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ルソーライフ
2022年3月20日 18:49
これまで、本編を14回、号外を2回と、計16回もの間にわたって『社会契約論』を読んできました。いよいよ今回が最終回です。さっそく内容を読みましょう。本題に入る前に この「市民宗教について」と題された章は、事実上、『社会契約論』の最終章といって良い位置づけになっています。厳密に言えば、「結論」と題された章がこの次に続きますから、最終章ではないのですが、そうした形式的な意味ではなく、この章の内容
2022年3月18日 22:28
さて、今回からは第四篇。『社会契約論』もいよいよラストスパートです。さっそく読んでいきましょう。一般意志は破壊できない ここで言われる意志、それは「一般意志」です。この点はもう大丈夫でしょう。ここまでルソーを読んできた人なら、わかるはずです。 一般意志だけが支配する国家。そこでは、国家のあらゆる原動力は活気に満ちて単純で、国家の格率は明快であり、光り輝いています。そこに利害の対立や矛盾は
2022年2月23日 10:08
以前書いた記事の中で、とあるコメントをいただきました。そのコメントは、「ルソーにおいて「執行権」という概念はあるのか?」という内容。 こうして私の書いた記事にコメントを頂けるだなんて・・・と嬉しく思っています。と同時に、いただいたコメントが上記のような「質問」でしたので、今回はその質問に対して、私の知りうる限りでお答えする、という回にしたいと思います。 いつも記事を読んでくださっている方々
2022年2月22日 22:11
好評の企画、第九弾。今回からは第三篇を読んでいきます。ルソーは、こんな風に第三篇をはじめます。読者へ 現代の社会は、「分かりやすい」ことが「良い」とされる時代です。もちろん、そのような時代だからこそ、このnoteのような「分かりやすい」解説記事の存在意義があります。本屋さんを見ても、『○○時間で分かる!』とか『初心者のための○○講座』とか『○○必勝法!』とか、『○○週間でできる』とか、そんな
2022年2月1日 07:51
今回からは第二篇です。さっそくどんどん読んでいきます。 今回は、民主主義の提唱者ルソーの思想の核心に迫る、まさに「神回」です(自分で言うんかい)。第一篇のおさらい まず、第一篇で語られた「社会契約」について、いま一度確認しておきましょう。主権は「譲渡できない」 さて、これまでの議論から導き出されることを、ルソーは次のように語ります。国家はそもそも、公共の福祉を目指して設立されたも
2022年1月25日 17:27
大好評(?)の読解企画。『社会契約論』の第三弾です。 今日はとても重要な箇所で、実は、以前別の記事で該当箇所を紹介したことがあります。良かったらそちらの記事もご覧ください。これまでのおさらい 統治の正当性の解明を目指した『社会契約論』は、本論に入る前に、第二章で「父権」を、第三章で「最強者の権利」を、第四章で「奴隷権」を、それぞれ批判したのでした。社会契約とは何か 上の「これまでのお