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トライフルという支援機関で、障がいのある方の生活や就労の支援を行っています。日々の出来…

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トライフルという支援機関で、障がいのある方の生活や就労の支援を行っています。日々の出来事や想いを徒然なるままに書いています。気持ちを楽にして読んでいただけると嬉しいです。

記事一覧

当事者も支援者も悩みは尽きない。。。

 トライフルは障がいのある成人の方の生活や就労を支援している。支援者としての未熟さはあるものの、熱量だけは高く持つ支援者でありたい、そんなことを考えさせられたエ…

junichiosawa
9日前
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労働からの排除、包摂へ

 常識を疑う。常識にとらわれない。そういう視点で障がい者福祉や障がいのある方を取り巻く環境について、考察をしてみたいというのが、今回の試みである。  例えば、税…

junichiosawa
2週間前
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想いだけでは乗り越えられないこともある

 トライフルは、生活や就労を支援する機関である。重度の知的障がいがあって行動問題のある方への対応から、知的な遅れはない発達障がいの方まで、その対応は多岐にわたる…

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2週間前
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「僕は コーヒーが 飲みたい」

 トライフルは、ASDの方の就労や生活を支援している。今日は彼らとの関わりの中でいくつか、印象に残るエピソードを紹介していきたい。 ①いつもついてない電気がついて…

junichiosawa
3週間前
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やれることが多いほど幸せ

 就労支援やグループホームでの支援を行う中で共通して感じることは、「やれることが多いほど幸せ」ということだ。これは一見当たり前のようだけれど、これを実践していく…

junichiosawa
1か月前
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腹を割り、同じ釜の飯を食い、寝食を共にして、朝から晩まで一緒に働く仲間。

 従来「福祉」というのは「弱者に対して措置するもの」という認識が強い概念であったが、近年はそうではなく、「福祉ニーズのある人」が、「必要に応じて選択して契約に基…

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1か月前
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障がいを理由に、幸せが制限されることのない場所

 2024年5月7日、神奈川県鎌倉市大船の一角で、障がい者グループホームをオープンした。その名も「L-BASE(エルベース)」。Living(住まい)のBASE(基地)という意味を込めてつ…

junichiosawa
1か月前
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当事者も支援者も悩みは尽きない。。。

当事者も支援者も悩みは尽きない。。。

 トライフルは障がいのある成人の方の生活や就労を支援している。支援者としての未熟さはあるものの、熱量だけは高く持つ支援者でありたい、そんなことを考えさせられたエピソードについて書いてみたい。

 トライフルで支援をしていると、いろんな相談が舞い込んでくる。

 (例)
 ・経済的な理由で通院ができず、早く仕事に就きたくても身動きが取れない。
 ・離職後の退職金がもらえるのか、失業保険の適応がされる

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労働からの排除、包摂へ

労働からの排除、包摂へ

 常識を疑う。常識にとらわれない。そういう視点で障がい者福祉や障がいのある方を取り巻く環境について、考察をしてみたいというのが、今回の試みである。

 例えば、税金を使った公的福祉サービスの利用者である障がいのある方が、「高級車に乗りたい」と言っていたとしたら、どんな感情になるだろうか。「いいじゃん」というポジティブな感情を持つ方、「税金を使って贅沢するな」というネガティブな感情を持つ方と、さまざ

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想いだけでは乗り越えられないこともある

想いだけでは乗り越えられないこともある

 トライフルは、生活や就労を支援する機関である。重度の知的障がいがあって行動問題のある方への対応から、知的な遅れはない発達障がいの方まで、その対応は多岐にわたる。難しい対応に追われ、正直なところ毎日苦しいことも多い。しかし、それと同じくらいおもしろいから不思議だ。なぜか、難しいケースであればあるほど「燃え」てしまうのが私の性分だ。

 それが「優れた支援者」というマウントを取りたいという意識ではな

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「僕は コーヒーが 飲みたい」

「僕は コーヒーが 飲みたい」

 トライフルは、ASDの方の就労や生活を支援している。今日は彼らとの関わりの中でいくつか、印象に残るエピソードを紹介していきたい。

①いつもついてない電気がついていて、気持ちが悪い

  Aさんは知的障がいのあるASDの男性だ。ある日、入浴時に何かを私に訴えてきた。よく見ると「風呂だき」というボタンを指差している。最初私も「お風呂入ったね、どうぞ」など、応えたりしていた。しかし、何か腑に落ちない

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やれることが多いほど幸せ

やれることが多いほど幸せ

 就労支援やグループホームでの支援を行う中で共通して感じることは、「やれることが多いほど幸せ」ということだ。これは一見当たり前のようだけれど、これを実践していくことは、意外と難しい。

 日々、知的障がいのあるASDの成人の方を支援している中で難しいなと思うのは「やることが見つけられないこと」である。「何をやったらいいかわからない」という状況は、本人にとっても、支援者にとってもつらい。

 これは

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腹を割り、同じ釜の飯を食い、寝食を共にして、朝から晩まで一緒に働く仲間。

腹を割り、同じ釜の飯を食い、寝食を共にして、朝から晩まで一緒に働く仲間。

 従来「福祉」というのは「弱者に対して措置するもの」という認識が強い概念であったが、近年はそうではなく、「福祉ニーズのある人」が、「必要に応じて選択して契約に基づき獲得するもの」という概念に変化してきている。いわゆる「措置制度」から「支援費制度」への移行が進んできている。

 そういう意味で、「共同生活援助」という言葉は、なかなかいい言葉だなぁと感じている。なぜかというと、共同生活という言葉の中に

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障がいを理由に、幸せが制限されることのない場所

障がいを理由に、幸せが制限されることのない場所

 2024年5月7日、神奈川県鎌倉市大船の一角で、障がい者グループホームをオープンした。その名も「L-BASE(エルベース)」。Living(住まい)のBASE(基地)という意味を込めてつけた名前だ。「共同生活援助」という福祉制度を活用した事業で、いわゆる「援助付きの住まい」という位置付けで、「障がいのある方の地域での自立生活を支援する場」である。

 障がいのあるお子さんを持つ保護者の方の多くが

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