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オンライン収集癖やめたい

現実世界では閑散とした部屋に暮らすわたしだが、一度コンピューターの中に入ると、とんでもない収集癖を見せる。

インターネットにあるものはいつ何時に作者が自分の投稿を削除してしまうか分からないので、好きなものはとにかくダウンロードしておこう!という思考に陥る癖がある。昔、投稿者が急に失踪したり、好きだったイラストが消えたりして、トラウマになっているのだろう。オタクが一度は経験する、pixivの灰色の非公開画面とか。

だから好きな絵師のメディア欄を全部保存するし、二次創作の小説も自分のパソコンにコピーするし、マイナーボカロは消える前にMP3にすることがあるし、面白いツイートはスクショしてバックアップを取ってしまう。

毎日そんなふうにインターネットを使っているので、スマホもパソコンもドライブも容量がすぐパンパンになる。定期的に整理はするし、問題なく運用できているが、どう考えても手間だし時間の無駄だと思う。すぐ飽きて片っ端から削除したファイルも大量にあるんだし。どうしてこんなことをするんだろう。どうしてそんなに失くすのが嫌なんだろう。

昔は、「まだ見ぬコンテンツすら失くしたくない・見逃したくない」という願望もあった。チャンネル登録しているYouTuberの動画を全部見てしまったり、ニコニコ動画で「VOCALOID新曲リンク」のタグを端から端まで漁ったりしていた。

「きっと好きになれるであろうコンテンツを、見ないままにしておくのが勿体なくて耐えられないから全部見る」という狂った思想を持っていた。限られた数人程度の投稿者を追いかけるならまだしも、「インターネットのすべて」を本気で追いかけようとしていた時期が、わたしにはあったのだ。インターネットに向いてなさすぎる。

(インターネットのすべて……とか言うわりには、わたしはインターネットのことを何も知らない。昔から鍵垢に引きこもっていて、外にどんな界隈が存在しているのか全く理解していないし、ニコニコ重要文化財も10ぶんの1くらいしか知らないし、掲示板に触れたこともない。ゲームも漫画も詳しくない。たいそう狭いインターネットを生きている。)

ツイッターのブックマークがとんでもない数なのと、ポットキャスト・ニコニコ動画・YouTubeの「あとで見る」等が常に200件を超えているのは、その名残りかなと思う。つまるところ、ぜんぜん治ってない。

話を戻すが、「インターネット上にある好きなコンテンツを根こそぎ全て自分の手元に置きたい」という厄介な癖は未だに矯正することができず、わたしはいつもインターネットの人たちを信用していないので、失いたくないものは即座に自分の手の中へと囲い込む。それを第三者に公開したり、自分で加工するなんてことは絶対にしないけど、いつまでも静かに手元で飼い殺している。インターネット上にオリジナルが生きているうちは勿論オリジナルを見るし、再生数や評価に貢献できるほうが嬉しいので、わたしのコピーはほとんど役に立たない。そりゃあ、役に立たないほうが嬉しいに決まってる……。

ただ、世の中にVTuberが出てきてから、1時間や2時間の配信を全て保存するわけにもいかないし、毎日大量の切り抜きがインターネットの右から左へ流れて(文字通り、削除という意味で)消えていくので、それを見ているうちに自分の収集癖もたいぶ和らいできた感じはある。あと、大学生になってノートパソコンを使う時間の方が増えたので、最近は単純に容量不足が痛い。容量数テラバイトのゲーミングPCを抱えてぬくぬくと生活していた頃に比べれば、だいぶコンテンツへの執着も薄れてきた。

そうはいっても未だに、消えた動画のURLと自分のパソコンに保管されているコピーを見比べて、にやにやしながらご飯を食べる日もある。もうその作品を見られない人の悲痛な叫びを聞いていると、優越感に浸ることが出来てたいへん美味い。わたしはいつからこんな気色悪いオタクになったんだろう。お前らがすぐ消すから悪いんだ。オンライン収集癖、やめたいな。

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