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【連載】「いるものの呼吸」#4 視線人(しせんびと)の語彙集

【連載】「いるものの呼吸」#4 視線人(しせんびと)の語彙集

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 言葉とわたしは一生別れることができない。言葉一切を捨てても、その片鱗は脳味噌の内側にへばりついて取れないだろう。常に言葉がある。わたしはこれからも映画を作ることをやっていきたいなあと思っている。風景で思考しても耳からちょっと出たフィルムを引っ張り出してそのまんま映画館で上映することはできない。風景を人と人が共有できる「言葉」にする。そうした時に、言葉は輪郭を持って来るけど、形や色や手触

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終わっている自分の経歴を、たった1日で「最高の経歴」にロンダリングした話

終わっている自分の経歴を、たった1日で「最高の経歴」にロンダリングした話

こんにちは。天竜川ナコンと申します。

突然ですが私は、他人の経歴を羨ましく思うことが多いです。

※他人の経歴のイメージ※

著名な経営者やアーティスト、作家など…。脚光を浴びる人間の経歴は、読んでいるだけでワクワクします。

なのでふと、私も自分の経歴を、ありのまま書き起こしてみたのです。すると…?



あまりに雑魚(ざつぎょ)すぎる。

書きながら、暗い気持ちになってしまいました。残念な

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自分軸で生きるということ

最初に一言。
(ヘルタースケルターの冒頭シーンみたいになってしまいましたね。)

あなたの人生はあなただけのものであり、誰かによって歪曲されるものではない。よく考えてみれば当たり前のことなのだけれど、あなたが弱っている時に教祖的存在になってくれた人物の言う言葉に飼い慣らされてしまうこともあるだろう。実際に私はそれを経験したことがあり、随分精神をすり減らした。「これは私の人生でありあなたの人生ではな

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仲良くしてください。人間であるうちに……

仲良くしてください。人間であるうちに……

 もし、僕の相互フォローだったり昔からの友達がこれを読んでくれているなら、どんどん気軽に話しかけて欲しい。「話しかけて欲しい」なんて傲慢な言い方ですね。「仲良くしてください。よろしくお願いします」が正しい。
 僕は数年後に人間でなくなる。確信がある。良い意味でも悪い意味でも、現在のどうにか人の形を保っている人格とはまるっきり変わるでしょう。それだけ大きなモノを世に出す。あらゆるトラブルや苦難が待っ

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鼻の手術直前と必然

鼻の手術直前と必然

 明日、ついに鼻の手術をします。運が良ければ嗅覚が手に入る。とはいえ、生命力によってまた塞がる可能性も高い。先生の認識では「一応やってみよう」である。僕も納得している。

 便宜上は『先天性後鼻孔閉鎖症』と名前がつきました。要するに「生まれつき鼻の奥が塞がっていて鼻呼吸ができない、それに伴い嗅覚がない」。漢字で示されるとわかりやすいものの、激レアな病気のため前例もほぼなく、成功する可能性の方が薄い

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一昨年の夏の終わり。近所のジョナサンで熱海と接続した夜(ゆっきゅん)

一昨年の夏の終わり。近所のジョナサンで熱海と接続した夜(ゆっきゅん)

エッセイアンソロジー「Night Piece〜忘れられない一夜〜」
「忘れられない一夜」のエピソードを、毎回異なる芸能人がオムニバス形式でお届けするエッセイ連載。

ゆっきゅん
1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。サントラ系アヴァンポップユニット「電影と少年CQ」のメンバー。映画やJ-POP歌姫にまつわる執筆、演技、トークなど活動の幅を広げている。2021年5月より

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道で人を助ける方法

道で人を助ける方法

目の前で大きな音がして人が前のめりに倒れた。地面に四つ這いになって倒れたままなかなか立てないでいるのは小柄な70代くらいの女性だった。周りを歩いていた何人かは振り返って何が起こったか確認しようとし、私を含めた何人かは駆け寄る。40代くらいの背の高い男性が後ろから助けおこす。私も仕事(病院勤務)から帰る途中で、そこは車やバイクも通る信号がない裏路地の道ばただった。倒れた女性は助けおこされているがすぐ

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凡人が、天才に勝つ方法。

凡人が、天才に勝つ方法。

はじめまして、どうも、つんく♂です。

作詞・作曲を中心に音楽やエンタメ全般のプロデューサーをやっています。モーニング娘。のプロデュースから始めて、アイドルやアーティストなど、たくさんの作品を生み出してきました。

『リズム天国』などのゲームや、アニメにも関わっています。今は、「つんく♂エンタメ♪サロン」のメンバーで、「中2」をテーマにした映画制作を始めたばかりです。

声の病気をしたので今は歌え

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麻雀レアチーズ

もうしばらく前だが、5月下旬に麻雀の話で国が盛り上がっていた時に関係のないことを思い出していた。前の前の前のバイト先の同僚の彼氏が雀荘の店長だったなーということ。僕はバイト中の私語が大好きであった。

その同僚が仕事でクタクタになった日だったか、なんか悲しいことがあった日に、たまたま彼氏がセブンイレブンのレアチーズケーキを買ってきてくれたらしい。レアチーズは好きではないけど、買ってきてくれた優しさ

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私が神なら満員電車は作らない…

何度も申し上げているように、私は去年まで部屋がずっと散らかっていた。物を捨てることも下手だった。散らかりに山タイプと海タイプがあるとすればそこは荒れ果てた海。我々が引き起こした海面上昇を、我々の手で止めることは出来なかった。洗濯機の中のような部屋…といえばイメージがつくでしょうか?想像がつかなかった人は、その幸せを噛み締めてください。

さすがに服を仕分けするゾイと思ったときに採用したのは「じゃあ

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山藤さんの忘れられない飛騨牛

ここに出てくる山藤さんが、別の、私との忘れられない夜についてエッセイを書いて私に送ってきたので読んでください。自分いい奴すぎて恥ずかしい。

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熱海旅行をしそびれて近所のジョナサンで食事をして散歩した夜のことを、ゆっきゅんさんがエッセイにしてくれた。「忘れられない一夜」がテーマのエッセイアンソロジーに寄せたものだった。たしかにあの夜のことは忘れられない。もしわたし

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