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エッセイを書きたかったけど、書けずに、行き着いた場所。

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#最近の学び

歯痛から教わった、分かろうとする気持ち。

歯痛から教わった、分かろうとする気持ち。

 不安とか恐怖の原因は、「わからない」ことなんだと思う。だから経済への不安と、オバケ屋敷の恐怖が抱えているものの本質は似ているのかもしれない。「わからない」から不安を抱くし、恐怖を感じるのだ。

 この前、体調を崩した。原因不明の歯痛だった。上顎の奥歯が痛かった。突然の痛みで、特に頭を下げると激痛が走った。歯医者に駆け込もうにも、休日のため行くことができない。ウチは不安に襲われた。

 虫歯は治療

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印象を武器にしたい。

印象を武器にしたい。

 「印象」って、やっぱり大事なのかもしれない。第一印象という使われ方をされたりもするが、ザックリいうと「人にどんな影響を与えるのか」ということだと思う。

 世の中は、意外と勝手な想像で話が進んでしまったりする。「この人は、こういうこと言い出しそうだから、会議メンバーから外そう」とか。「この人は、こういうことをしてくれそうだから、今度の飲み会誘ってみよう」とか。

 深い仲になっていたら話は別だけ

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人生の勝者って、なんだろう。

人生の勝者って、なんだろう。

 アメリカにいると、アメリカの大きさに驚いてしまう。だって、同じ国なのに時差があるんだもの。日本にいる感覚だと考えられらない。平気で3時間とか時差があるから、やっぱり大きな国なんだと思う。

 北海道から沖縄に移動しても、時計の針は変わらない。でも、正確には1時間くらいの時差らしいから、そう考えると日本も大きな国だよね。

 住んでいる場所が離れているほど文化が変化する。これは、なんとなくイメージ

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強豪校は、弱小チームを相手にしない。

強豪校は、弱小チームを相手にしない。

 サッカーがものすごく上手い友達がいた。彼は本気でプロを目指していた。海外進出まで視野にいれ、朝から晩までサッカーに明け暮れる日々を送っていた。でも、彼はプロにはなれなかった。彼はいまだに社会人サッカーを続けている。

 彼とサッカーの話をしていると、そのコミュニティや人脈に驚かされる。「サッカー友達が・・・」と当然のように話を切り出すのだが、聞いてみると、その友達もその昔、プロを目指していたとい

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情熱の行き先を失った大人。

情熱の行き先を失った大人。

 夕方。電車の中で、英単語を必死に覚えている男子生徒がドアに寄りかかっていた。ときどき前髪が目に入るのか、かったるそうに頭をふって髪の毛をどけていた。かと思うと、右手で前髪を撫でて、ガラスに反射する自分の姿をチラチラと気にしている。前髪は邪魔で、でも、必要らしかった。そして、また、単語帳に目を落として、赤いシートを上下左右に動かし始めた。

 ふと奥を見ると、参考書を開くメガネの女子生徒が座ってい

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見たいものしか見ない虫と、人。

見たいものしか見ない虫と、人。

 電車に乗って移動することが多い。細長い箱に大量の人が流れ込んでくる光景は、見ていて面白い。虫を眺めているときと似た気持ちになる。

 なんでそんな色をしているの?
 どうしてそんな動きをするの? 
 なにを考えてるの?
 なにが目的なの?
 

 虫にも人にも同じことを思う。

 だから面白い。

 ウチは別に虫が好きなわけではないんだけど、嫌いでもない。久しぶりにバッタを捕まえたときは、ちゃん

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マスクと想像力。

マスクと想像力。

 体に服がはりついた。毛穴からはベタベタする汗が出る。顔がテカテカして、ときどき獣みたいな匂いが自分から香ってくる。たぶん、鼻のまわりの脂の匂いだ。

 すっかり、春が過ぎ去った。でも、完全なる夏ではない。梅雨も抜けた。夏至も過ぎた。でも、夏というには朝晩が涼しい。春夏秋冬、どの名前も付けられない時期がある。服装に悩む季節。それが、今だ。

 街を歩くと、人の姿が変わったと思った。ここ数年は誰を見

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【エッセイ】 世界の見渡し方。

【エッセイ】 世界の見渡し方。

世界を見渡してばかりいる。世界はウチが思っている以上に広い。それは地球規模で考えることもできるけど、もっともっと日常に根付いた世界でも同じこと。自分の知らない世界が多すぎる。

玄関を出る。そこには毎日みる景色が広がっている。電信柱、信号、集合住宅、遠くに畑。でも、角にある会社のことは知らない。足元を見ると、コンクリートの隙間から細長い緑の葉が伸びていた。小さな白い花を咲かせている。でも、名前は知

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【エッセイ】 暇を暇なまま過ごす。

【エッセイ】 暇を暇なまま過ごす。

ここのところ、ウチは目一杯休んでいる。なにもかもを捨て去るように、休み、遊んでいる。この先の仕事もからっぽで。自分の中に大きな白紙が広がっているような状態! でも、不思議と不安はないんだよね! これはウチの性格なのかしら。

別に、これまで馬車馬のように働いてきたわけではない。適度に休んできているし、ウチは、そこまで休みを欲するような人間ではない。でも、なぜか、今は、休んでるんだ。なにをするわけで

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【エッセイ】 「待たせる」エンタメ設計。

【エッセイ】 「待たせる」エンタメ設計。

彼氏と動物園に行って来ました。

「明日、動物行かない?」
「いいよ、どこいく?」
「やっぱり上野動物園じゃない?」
「やっぱりの意味が分からないけど、上野、いいね」
「だって、ゴリラみたいじゃん!」
「ああ、そこはパンダじゃないのね!」
「知ってる? ゴリラって、パンダよりレアだかんね!」
「詳しくは明日聞かせてよ!」
「もう、焦らすんだから!」

みたいな連絡を取り合ったのちに、動物園に行って

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【エッセイ】 書くこと、話すこと、思考すること。

【エッセイ】 書くこと、話すこと、思考すること。

あたしは、やっぱり言葉が出てくるのが遅い。どうしたって、遅すぎる。だから、遅れをとってしまう。会話をしたいんだけど、パパパンと言葉が出てこないんだよ。それは、発話する勇気の問題なのかしら。整理する時間というか、考える時間が欲しい。だから、会話がズレてしまう。

でも、たまに言葉が身体を追い越していっちゃう時がある。まさにこのエッセイはそれを目指しているんだけど、言葉が先に出てきて、自分の思いがけな

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【30分エッセイ】 出会いは財産。

【30分エッセイ】 出会いは財産。

H先輩と久しぶりに再会した。
やっぱり、H先輩はすごかった。
ウチは、運が良かったことに、やっと気づけた。
若い時にH先輩と出会えたことは、大きな大きな財産だ。

独立って言葉はカッコよすぎるけど、ここ数年、ウチは先輩の手を借りなくとも、一人でなんとか闘っていけるようになっていた。もちろんトラブルはあったし、ピンチも沢山あったけど、仲間や上司の支えもあって、ここまで凌いでやってこれた。

少しずつ

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【30分エッセイ】 おばあちゃん、長生きしてね。

【30分エッセイ】 おばあちゃん、長生きしてね。

おばあちゃんと電話した。
ウチ、この前、体調を崩してたの。そしたら頻繁に電話がくるようになった。ウチから連絡したわけではないから、きっと親がおばあちゃんに連絡したんだと思う。「大丈夫けえ?」という方言がきいた元気な声が心地いい。嬉しかった。とっても嬉しかった!

おばあちゃんは今年、米寿を迎えた。
ちゃんとおばあちゃんだ。決して若くはない。誰がどうみても、おばあちゃん。ウチのおばあちゃんは、びっく

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【30分エッセイ】 言葉にも“姿勢”があるのかもしれない。

【30分エッセイ】 言葉にも“姿勢”があるのかもしれない。

おはようごございます。“ごご”ざいます、だけど、午前中。それも朝。今日も徒然なるままにね。何を書こうかなぁ。何を書こうかなぁ。絵描きさん、ってこんな感じの気持ちなのかな。真っ白けのキャンバスを前に、じっとしてるイメージがあるかも!

こうして、テキトーに書いているうちに、少しずつ輪郭が見えてきたりするんだよね。面白いよね、言葉って。文章って、面白いと思う。

noteをゆるく始めて、2年が経つん

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