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週刊嶋根

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明日死ぬかもしれないから。明日も生きていくから。

明日死ぬかもしれないから。明日も生きていくから。

中学生のときはCDを買いすぎたし高校生のときは小説を買いすぎた。ここ1年半くらいは可愛いもの集めに躍起になりすぎてお金を使い果たした。可愛いシール、可愛いおもちゃ、可愛い服、とにかく可愛いものをたくさん。可愛いものを持っててもいいんだ、と気付いた途端に、水を得た魚のように動き出した。可愛いものを手にする権利を得たあたしは止まらない。

「可愛いものや珍しいものをたくさん持っていること」がステータス

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2024年8月は如何に

2024.8.9

昨日南海トラフ地震臨時情報が出るまで、あたしは黙々と手紙を書いていた。夜中から白紙の紙を何枚も並べてこねくりまわしていると朝になった。原稿ができない作家の机はこんな感じかなと思った。清書を2枚破り、まだ途中である上に、ずっと座っていたから急に腰痛がきて、寝て起きても治らなくなった。

寝て起きてテレビをつけるとなにやら騒然としていた。あたしはいつも水の音や換気扇の音の中にサイレ

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茶色いクチナシ、ミルクの匂い

6月、クチナシは咲いたそばから茶色く濁っている。ミルクのような甘い匂いがする。街中で、ちいさい子供がいる家の窓から漂う匂いと似ている。ちいさい子供はなぜ一様に甘い匂いがするのだろう……。

7月、仕事を全て断り、引きこもる。お金が無いけど新しい服や化粧品が欲しいとき、「明日死ぬかもしれないんだから」と言って買う。部屋の棚にストックしているシャンプーやクレンジングオイルやコンタクト洗浄液を見て、「ま

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熱湯をあるく

あたしは熱湯のなかを歩いているのかな、という気がしてくる。指の隙間を抜ける空気がもはや水のようである、たぷたぷとしている。湿気の重みは束になって足元を渦巻いている。

ここまでくると、いっそ不快感を抜けておもしろくなってくる。紫外線さえなければ日傘を捨てて走り出したいと思う。横切る自動車が(暑すぎるあまり)いきなり爆発するんじゃないかと不安に思う。毎日外がお風呂みたいで、あたしはずっとここで寝そべ

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この体は蒸し鶏、くたくたのネギ、常温ミルク

6月の花といえば紫陽花だったのがここのところクチナシになってきた。ミルクのような強い香りがして記憶が塗り替えられる。梅雨の空気もあって、人肌ほどの温さを感じる。去年も今年も紫陽花をほとんど見ていないので、枯れて茶色くなった紫陽花などが目に入ると無性に切なくて苦しかった。今年も、紫陽花のある道には何も用がない。生活が変わってゆく。

ところでもう7月になっている。6月はnoteを更新したかすら覚えて

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ニコニコ動画(Re:仮)の外に出たくない!

ニコニコ動画がサイバー攻撃でダウンして3日後、昔の人気動画だけが視聴できる縮小営業版ニコニコ動画(Re:仮)が作られた。今は2007年の人気動画がランダムで10選表示される仕組みになってる。明日の昼からは2008年になるらしい。あなたは見ましたか?ニコニコ動画(Re:仮)を。

これがかなり面白くて、今日は3時間ニコニコ動画を見てた。クーラーの効いた自室の床にローテーブル置いて、座布団敷いて、パソ

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自己開示ヤクザ

むかし自己開示ヤクザだった。
初対面の人と話すときに自虐ネタをズカズカぶち込み、触りにくい突っ込んだ過去を自らさらけ出して、「自分にはこういう特性とこういう過去とこういう性質があるからお前はそれを十分理解した上で配慮しろ」という雰囲気を出すやつ。わたし言ったよな?言ったから分かるよな?というやつ。

最近はやめれている。
やめれているというか口を開くのが面倒くさくなっている。とにかく誰とも話したく

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意識の彫刻

もっと冷たい文章を書きたいと常々思う。句読点をすくなく、川の流れのようにだらだらと書きたい。硬い、彫刻のようなひとになりたい。

何年経っても自分の文章から温度が無くならないことに嫌気がさしている。noteを見てもはてなブログを見ても似通った温度感の日記がごろごろ並んでいて、打ち込みの文章って所詮こんな量産型だよなと思う。それでもまれに彫刻みたいな文章を書く人に出会う。はやく石のようなひとになりた

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10年前の1年は今日の1週間

帰り道に痩せたスズメを見つけたので、ふと、スズメって何食べるんだろうって思った。さっぱり分からない。小さい生き物であればあるほど何を食べているのか想像がつかない……調べてみたところ、スズメの好物は草の種や虫らしい。草の種!?そっかー。

🌷

Vlogのサムネイルを作っていたら1時間半経った。とにかく時間の流れが速すぎる。そして時代の流れも速すぎる。

ネットミームの流行り廃りも、10年前と比べ

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黄昏生活

VlogてきなものをYouTubeに載せてみようかと思って編集している、していたら、時間が水のようにバシャバシャ過ぎていく。何気ないスクロール、何気ないクリック、検索、リピート再生などが積もり積もってこれだけの時間になるのか……と実感して恐ろしくなる。途方に暮れる。一日一回何かで途方に暮れるのが最近のルーティンである。

今日本当にそれだけ。作りたいものがたくさんある。誰も見ていないのに……と思う

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わたしとキスして

わたしとキスして

孤独と対峙するとき、いつも首筋に指の感触を感じてた。指は首から肩をなぞって、かんたんな力でわたしの体を地面に留めた。指は冷たくて迷いがなかった。迷わずにわたしを押さえつけた。

歳を重ねるにつれて、あの指がだれのものだったのか次第に理解できるようになった。

未来のわたしはわたしの姉で、過去のわたしはわたしの妹だ。

19歳、乗り越えられないと思ったとき、未来のじぶんに向けた交換日記を開く。そして

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初夏を使い切らないで

初夏を使い切らないで

初夏のことを書かなければ、書かなければ。そう思ううち、もう初夏は終わった。気付くと梅雨に入っていた。この時期は髪の毛の表面がぱやぱやと粟立つのですぐにわかる。逃したなあ、もっと新緑の写真を撮っておくんだった。

季節が一つ巡るたびに、「わたしの人生に、残りの初夏は最大であと60回くらいしかやってこない」と数える。むちゃくちゃ運がよくても70回くらいだろう。もっと早く使い切る可能性のほうが高い。つか

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令和に寝取られた

じぶんが生まれた前後に流行っていた歌がいちばん心惹かれるね、これはなぜなんだろうなあ、とよく考える。音楽に限らず、ひとは永遠にじぶんの幼少期を生き続けているね。(わたしは2000年代のボカロ、エロゲソング、アニソン、アイドルなどが好きだ。最近は専らave;newを聴く。)

メズマライザーを知っているか?わたしはほんの少し前まで聞いていなかった。一度ニコ動でメシマズライザーって検索したけど何も出て

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楽しみな予定が破壊されるとゆう予定だけを抱えて明日へ行く

大雨警報でた。憂鬱で胸をごそごそさせながら歩く。楽しみな予定は大雨で流れた。
昨日のよる、へんな気分だった。2ヶ月前から心待ちにしてた予定が目の前でぶっ壊されるのに、それでも明日に行かなくてはならないんだった。

流れる、ていう言葉からいつも思い出すのは、コップいっぱいに注いだ水を地面に流して捨てようとするあなたの手首の傾き……とか それは目に見える水ではないのだが。水はわたしの言葉であった。思想

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