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共通テストに見る「英語帝国主義」
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去る1月15日、16日に大学入学試験「共通テスト」が行なわれた。「共通テスト」とは、センター試験に変わる新しい大学入試のテストとして、2020年度から実施された。従来の知識暗記型の試験とはちがって、思考力を問うというのが基本的なコンセプトだ。国語試験における複数テクストの出題など、旧来のセンター試験に見られなかった新しいタイプの設問が各科目で見られる。なかでも、ひときわ入試改革の影響を受けて
大学受験のための映画講義 #1
次の文章が信州大学(2014年)の現代文で出題されました。
科学技術がもたらすリスクの原因のひとつとして、「構造災」があります。文字通り、技術のエラーは、それを扱う人間の所作にあるのではなく、技術が抱えている構造そのものに起因するという考え方です。つまり、構造災とは「科学と技術と社会のあいだの界面(インターフェイス)で起こる災害」のことです(前掲、3頁)。合理的な科学技術の体系に人間集合体である