kai

文化人類学の調査を1つ1つ紹介していきます。 大学では文化人類学を専攻しておりました。

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文化人類学の調査を1つ1つ紹介していきます。 大学では文化人類学を専攻しておりました。

記事一覧

星空がなければ僕は死んでいた

本気で世の中に絶望していた。 僕は1週間前に会社を辞めた。 昔から逆算をすることが難しく、おまけに怠惰。 興味を持ったことしかできない。 新卒で入社数ヶ月しか持たな…

kai
2年前
4

これって普通じゃないのかも【文化人類学】

文化人類学をご存知ですか? 「聞いたことはあるけどよくわからない...」 「初めて聞いた」 そんな方々へ、一緒に文化人類学の世界へ踏み込んでみましょう。 文化人類学…

kai
2年前
7

ショートショート【マスクが隠していたもの】

仕事が終わり、家路につく。 スーパーに寄らなきゃ。 冷蔵庫の中が空っぽだったな。 30を過ぎ、彼氏なし、一人暮らしの私は夕飯を自分で作り一人で食べる。 いつものスー…

kai
3年前
1

若者が使う「チル」とは?言語化してみた

チルという言葉を知っていますか? 若者が多用するチルという言葉。 それってどういう意味なの?と上の世代からしばしば質問を受けます。 語源などはネット上に多々あるの…

kai
4年前

星空がなければ僕は死んでいた

本気で世の中に絶望していた。 僕は1週間前に会社を辞めた。 昔から逆算をすることが難しく、おまけに怠惰。 興味を持ったことしかできない。 新卒で入社数ヶ月しか持たな…

kai
4年前

バスの運転手同士の微笑ましい瞬間

市営のバス同士がが道路ですれ違うことってありますよね。同じエリアですれ違うバスなんてだいたい会社は同じ。バスの後方に座る私は、その瞬間温かい気持ちになるのです。…

kai
4年前
2

数学で脳イキしよう-小説だからできる-

タイトルに少し品がなかったでしょうか。大変失礼いたしました。しかしまさにこのタイトルだろうという小説に出会いました。 『青の数学』です。 数学ってなんだかおかた…

kai
4年前
5

読書は一人称なのか、三人称なのか

読書(ここでは小説)ってその世界観の中に没入出来ますよね。周りに誰がいようがノイズキャンセリングをしているかのような孤独。一方でその世界に入り込み、たくさんの人…

kai
4年前
7

人の裏面にはさらに裏があるかも、小説『medium』より

非常に面白いミステリーでした。最後の最後に予想を裏切ってくれましたね。 さて本書の登場人物から得られたことがあります。 人は人の裏面、普段とは別の性格、印象を偶…

kai
4年前
1

『FACT FULLNESS』と『逆ソクラテス』を組み合わせたら最強なのではないか

『FACT FULLNESS』は言わずと知れたベストセラー。 多くの人が、固定観念で物事を知った気になっているということを解き明かしていますよね。 小説『逆ソクラテス』は違…

kai
4年前
8

小説『i アイ』が教えてくれた人の苦しみを想像するということ

震災で被害者にならなかった私私は東日本大震災を経験した。東北の太平洋沿岸部沿いが地元である私は、まだ中学生だった。 幸運にも私は大きな被害もなく、家族も無事だっ…

kai
4年前
2

誰でも貧困になる可能性があると知った

『希望が死んだ夜に』という小説を読んだ。 貧しい女子中学生が同じ学校の女子中学生を殺したが、その動機は不明で、その謎を解き明かしていく物語だ。 意外だった父子家…

kai
4年前
6

デジタルネイティブはもはやゲームですら没頭できない

あのゲームがしたい。 ネットで話題になっているゲームをプレイしてみる。 ほうほうこれは楽しいゲームだ。 現代のゲームはオンラインで対人戦ということがしばしば。 …

kai
4年前
4

道でイヤホンを外せば

道を歩く時、イヤホンを付けていることは多いのではないでしょうか。 一度イヤホンを外してみてください。 電話をしている人とすれ違った時、ふと耳をすますと何の話をし…

kai
4年前
2

いきなりステーキのマスクがかっこ良すぎる

コロナが流行ってから、外出する人々は皆マスクをしています。 白いマスクはもちろん、黒いマスクや立体マスク、花柄のマスク... 様々なマスクがありますね。 そんな中…

kai
4年前
5

いじめられたら小説『かがみの孤城』へ逃げればいい

学校でいじめられて辛い。誰もこの辛さをわかってくれない。誰かに全て吐き出してしまいたいけれど、弱さなんて見せたくない。かっこ悪い。 あなたと同じ気持ちを持った女…

kai
4年前
3
星空がなければ僕は死んでいた

星空がなければ僕は死んでいた

本気で世の中に絶望していた。

僕は1週間前に会社を辞めた。
昔から逆算をすることが難しく、おまけに怠惰。
興味を持ったことしかできない。
新卒で入社数ヶ月しか持たなかった。

なんで僕はこんなにダメなんだろう。
生きている価値もない。
社会不適合者という逃げの言葉を使い、僕は実家に引きこもる。
なんで東京なんて出ちゃったんだろう。

世の中にも不満を持ち出す。
ダメなやつの悪い癖だ。
高齢者がい

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これって普通じゃないのかも【文化人類学】

これって普通じゃないのかも【文化人類学】

文化人類学をご存知ですか?

「聞いたことはあるけどよくわからない...」
「初めて聞いた」

そんな方々へ、一緒に文化人類学の世界へ踏み込んでみましょう。

文化人類学とは文化人類学とは一体どんな学問なのでしょう?

文化人類学は、世界のさまざまな民族や地域の文化・社会などのしくみを研究し、例えば、「日本とは何か」、「日本人とは何か」といった問いを探究していく学問です。問いはそれぞれの研究テーマ

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ショートショート【マスクが隠していたもの】

ショートショート【マスクが隠していたもの】

仕事が終わり、家路につく。
スーパーに寄らなきゃ。
冷蔵庫の中が空っぽだったな。

30を過ぎ、彼氏なし、一人暮らしの私は夕飯を自分で作り一人で食べる。

いつものスーパーに寄る。
さて夕飯は何にしようか。
面倒だからお惣菜を買って食べればいいか。
私はお惣菜コーナーへ向かう。

すると向こうから親子が歩いてくる。

「ねーねーママ、唐揚げが食べたい!」

「唐揚げね、これでいいかしら」

「いや

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若者が使う「チル」とは?言語化してみた

若者が使う「チル」とは?言語化してみた

チルという言葉を知っていますか?
若者が多用するチルという言葉。
それってどういう意味なの?と上の世代からしばしば質問を受けます。

語源などはネット上に多々あるので割愛。
意味は、自然を味わい、落ち着くといった意味。
例えば浜辺で波音を聞く、青い海を眺める、夕日を眺める、そんな自分の状態をチルいな〜(チルという名詞だけでなく、ヤバイのように状態を表すこともできる)といった感じ。

さらに深堀して

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星空がなければ僕は死んでいた

本気で世の中に絶望していた。

僕は1週間前に会社を辞めた。
昔から逆算をすることが難しく、おまけに怠惰。
興味を持ったことしかできない。
新卒で入社数ヶ月しか持たなかった。

なんで僕はこんなにダメなんだろう。
生きている価値もない。
社会不適合者という逃げの言葉を使い、僕は実家に引きこもる。
なんで東京なんて出ちゃったんだろう。

世の中にも不満を持ち出す。
ダメなやつの悪い癖だ。
高齢者がい

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バスの運転手同士の微笑ましい瞬間

バスの運転手同士の微笑ましい瞬間

市営のバス同士がが道路ですれ違うことってありますよね。同じエリアですれ違うバスなんてだいたい会社は同じ。バスの後方に座る私は、その瞬間温かい気持ちになるのです。 

すれ違った瞬間、運転手同士手を上げて「お疲れ!」と吹き出しが見えるようなコンタクト。「うわ、あいつ反対車線にいるぞ」とマスクの下でニヤニヤしているのでしょう。笑

都会のバスはお客sと話す機会もなく、孤独な業務に見えます。その裏でたま

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数学で脳イキしよう-小説だからできる-

数学で脳イキしよう-小説だからできる-

タイトルに少し品がなかったでしょうか。大変失礼いたしました。しかしまさにこのタイトルだろうという小説に出会いました。

『青の数学』です。

数学ってなんだかおかたいもの。学校で習った以来で一度も触れていない。そういった人も多いと思います。

物語の中では、オンライン上で1対1の数学バトルをします。多くの問題を解く、早く問題を解くといろいろな対戦形式があります。こうして主人公は数学にのめり込んでい

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読書は一人称なのか、三人称なのか

読書は一人称なのか、三人称なのか

読書(ここでは小説)ってその世界観の中に没入出来ますよね。周りに誰がいようがノイズキャンセリングをしているかのような孤独。一方でその世界に入り込み、たくさんの人とであることができる。

映画やドラマやアニメ、漫画を読む際に私たちはそれを傍観する第三者。その作品をリアルな世界から眺めるという点で第三者にもなれていないかもしれない。

これが読書と異なる点であると私は思う。読書はたとえ第三者であっても

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人の裏面にはさらに裏があるかも、小説『medium』より

非常に面白いミステリーでした。最後の最後に予想を裏切ってくれましたね。

さて本書の登場人物から得られたことがあります。

人は人の裏面、普段とは別の性格、印象を偶然にも知ってしまった時(例えばいつも威張っている人が、実は臆病だった)、あの人は臆病なのだと勝手に決めつけてしまうんですね。

人の裏面を偶然みてしまったのです。それは信じてしまうものでしょう。

しかしそれが臆病であるという自分を見ら

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『FACT FULLNESS』と『逆ソクラテス』を組み合わせたら最強なのではないか

『FACT FULLNESS』は言わずと知れたベストセラー。

多くの人が、固定観念で物事を知った気になっているということを解き明かしていますよね。

小説『逆ソクラテス』は違った切り口でそういった固定観念をひっくり返してくれます。

先入観をひっくり返すという言い方を本書ではしていますが、小学生が知恵を振り絞って同級生や大人の先入観を壊す様は爽快ですね。

実は当たり前だと思っていたことが、過去

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小説『i アイ』が教えてくれた人の苦しみを想像するということ

小説『i アイ』が教えてくれた人の苦しみを想像するということ

震災で被害者にならなかった私私は東日本大震災を経験した。東北の太平洋沿岸部沿いが地元である私は、まだ中学生だった。

幸運にも私は大きな被害もなく、家族も無事だった。

しかし周りには被害を受けた人々が大勢いる。

友人の中には津波で家を失った人、原発の影響で二度と自宅に戻ることが出来ない人。

亡くなった同級生もいた。

避難所となっていた母校の小学校へ行くと、友人が家族とともに、体育館内に与え

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誰でも貧困になる可能性があると知った

『希望が死んだ夜に』という小説を読んだ。

貧しい女子中学生が同じ学校の女子中学生を殺したが、その動機は不明で、その謎を解き明かしていく物語だ。

意外だった父子家庭の貧困母子家庭、父子家庭ともに貧困に陥る可能性は往々にしてあるようだ。

シングルマザーがお金に困るというのは、しばしば聞く。

一方でシングルファザーが貧困に陥る現状もあるのだ。

夫、妻、子どもの家庭で、夫は稼ぎに出るサラリーマン

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デジタルネイティブはもはやゲームですら没頭できない

デジタルネイティブはもはやゲームですら没頭できない

あのゲームがしたい。

ネットで話題になっているゲームをプレイしてみる。

ほうほうこれは楽しいゲームだ。

現代のゲームはオンラインで対人戦ということがしばしば。

やはりゲームは人とするから楽しいよなあと感じる。

しかしオンラインでの対人戦はみんな強い。

あーあまた負けちゃった。

幾度となく負けが続くとやりたくなくなる。

そうするとYouTubeに公開されているゲーム実況に逃げる。

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道でイヤホンを外せば

道でイヤホンを外せば

道を歩く時、イヤホンを付けていることは多いのではないでしょうか。

一度イヤホンを外してみてください。

電話をしている人とすれ違った時、ふと耳をすますと何の話をしているの?と感じることがあります。

今晩聞いたのは、

「あそこは上からも下からも撮られてるからダメだな」

なんか結構アウトな話にしか聞こえません。笑

「とられてる」がどんな字なのかは、正確にはわかりませんが、私には「撮られてる」

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いきなりステーキのマスクがかっこ良すぎる

いきなりステーキのマスクがかっこ良すぎる

コロナが流行ってから、外出する人々は皆マスクをしています。

白いマスクはもちろん、黒いマスクや立体マスク、花柄のマスク...

様々なマスクがありますね。

そんな中、いきなりステーキの店員さんがしているあのマスク。

ふと商店街を歩いていると目に入ってしまいました。

マスクというよりプロテクトなのかな...?

コロナが流行る前よりかけているあのマスク。

もはや一周回ってかっこ良い。

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いじめられたら小説『かがみの孤城』へ逃げればいい

いじめられたら小説『かがみの孤城』へ逃げればいい

学校でいじめられて辛い。誰もこの辛さをわかってくれない。誰かに全て吐き出してしまいたいけれど、弱さなんて見せたくない。かっこ悪い。

あなたと同じ気持ちを持った女の子が『かがみの孤城』の中にもいます。

学校に行っている人がそんなに偉い?お母さんは学校に行かないわたしをみてため息をつく。

そんなお母さんをみているとわたしも辛くなるし、行かなきゃいけないのなんてわかってるよ。

でもあの子が学校に

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