外国人採用～日本で家族と世界をつなぐ未来を築こう②

　日本における外国人労働者の家族帯同問題の克服には、日本をもっと魅力的にそして、日本人自身の労働環境について改善するためも、課題が多くあると思います。

　日本で働きたいとお考えの外国の皆さんにとっても、外国人採用をしたいとお考えの企業経営者にとっても、もっと魅力的な環境を提供するために、私たちが取り組むべき多くの課題があります。

　その中で、外国人の長期滞在者向けのサポート体制の強化への道筋を切り開く必要があります。

1.長期滞在者向けのサポート体制の強化

　在留資格の永住権の取得を緩和すること。家族同伴のビザ取得支援、教育や医療サービスへのアクセス向上など、長期滞在者が日本で生活しやすい環境を整えることが必要です。

　また、外国人の女性が出産や育児をしやすいような制度の整備も重要な課題です。

　特に、外国人の出産や結婚、育児という女性の立場に立った制度が、ビザの種類に応じて、現状では、整備されていないことも重要な課題であると思います。

　家族を第一に考えるという外国人の人権を否定するような『実習生と特定技能外国人の家族帯同を認めていない』ことは、「働きやすい国」「働きたい国」「暮らしたい国」としての日本には遠く及ばず、日本の都合となり、大きな障害となっていると思います。

2.複数のアプローチ

日本における外国人労働者の家族帯同問題の克服には、複数のアプローチが必要です。以下に、可能な解決策をいくつか挙げます。

【1】法改正と制度の見直し

①ビザ制度の改正

 家族帯同を可能にするビザカテゴリーの一時新設や改正。

　特に技能実習生や特定技能外国人など、現状では家族帯同が認められていないビザの見直しが必要です。

　これは国籍が外国である滞在者への人権が叫ばれている日本社会内部からの要請でもあると思います。

②滞在資格の条件緩和

　家族帯同が可能な条件を見直し、より多くの外国人労働者が家族と一緒に生活できるようにする。例えば、滞在期間の要件緩和や、必要な収入基準の見直しなど。

【2】社会的サポートの充実

①多言語での情報提供

　妊娠、出産、育児、結婚などに関する情報を、外国人がわかりやすいように多言語で提供すること。

②地域社会におけるサポート体制の強化

  地域社会が外国人家族を受け入れ、支援するためのプログラムやイベントの充実。地域の国際交流センターなどを活用した支援。

【3】労働市場の改善

①労働条件の改善

外国人労働者が安定して一瞬働ける環境を整えること。これには、適切な判断、労働時間の管理、休暇制度の整備が含まれます。

②キャリアパスの提供

単純単純労働ではなく、技術や資格を身に付けられる環境を提供し、外国人労働者のキャリアアップを支援します。

【4】認識と意識の変革

①社会意識の啓発

日本社会全体で外国人労働者とその家族に対する認識を改め、多文化共生の重要性を見つめ、支援する文化を育む。

②企業の意識改革

企業が外国人労働者の家族帯同を支援することの重要性を認識し、そのための共生社内文化への取り組み姿勢を積極的に経営方針に取り入れる。

　これらの解決策を実施するには、まず、政府、自治体、企業、地域社会が協力し、各ステークホルダーが連携を深めることが重要です。

　また、具体的な改革を進めていく中で、外国人労働者やその家族の声を直接聞き、誰にとっても基礎的な政策を立てる必要があります。

　現在は、特定技能制度について、多様なステークホルダーへのヒアリングの状況が出入国在留管理庁により行われていて、それらの内容が公開されています。

　私は、家族帯同についてのヒアリングが重点的に進められることを、期待しています。

　政府、自治体、民間企業、NPOなど、多様なステークホルダーが連携し、長期的な視点で、政策を推進していくことが求められます。

　また、政策策定と実行のプロセスにおいては、実際に、日本で生活・就労する外国人の声、そして、受入れ企業の声を、積極的に反映させることで、より実情に即した効果的な政策と運用を実現を目指すことが出来ると思います。

　これらの取り組みを通じて、日本が外国人にとって働きやすく、暮らしやすい国になることを心から願っています。

　ご一緒に、日本のより良い未来を作っていきましょう。

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