嶋根

嶋根いすず / shimane_isuzu

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嶋根いすず / shimane_isuzu

最近の記事

春は作りもの

進学して、××生になったというよりも、◆◆生じゃなくなったと言うほうがしっくりくる。時間の濃度がちがいすぎるあまり、この人生が◆◆生活の地続きにあるとは思い難い。違う時空に来たのではないかと思う。◆◆生のわたしは、今もまだ別の世界で健在だ。そんなわたしと一緒にいてくれたあなたも、あの頃のまま、生きているはずだ。 桜の満開がいつなのかわからない。これが咲きはじめなのか、散り際なのかか、いつも惑わされているうちに季節が終わる。毎年、会う人会う人に「桜が嫌い、桜が嫌い」と言い続け

    • 幻覚セレナーデを

      21世紀に生まれたからにはいろんな創作活動がやりたくて、ちまちまと絵を描いたり小説を書いたり映像を作ったりして生きてきた。しかし唯一形にできなかったのが音楽である。音楽だけには、どうしても指が馴染んでくれない、未だに。 無謀にも、電子ピアノを買って練習しようとしたこと、ボカロPに憧れてDTMソフトをインストールしたこと、UTAUカバーを作ろうとしたこと、歌詞を書こうとしたこと等、音楽に触ろうと足掻いてきて、その痕跡はわたしの部屋やパソコンのあちこちに残って、化石のように眠っ

      • 全ての音楽はわたしの二次創作(みたいに思えるのが、嫌なのだ)

        全ての音楽の中に、作曲者の意図しない「わたし」が存在することの気持ち悪さについて話す。 いつも、好きな音楽に自分の人生を重ねる行いが、邪道な気がしてならない。音楽の世界に自分の人生が介入していく。他人の作品だった一つの曲にわたしの人生が重なって、作品が「わたし」で汚されていく。それを止めることができずにじっと見ている。 この歌詞はまるで自分のことを歌っているみたいだから。この音があの頃のことを彷彿とさせるから。この曲からは「わたし」の姿が見えるから。だから、好きだ。 空想

      春は作りもの