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CHIMERA ~嵌合体~ 第一章/第一話 『百』
あらすじ
※この作品ジャンルは『サイエンスホラーミステリー』です。グロ要素が苦手な方は観覧注意お願いします。
○○○○年 〇月 〇日
所 長 Ilya Ivanov 殿
Next Das letzte Bataillon研究報告書
記
目的 obedienceかつ反乱要因の撤廃とegoismの消失
期間 無期限
結果 自我の制御不能、暴走により主要研究員の死亡と実験体の消去により
〔ショートストーリー〕雨女の憂鬱
大学の講義を終えて帰ろうとすると、待ち構えていたように雨が降り出した。雨女なんて言葉、大嫌いだ。そんな言葉があるせいで、私はこれまで勝手に責任を感じてきた気がする。
小学校の修学旅行。1日目は何とか小雨で済んだが、2日目は大雨。制服がびしょびしょになった私たちは、全員で体操服に着替えなければならなかった。6年生最後のイベントのお別れ遠足は土砂降りで、体育館で歌を歌ってお弁当を食べた。何故か大事な
白猫になった魔女 / 連作短編小説 -1-
――吾輩は猫である。
――名前など、とうに捨てた……。
「もぉ。白猫さんったら、またいけずなこと言わはって」
ひょい、と白猫は少女に持ち上げられる。少女の手首にミサンガで結ばれた小さな鈴が、チリンと可愛らしい音を転がす。
――小娘、いい加減にしてくれぬか。
――このような道の往来で、吾輩を赤子のように抱きかかえるなど。
「だって白猫さん、ずっと早足やし。こーんな短い足やのにねぇ」