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思い込みとかで適当に解説されると、すぐわかるじゃないですか。あ、ここ勢いで話したなって。ムカつきますよね。



昔よくみた、池上彰みたいな人が語ってくれる系の番組、もちろん「なるほどね~」となることの方が多かったのですが、いざ自分の専門分野の話になると「ん〜ちょっとちがうんだよね〜」と感じることもあったんですよね。

一般人や子供にも広くわかりやすく伝えるにはそう表現するしかないよな仕方ないよねと納得する程度のこともあれば明らかに情報が古かったり間違った認識の元で話されてていやこれはマズイんじゃないのということもあり。 

そうすると、もしかして今まで自分がなるほどと思っていたことも、その道の皆様にとってみれば、同じように違和感を覚える内容だったのではと疑問を持つようになり、氏に対する信頼が砂のようにこぼれていったのを覚えています。

まあ、90分の講義を何コマも毎日4年間うけても解らないことだらけだったのに、CMづくしの1時間、ほんの10分15分を専門家でもないおじいちゃんが話して、お笑い芸人が適当に茶化してすぐに次にいくような番組から何かを知れるなどと思うほうがおこがましいというのはわかっているので(しかも無料ですし)、それをもってしてTVは捏造をしているとまで騒ぐつもりは無いですけれど、やっぱり自分が興味を持った事柄はTVや本のダイジェストではなくきちんと自分の力で調べ、学ぶ必要があるものだなと痛感しました。

ダイジェスト(Digest)って消化するって意味なんですよ。

他人に消化させずに、自分で食べないとだめなんですよね。

でもこれ、だれでも経験あるんじゃないですかね、
特に、マイナースポーツに従事されてる方とか、歴史オタの皆さんとかはかなり若いうちから経験されると思います。

思い込みとかで適当に解説されると、すぐわかるじゃないですか。あ、ここ勢いで話したな?って。ムカつきますよね。





現在、ネット上で好き勝手に交わされる自称有識者の皆様の語る内容にも、やはり同じようなことを思う時がある、というか段違いでひどいんですよね。

先日、N県N市のとある地域に寺院がズラリと並んでいる地図を紹介しているツイートがありました。
そこに対するリプライや引用RTで

「城下町では寺に兵を入れて防衛線とする」

と、まるでタモリ並に得意げに語るかたが多数(多数ですよ)見られたんですけど、そこに対してその真偽を自分で調べもせずに、なるほどと納得しちゃってる人やそれをそのままRTしている人が芋づる式に現れて、もうね、見てられないですよ。

まずN市は城下町じゃねえから。城なんてないですよ。
一説には一瞬だけあったという説もあるみたいなのだけど、それは防衛拠点としての城、要塞。

ただの道具であって、しかも遺構もなにも残っていませんから、語られているような城下町を形成するような城はないんです。

どうせゲームかマンガで知った知識でしょう。

ただ寺が並んでただけで無条件に城下町の防衛線だって断定しちゃうその浅はかさ、反省してください。

だいたいだれの城です?武田信玄?ちゃんと考えてから書いてます?

何を守るの?何から守るの?すぐそばにでかい川が流れていて兵は進めないのだけどそんな天然の防壁があるところに二重で?

そんな無駄なことを?もし自分がそこを守るとして、どういう線を引くの?補給はどことつなぐの?


そこまで考えて欲しいんですよね。

そうしないとさ、話が出来ないじゃん。

嘘や適当、ハッタリとカンで終わってしまったら、真実にたどり着けないじゃん。

知ったかぶりの知識自慢と話しても、面白くないんです。

学びが、欲しいんですよ。





ネット上にあふれる自称有識者のみなさんのお話ってそんなのばっかりなんですよ。

もっと近い世界だと、ケータイのカメラの画質が良くなりすぎて取材にカメラマンを帯同させる必要が無くなりカメラマンは失業するとかいう話もありました。

そんなわけ無いじゃんって。10秒でいいから考えて下さいよ。
構図とかライティングとか配置とか、納品に耐える形に編集とか。そういう技能がライターさんにあるのかって。

そんなスキルのあるライタさんがいたとしたら、わざわざiPhoneなんて使わずに10年前からニコンでもキヤノンでも持ち歩いてますよって。

仕事しらなすぎ。

一番大事なのは機材じゃなくて照明。

インスタや食べログに溢れる一般人の料理写真みたことあるでしょう。

直射とか自然光でヘンな影、たかが料理一皿でも沢山の技能や知識が必要なんだなってわかると思うんですよ。

人物もそう、風景もそう、建物だってそう。

自分でやったことがないから大変さが解らない。想像だけで話しているのがバレバレなんですよ。

超高画質でヘボ写真みせられても誰もお金払わないですよ普通。

iPhoneをプッシュして、既存のカメラメーカをDisりたいという結論ありきだから、理論が破綻してるんですよ。

そのために、道具の文化まで捏造しちゃだめですって。

その人、なんかSONYだけは画処理がすげえとかプッシュしてましたけど、いまカメラ界でSONYがどういう扱いか知ってます?





EV対既存自動車メーカ論とかもそうなんですよ。

いわゆるIT系の皆様が新聞TV雑誌にNETで、EVはパワトレの基幹部品が少なく誰でもつくれるようになるから中国やアジアの新興やベンチャーに荒らされ既存メーカが淘汰される、などともっともらしく語っちゃって。

それを見て喜んじゃった皆さんが得意げにまた僕に話すわけですよ。

それから数年、気づいたら欧州勢を筆頭にフォードもGMも、結局トヨタとスバルまで普通にEVを出してきて、おまけに中国のEVメーカが破産するとかいうニュースもぽつぽつ出てきたんですよ。

そりゃそうですよ。誰にでも作れるなら結局は信頼できる既存メーカに行くよねって。

動力源なんて構成する部品の一部に過ぎないわけですよ。

ふつうの人が求めているのは「クルマ」であって「電気で動く乗り物」が欲しいわけじゃないんです。

勝手に電気で動くのは構いませんが、便利さや価値はいままで通りでお願いしますよってことですからいままでどおりのものを作れるメーカのものじゃないと結局はダメだったんです。

そして例のトヨタのニュースでしょう。あれ自体は随分まえに発表されてましたけどその時はしょせん中国向けのローカルEVだと思ってたんでしょう。

今みんなだんまりじゃないですか。どうしたんですか。早くなんかケチつけてくださいよって。

リチウムの鉱山まで開発してたらしいですよ。

本気で土管屋になる気はあるのか?くらい言ってくださいよ。





こういうのを何回も見せられると、だんだんそういう人達の話のパターンがわかってくるんですよね。


ただ相手より、もの知りであるように見せたいだけ。

なんでも知ってる全能の存在であることに価値があるから、それは専門外なのでわかりませんってなかなか言えない。
いざ逃げるときだけ、そんなの素人の僕が知るわけないじゃないですかって言う。汚い野郎だ。

その雰囲気を構築することだけが目的なのでデータから導き出される結果を展開するのではなく、まず結論ありきで都合の良いデータをかき集めることになる。

順番が逆。

それなりに立派な肩書きをお持ちな方ですら専門外のことに関してはその態度をとるので、もう嫌になってしまいました。

PVが金に直結してる世界だと、やはり質は下がりますね。結局CMを見てもらいたいTVと同じになってる。

何のことはない、せんべい齧りながら坂上忍といっしょに政治家にケチつけてるおばちゃんの延長線上に彼らはいるんですよ。

でもファンの方々はそれでいいみたいですね。

終末思想を利用した宗教団体では、審判の日が来なかったとしても信者は離れないそうです。

「教祖はうそつきだった」ではなく「自分達の信仰によって破局が避けられた」と思うことで逆に結束が高まるという話を読みました。

人は、まず結論ありきであり、情報や理論はそこにいたるまでを補強するものでしかありません。
信仰したいという信仰がある以上、揺らぐことなどないのです。見たくないものは見ない。都合の悪い事実はフェイク。

じゃあ最初に自分のポジションをそこに置いたきっかけってなんだったんでしょうね。

直感?絶対的な正しさ?見えざる神の手?
それを疑うのが、学ぶ心だと思うんですが。

現代では、その信仰心は一体どんな幸せを運んでくれるのでしょう。

私は、年をとっても好奇心と探求心と研究の心を忘れないようにしたいなと思いました。

ネットで10分15分で調べられることなんて、何の価値もないですよ。


自分の目と頭で、疑って、考えて、調べて、そして、わからないものはわからないと言える人間であり続けたいものです。



おしまい。








【おまけ】


いくらマグナシュタイアあたりがコンポーネントごと売ってくれるとしても、誰でもEVを作れるというのは流石に言い過ぎですね。

彼らに言わせればこういう思想も時代の変化に取り残され、既得権益にしがみついて産業構造の改革を望まない古い考え方のようですが。

コア部はだれでもできるからこそ、それ以外の骨格、脚、内装とか基礎がきちんとしたものが選ばれはじめていると考えるのが普通です。つ

みんながみんなエコ信者じゃないんですよ。補助金がでてランニングが安ければなんでもいいんです。

だって殆どの普通の人達が求めているのは「自動車」ですから。

「電気自動車」が欲しいわけじゃない。


e-Golfとかが一番解りやすい例ですが、便利さや道具としての価値がいままで通りのゴルフであることが大前提で、

あとはじゃあ電気でも水素でも軽油でも別に構いませんよってことです。

だから、いままでどおりのものを一定の水準で作れないメーカのものはすぐに見破られちゃってダメなんですよ。

そういうノウハウや製造技術は時間とカネをかけて人と組織を育てないと手に入らないんですよ。

工場と従業員というのは楽器みたいなもので、音を出すだけなら誰でも、でも奏でるには知識と経験とやっぱり膨大な練習時間が必要なんです。


いま大量発生してるEVベンチャーってその基礎がないんですよね。

秘伝のたれが。

モータで動くというだけで、車体だとか脚だとか作りの本質的な部分を無視できる人なんてただのノイジィマイノリティです。
427のV8が入る代わりにエアコンも乗り心地も全部無視できる人と本質的には全く同じですよ。
 

殆どの人に求められているのは、ただ移動する為の道具です。

それが本質的にサステイナブルなのかどうかとか、そもそもあなた方の言う持続可能性とはなんなのか、持続とはなんなのか、なんて事を考える人自体が少数派なのです。


ユーザもバカじゃない。
ただ「エコ」であるという謎の理由だけで、自分のライフスタイルを簡単に変えられる人なんて少数派どころじゃない。

間違いなく、奇人変人の部類です。




【おまけ2】

そもそも、もともとのαの躍進自体がC/Nのいない池に魚をうまく引き寄せただけでのバブルであって、彼らがレフ機を捨ててまで攻めてきたら勝てるわけ無いんですよ。

これも車と同じで長年培ってきた、性能以外の部分は簡単には真似できないんですよね。

アダプタ経由とか値段が安いとかそんな程度の理由で簡単に乗り換えてきた人達は同じ理由で簡単に離れると思います。

こうなってくると「ミラーレスにしかできない事」ではなくて「SONYにしかできない事」が無いと選ぶ理由が無いんですよね。

それってなんかありますかね。まあないから今こうなってるんですよね。

Nikonのレンズロードマップがもうすごいことになってますよね。24-70のレンジを崩してまで安いF2.8作ってくるとか昔じゃ考えられない。本気でシェア奪還に来てる。

これからが楽しみですが、本当にSONYってこれからどうするつもりなんでしょうね。

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