【小説】心霊カンパニア② 『クレア・サリエンス』
クレア・サリエンス
美味しい食事を存分に堪能し、一息ついたボクは古杣さんを見ながら
《ごちそうさまでした》
と伝え、その際にボクは久しく少し笑顔が作れたと思う。この瞬間から普通の高校生のような感情を取り戻していくんだけど、この時はまだ口元をキュっと横へやるぐらいしかできなかった。
「千鶴さん、あなたはその特異な力をお持ちになられながら、仰っていただいた環境にて精神を病み、意識と精神と共に魂をも生と死の狭間、幽境へと落ちつつあったの。あの状態ではそこらの浮遊霊体だろうが