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BOOK REVIEW 12: 「空気」と「世間」

BOOK REVIEW 12: 「空気」と「世間」

空気にハマって読んだ本の続きです。

こちらは演出家で、またHNKのクールジャパンの司会としても活躍されている鴻上尚史さんの本。

とにかく面白かった。
「空気」の存在の前に、それが存在する「世間」と「社会」について説明しています。

1 世間と社会世間と社会は真逆の存在だと筆者は言います。
「世間」とは自分の現在や未来に関係のある、または影響のある人間関係で、「社会」とは自分に関係のない世界です

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BOOK REVIEW❾:どのような教育が「よい」教育か

BOOK REVIEW❾:どのような教育が「よい」教育か

以前、一読した本でしたが、作者である苫野先生のいう「自由の相互承認」について整理し直したいと思い、再度、読み直しました。

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教育の本質とは(定義)「各人の<自由>および社会における<自由の相互承認>の<教養=力能>を通した実質化である。

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教育の問題(メモ)⑴ 教育の一般化

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BOOK REVIEW 11 :「空気」の研究

BOOK REVIEW 11 :「空気」の研究

「空気」についてどハマりし、「空気を読む」とは何か。日本人はどんな空気を、いつ、どのように読んでいるのか。どのような時に「空気を読めた」と言えるのか。空気はどのようにして生まれるのか。そして、何よりも「空気」と学校や授業との関係性についてずっと考えています。

とりあえず、これは読むしかないと手に取ったのはこちら。

「空気の研究」作者は山本七平。ものすごく昔に、「日本人とユダヤ人」を読んだことが

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BOOK REVIEW➓:アフリカ出身サコ学長、日本を語る

BOOK REVIEW➓:アフリカ出身サコ学長、日本を語る

アフリカ系として初めて日本の大学の学長になったウスビ・サコ学長の自叙伝を読みました。

知るきっかけになったのは、このチラシでした。

サコ学長は、マリ出身で京都精華大学の2018年より学長に就任しています。

こちらのブログも面白く、どんどんと興味が湧いて、自叙伝を手に取りました。

読んだのはこちらの本、「サコ学長、日本を語る」

面白いなと思ったポイントを9つ整理しました。

1. 日本に協

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BOOK REVIEW⑧: 教育は何を評価してきたのか

BOOK REVIEW⑧: 教育は何を評価してきたのか

【生きづらい社会を変えられない原因は、「望ましい」人間像にあった!能力・態度・資質という三つの言葉から読み解く】と帯にあり、購入。

著者は東京大学大学院教育学研究科の本田由紀教授。スクールカーストについての著書もあります。

今まで日本の教育がどの様な能力を育み、これからそれがどのように変化すべきかという示唆がある本と思い読みました。

私が最も興味を持ったのは、「資質・能力」や「態度」には日本

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BOOK REVIEW❼:世界で生きるチカラ〜国際バカロレアが子どもたちを強くする〜

BOOK REVIEW❼:世界で生きるチカラ〜国際バカロレアが子どもたちを強くする〜

国際バカロレアのイメージはエリート教育。アメリカではIB(International Baccalaureat)と呼ばれ、私が勤務していたアメリカの高校にありませんでしたが、他校ではIBの日本語クラスを教えている先生がいました。教員も特別な研修が必要なことや、世界中で単位が認められること、また、日本でもいくつかのインターナショナルスクールや有名私立が取り入れていることぐらいは知っていましたが具体的

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BOOK REVIEW ❻:なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか!?

BOOK REVIEW ❻:なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか!?

大阪箕面高校で最年少民間人校長に採用された、日野田直彦校長の著書で2018年に出版されています。公立高校から海外進学者を輩出し、世界最高峰と言われるミネルバ大学への合格者をも出した日野田先生の4年に渡る取り組み。特に海外とのコネクションを生かしながら、生徒や教員のマインドセットづくりを基礎として、無力化された学校ではなく、教育の本来の目的は何かを呼び覚ますような、独特の取り組みが紹介されています。

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BOOK REVIEW❺:「目的思考」で学びが変わる

BOOK REVIEW❺:「目的思考」で学びが変わる

千代田区立麹町中学校で前例のない取り組みを次々と実施してきた工藤勇一校長についての本。

この人のことを知ったのはアメリカにいた時で、ネットに流れてきたこの記事を読んだことがきっかけだった。

「こんな風なリーダーシップを発揮できる人が日本にもいるんだ!」という新鮮な喜びに勇気をもらい、もう感動しかなかった。それから調べるほどに共感しかなく、帰国してすぐに本を手にとった。

宿題や定期考査をなくし

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BOOK REVIEW④:大学はもう死んでいる?トップユニバーシティーからの問題提起

BOOK REVIEW④:大学はもう死んでいる?トップユニバーシティーからの問題提起

オックスフォード大学で教鞭をとる社会教育学者である苅谷剛彦教授と東京大学の吉見俊哉教授との対談本。アメリカの大学と日本の大学を比較しながら、どうすれば日本の大学が世界で生き残れるか模索しています。

少子化のあおりを受けて、高校で勤務していても大学経営の難しさを肌で感じることがさらに増えてきた昨今、大学改革について海外の大学で勤務している刈谷教授の視点を知りたくて手に取りました。

この本を読んで

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BOOK REVIEW❸:教育の力

BOOK REVIEW❸:教育の力

高校教諭として10年がすぎた頃、「何のために教育をしているのか、どのような能力やスキルを私は教師として生徒につけさせようとしているのだろう」ということが全く分からなくなった時期がありました。その時に救ってくれ、答えをくれたのがこの本「教育の力」。

この本から私が学んだ最大のことは、教育の目的は「自由の相互承認」の原理を実質かすることであること。

子ども(も、大人も)は一人ひとりが自由に生きる権

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BOOK REVIEW❷: How Will You Measure Your Life?

BOOK REVIEW❷: How Will You Measure Your Life?

あなたは自分の人生をどのようにして計りますか。

ハーバード大学のビジネススクールで世界トップクラスの生徒を教えた作者が、人生を踏み外す生徒が多いことに注目し、優秀なのにも関わらず彼らががビジネスやプライベートで破綻した人生を送っているのはなぜかを探る本。

日本語では「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」と言う堅苦しいタイトルですが、ビジネススクールのこと

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BOOK REVIEW❶: the CULTURE MAP

BOOK REVIEW❶: the CULTURE MAP

読んだ本で良かったものをブックレビューとして記録してきます。

第1回目はthe CULTURE MAP.

邦題は「異文化理解力〜相手と自分の真意がわかる、ビジネスパーソン必須の教養」。作者はエリンメイヤー(Erin Meyer)というアメリカ人でフランスに拠点をおく国際ビジネススクール(INSEAD)の教授でもあり、多国籍企業が統合を繰り返す中での軋轢や問題についてアドバイスを与えたり、異文化

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