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建築や世界の歴史。

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240212_「建築家 安藤忠雄」を読んで。

240212_「建築家 安藤忠雄」を読んで。

2008年に出版されたこの本は、安藤忠雄が何を考え、建築の道に入り、それぞれの時代の中で建築空間と向き合ってきたか、を説き明かしています。
40年の建築家人生を、生み出した多くの作品を、一冊の本に集約することは出来ないけれど、あらゆる空間や出来事、クライアントや案件を取り巻く人と、この方がどのように向き合ってきたか?ということは大まかに捉えられます。
決して建築についての本ではなく、ある建築家の自

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240113_なぜドイツ人はヒトラーに魅せられたのか?

240113_なぜドイツ人はヒトラーに魅せられたのか?

今のドイツから、ナチスドイツ時代を想像するのは難しい。
でも、ドイツには今でも多く、ナチスドイツの遺構が残されていて、子供たちは教育の一環でそれら遺構や収容所へ訪れることもあるという。
(ガス室に寝かせられてトラウマになる子もいるとか…)
日本にある戦争の歴史博物館は、そのほとんどが戦争による被害を訴えるもので、自分たちの起こした悲劇…加害については語られない。
アメリカもそんな感じなので、大抵の

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231219_ガンジーは何をしたか?

231219_ガンジーは何をしたか?

【インドの歴史ざっくり】
紀元前2600年頃にインダス川流域にインダス文明が栄え、気候変動で文化が滅亡したり、部族間で戦争が勃発したりしながら、ヒンドゥー教の基礎(バラモン教)を築き、ガンジス川流域へ拡大していった。
イランを中心に成立していたペルシャ帝国や古代ギリシャ人によって建国されたマケドニア王国に侵略されながらも、新しい宗教、思想、哲学を発展させて、さまざまな文化や技術が広がっていくことと

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230903_日本の近代史ざっくりまとめ1

230903_日本の近代史ざっくりまとめ1

なぜ日本は真珠湾攻撃をしたのか?
ここを紐解くための、鎖国の歴史を改めて振り返ってみた。

🇪🇸1492アメリカ大陸発見(歴史上の)
西廻りでのアジア到達を目指したコロンブスが西インド諸島へ到着。
→イタリア、イギリス、フランスがアメリカ大陸へ侵略、植民地化。

🇬🇧1600-1874イギリス東インド会社
国際貿易発展当初、リスクの高い航海を担保するための資金提供組織としてイギリスに発足。

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□「サピエンス全史」を読んで。

□「サピエンス全史」を読んで。

コロナをきっかけに人気が再燃した歴史書(哲学書?)。
歴史も文化も政治も経済も、総括的に今の世界へつながる出来事がまとめられています。

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第一部 認知革命

人間の赤ん坊は他の霊長類、ましてや他の動物と違い、生まれてすぐには立つことも歩くことも出来ず、敵に襲われても這って逃げることさえ出来ない。
それは人間の特徴である大きな脳と直立歩行が原因で、四足

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□「眼の隠喩」を読んで。

□「眼の隠喩」を読んで。

・はじめに。

人は五感を持つというが、実際のところ情報収集の多くを視覚に頼りすぎている。
反応時間という意味で言えば視覚より聴覚、嗅覚が劣るということは決してない。
けれど、情報を基に思考することに関して言えば、視覚に勝るものはない。
顔認識が一般化され、8Kカメラが実用化される現代でさえ、人間の視覚を介した思考能力を網羅するまでには至らない。
それは非常に曖昧な″感覚的″な分野も含むが、その感

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□国立競技場の歴史と新国立競技場問題

□国立競技場の歴史と新国立競技場問題

今更だけど国立競技場についてまとめてみました。
新国立の経緯はニュースで見たし、建築雑誌の記事も読んだ。
それでも世の中の人がザハを悪者にしたり隈さんを批判しているのに対して、きちんと説明できないのが悔しいので、自分なりに簡潔にまとめておきます。

…まずは前提として…

・江戸時代に青山家の大名屋敷があったこの地一帯は、明治維新以降の版籍奉還により朝廷に返還され、徴兵令により集めた兵の育成の

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□パリ改造とフランスの歴史

□パリ改造とフランスの歴史

2019.02.16

ブラタモリ〜パリ編〜を見て、オスマンの大改造懐かしいなー都市計画でやったなーと思いながらも、意外とその背景とかちゃんと知らないなーと思って調べてみました。

・フランスの地にはもともとケルト人が住んでいて、ローマ人は彼らをパリシイと呼んだ。

・紀元前、ユリウスカエサルがこの地に侵攻し、古代ローマ帝国により統治された文化が築かれる。
この頃からシテ島周辺をパリと呼ぶようにな

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