊細な神経のローラが登場する。  この『おやすみ、お母さん』は、年代の違う

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      • 母娘が本音をぶつけあう台詞劇を観た。マーシャ・ノーマン作、小川絵梨子翻訳・演出の『おやすみ、お母さん』。20年前に書かれたとは思えない。普遍性のある劇を、那須佐代子と那須凜が演じる。現実を乗り越える虚構の凄まじさ。必見だと思う。シアター・風姿花伝。6日まで。

        • Netflexの『舞妓さんちのまかないさん』を一気に観た。京都の四季、青森出身のふたりの道が分かれていくさまを実に巧みに描いている。映画の大作レベルのキャスト、スタッフなのだから、面白いはずだ。日本文化や人間関係の長所も短所も描かれている。是枝裕和総監督。凄いなあ。

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        • 演出家蜷川幸雄の名言。
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        • 天才と名人の息子たち。勘九郎、七之助、巳之助のいま。
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        • 贔屓といえば中村屋
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          おもしろくも、痛ましい自伝、ウディ・アレン『唐突ながら』について、東京新聞に書評を書きました。ニューヨーカーだったら、爆笑の連続できっと読めるんだろうな、うらやましい。書評は無料でお読み頂けます。https://www.tokyo-np.co.jp/article/227862

          秀作『あでな//いある』を観て、俳優内田健司が、蜷川幸雄演出の『リチャード二世』で人間の本質に突き刺さる演技を見せていたことを思い出した。

           ほろびての新作『あでな//いある』(細川洋平作・演出)が、評判になっています。私も今年を代表する舞台が、新年早々生まれ、その誕生に立ち会えたことをうれしく思います。  この作品に、客/いべ役で出演している内田健司さんは、かつてさいたまネクスト・シアターのメンバーとして、蜷川幸雄さん演出の舞台に立っていました。  蜷川さん最晩年の傑作『リチャード二世』のタイトルロールを演じたのが、内田さんです。かつては、まさしく蒼白な青年の趣でしたが、7年を隔てて、たくましい役者に成長され

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          紀伊國屋演劇賞贈賞式に出て、みなさんのスピーチを聴くのが楽しみです。今回は、円の演出家内藤裕子さんが、なんども芝居をやめようと思ったと、話されていたのが印象的でした。金守珍さんは、話し方が唐十郎さんそっくりになっていた。声がでかいのも。https://natalie.mu/stage/news/510090

          【劇評291】無視されることの残酷。ほろびての細川洋平が、トップランナーの覚悟を見せた。

           無視することの暴力、そして無視されることの残酷。  ほろびての新作『あでな//いある』(細川洋平作・演出)は、社会にはびこる暴力に真っ向から向かい合った秀作となった。  装置は、背景に壊れかけた塀があるだけ。裸舞台に美容室の椅子とワゴン、上手には机と椅子三脚があるだけだけれども、細川の手際のよいステージングで時間と空間を大胆に再構成している。  美容師(伊東紗保)が、客(内田健司)の背後にたって、長いおしゃべりを続けている。美容院の近所にある塀にバンクシーの絵が描かれ

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          「ほろびて」の『あでな//いある』(細川洋平作・演出)を、こまばアゴラ劇場で観る。美容師とお客の会話から始まるが、意外な展開に進む。劇作家として筆が走っているのがよくわかる。長台詞のモノローグも、すぐれている。現実とまっこうから向かい合った誠実な舞台だった。二十九日まで。

          【劇評290】中川晃教の新境地『チェーザレ 破壊の創造者』の華やかな舞台姿。

           イタリアといえば、フィレンツェが思い出される。当時、アルノ川に面した素敵なレジデンスに、作家の塩野七生さんがお住まいで、幾度となく訪ねた。一九七○年に毎日出版文化賞を受けた『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』は、永遠に記念すべき名著だろうと思う。今回の舞台を観ながら、塩野邸の明るい窓から、ポンテ・ベッキオ橋を背景に、若い青年たちが漕ぐボートが滑っていく光景が、鮮やかに思い出された。  明治座のオリジナル、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』(惣領冬実原作 荻田

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          昨日は中川晃教主演の『チェーザレ 破壊の創造者』を観る。ルネッサンスに対する憧ればかりではなく、相対化を行った原作を、ミュージカル化した作品。中川、別所哲也、岡幸二郎 藤岡正明とすぐれた歌唱力を持ったスターが揃っている。イタリア文化を背景にした歌の競演。中川の魅力が炸裂する。

          NY、新国立劇場、NTライブと三度目の『レオポルトシュタット』。ようやく葉巻のカッターの件りと綾取りの結び目の件りが、わかってきて、とても嬉しかった。英語原語と字幕の組み合わせも理解には、かなり役に立ちます。19日まで。

          ナショナル・シアター・ライブでトム・ストッパードの「『レオポルトシュタット』が観られます。NYでは大変な高額でしたが、今回は気楽に観られるのでうれしい。新国立劇場でご覧になったかたにも、おすすめします。お楽しみに。https://www.ntlive.jp/leopoldstadt

          【劇評289】幸四郎、七之助の『十六夜清心』に、梅玉のいぶし銀の藝を観た。

          懐かしい光景が甦ってきた。  河竹黙阿弥の『十六夜清心』を通しで観る喜び。三部制によって制約があるにもかかわらず、通しだからこそ味わえる歌舞伎の企みがあると思った。  年表をたどると、平成十一年、十代目坂東三津五郎(当時・八十助)による本格的な通しは例外として、白蓮本宅まで出たのは、平成十八年の大阪松竹座以来である。仁左衛門の清心、玉三郎の十六夜の舞台だが、残念ながら私は観ていたい。さらにさかのぼると、平成十四年の歌舞伎座では、同じ顔合わせで、こちらは観ている。蠱惑の舞台

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          【劇評288】彌十郎が、故・勘三郎を彷彿とさせた。『人間万事金世中』。

           強欲な家族に徹している。  新春の歌舞伎座第二部『人間万事金世中』(今井豊茂演出)は、数ある黙阿弥のなかでも異色の台本である。英国の劇作家リットンが一八四○年に初演した戯曲『money』の翻案であり、当時の横浜を舞台に移した。文明開化の音が聞こえる明治の世相が、今となっては、遠い異国のようにも見える。  この作品は、武家社会の崩壊とともに、すべてが金の価値観に貫かれている。この妄執によって、日本人もまた倫理感を失って、現在にいたるまで底知れぬ拝金主義に陥ったのだとよよく

          【劇評287】新年を明るく祝う、新春浅草歌舞伎。松也、歌昇、種之助、莟玉。

           五年の歳月は、歌舞伎役者を大きく育てる。  歌昇、種之助の兄弟が、自前の勉強会「双蝶会」で、『吃又』を上演したのは、二○一七年の八月。三年ぶりに復活した新春浅草歌舞伎で『傾城反魂香(吃又)』を出した。  吃音が故に、後輩の修理之助(莟玉)からも出世で抜かれ、置いて行かれる。才能に恵まれず、世間渡りも巧くはない又兵衛(歌昇)、おとく(種之助)の夫婦は、若いがゆえに、このもどかしさに耐えかねる。  自分がこうありたいというイメージと、他人からの評価が一致しないのが若い時代

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