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オンライン収集癖やめたい

オンライン収集癖やめたい

現実世界では閑散とした部屋に暮らすわたしだが、一度コンピューターの中に入ると、とんでもない収集癖を見せる。

インターネットにあるものはいつ何時に作者が自分の投稿を削除してしまうか分からないので、好きなものはとにかくダウンロードしておこう!という思考に陥る癖がある。昔、投稿者が急に失踪したり、好きだったイラストが消えたりして、トラウマになっているのだろう。オタクが一度は経験する、pixivの灰色の

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幻覚セレナーデを

幻覚セレナーデを

21世紀に生まれたからにはいろんな創作活動がやりたくて、ちまちまと絵を描いたり小説を書いたり映像を作ったりして生きてきた。しかし唯一形にできなかったのが音楽である。音楽だけには、どうしても指が馴染んでくれない、未だに。

無謀にも、電子ピアノを買って練習しようとしたこと、ボカロPに憧れてDTMソフトをインストールしたこと、UTAUカバーを作ろうとしたこと、歌詞を書こうとしたこと等、音楽に触ろうと足

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おばけになる夜

おばけになる夜

わたしあの国道に飛びだし 道の真ん中をあるきたい。でもね轢かれてしぬから、建物と建物に挟まれてちぢんだ空をみるためこの歩道ぎりぎりのふちを綱渡りのように歩いてく。おおきな横断歩道あるいは歩道橋にのぼれば束の間わたしの視界に空の中心がひらけてうつる。ワンフレームにテールランプや信号機や街灯の艶やかな光彩あふれる。夏の昼ならばいくつも並んだ車の屋根に反射する太陽光がちらちらと水面のようにひかって、小さ

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美少女の素体

美少女の素体

 バーチャルな美少女の「体」が好きだった。VTuberのモデルやアニメキャラやVOCALOIDや、みんなが好きに群がれるバーチャルな美少女の存在自体に惚れていた。

 仮想空間で生まれた美少女の体は、時代の壁も性別の壁も飛び越えていける。誰にどんな目を向けられてもその体は傷つかない。心も傷つかない。傷つくのは人間だけ。損害を受けるのも人間だけ。無機質の彼女たちには響かない。その無敵感がたまらなく好

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全ての音楽はわたしの二次創作(みたいに思えるのが、嫌なのだ)

全ての音楽はわたしの二次創作(みたいに思えるのが、嫌なのだ)

全ての音楽の中に、作曲者の意図しない「わたし」が存在することの気持ち悪さについて話す。

いつも、好きな音楽に自分の人生を重ねる行いが、邪道な気がしてならない。音楽の世界に自分の人生が介入していく。他人の作品だった一つの曲にわたしの人生が重なって、作品が「わたし」で汚されていく。それを止めることができずにじっと見ている。

この歌詞はまるで自分のことを歌っているみたいだから。この音があの頃のことを

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