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やれることが多いほど幸せ

 就労支援やグループホームでの支援を行う中で共通して感じることは、「やれることが多いほど幸せ」ということだ。これは一見当たり前のようだけれど、これを実践していくことは、意外と難しい。

 日々、知的障がいのあるASDの成人の方を支援している中で難しいなと思うのは「やることが見つけられないこと」である。「何をやったらいいかわからない」という状況は、本人にとっても、支援者にとってもつらい。

 これは①モチベーションが低いこと、②スキルのバリエーションが少ないこと、どちらも要因と考えられるが、これらのつまずきがあると、年齢が高くなればなるほど、新しいことを学んでいくことの難易度もどんどん高くなる。例えば、学校や就労移行支援事業所で行っていないことは職場で行うことは難しく、家庭で行っていないことはグループホームで行うことは難しい。(できない、ということではなく、あくまでも難しくなる、という意味である) 

 大切なことは①自分で動き出せること。②終わりまでやりきれること。③なんらかの手がかりを活用できること、の3点である。当然高い精度であることが望ましいが、精度の程度や差はあれ、自分の頭で考え、自分で動ける人は、労働市場や福祉の現場において、存在価値を示せる可能性が高くなる。

 学校卒業後にビジネスマナーや職業技能を学ぶことはできるが、上記3点を学び直しを行うことは、時間的にも、機能的にも、実際かなり難しい。逆にいうと、基礎を学齢期に身につけておかないと、卒後の飛躍もかなり難しいということだ。上記3点について、徹底的にトレーニングすることが、キャリア教育のポイントだと私は考えている。「学齢期に」、ということも同様のポイントである。

 「学習を支える学び(J☆sKeps)」という概念で表現している考え方に似ており、トライフルでも、学齢期の学生を対象にした、新しいキャリア教育プログラムを現在企画している。

 

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