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#毎日note
短編小説#8 何を守るための個性か
僕のお父さんとお母さんはいつも仲が良いのにたまに喧嘩する。
お父さんは大きな声で怒るし、お母さんは甲高い声で怒る。
僕はそんな2人を見ているのが怖くて今日も一人で静かに眠る。
起きて朝になるとお父さんは出かけててお母さんがご飯を用意してくれる。
お母さんはお父さんとどうして結婚したの?
お母さんは、お父さんに助けてもらったの。
そう。助けてもらったのだという。
お母さんが周りから蔑ん
短編小説♯5 なんでなの?
なんで電車を止めないのかな。
つり革を掴むことも戸惑う日が来るくらい、世界は変化した。マスクは必須、アルコールに負けて荒れる指、あったとしても透明な敷居で間に壁を作って、今ではお酒の提供もできなくて、私のアルバイト先は案の定休業になってしまった。
電車に揺られて隣の人の肩が当たる。
こういうのは濃厚接触って言わないのかな。
車内のニュースはオリンピックをやるのかやらないのかと毎日毎日言い争
短編小説♯4 心に貼られた絆創膏。
ひどい雨に降られた。
朝の天気では、にわか雨とは言ってたものの帰る頃には止んでいると聞いていたのに。
予報は予報。外れる時は外れる。最近行った占いもそうだった。三ヶ月以内にできる年下の彼氏は現れることなく過ぎてしまい、幸せが近づいてると言われて近づいてきたのは、ストーカー化した元彼とマッチングアプリのヤリモク四十代自称社長。
運が尽きたのかな、そう感じて空から落ちてくる容赦ない冷たい弾丸にうたれ