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こういう「キャリア自律」もあるのだろうか
「キャリア自律」とは、「キャリア・オーナーシップ」とも言われる。キャリア形成は会社任せにせず、自分自身で主体的にやっていくという意味だ。ということは自分でコントロールできるものがあるなら、それが一番良いようにも思う。
上で、「会社任せにせず」と言った、その「会社」という枠組みがキーとなる。枠があり、その中で優劣を競い、ランクアップができるものなら、そこでは「ゲーム」が成立する。キャリアが「昇進
「関係性重視」の傾向は良いのだけれども
ジェイン・ジェイコブズ(Jane Jacobs)は、著書『市場の倫理 統治の倫理』の中で、社会の中で相互に作用する二つの異なる倫理体系を提唱しています。この二つの倫理は、「商業の倫理」と「統治の倫理」と呼ばれ、基本的に混ざり合うことはないとされています。以下に、それぞれの倫理体系の概要を説明します。
平たくいうと、【商業の倫理】とは「お金」が媒介となる原理です。対立が解消されない場合はお金で解決
失敗に不寛容な組織のリーダーは、リーダーに必要な経験を積めていないのではないか
いま組織開発の友人たちと、『失敗の本質』の読書会をやっています。ちょうどいまは、ミッドウェーの海戦を何回かに分けて読んでいるところです。組織開発らしく、前回は、米軍の「成功の本質」は計画性偶発論で説明できるのではないかという話題で盛り上がりました。
それと、「ミッドウェーの戦い」について感じるのは、それはドキュメンタリー以外にも小説や映画にもなっていて、必ず、『忠臣蔵』や『水戸黄門』のようなお
トランプ前大統領襲撃は自作自演を想像してしまった
私は、あの完璧な、星条旗をバックに右手でガッツポーズを作り、健在をアピールした「奇跡の一枚」を見た瞬間、直感的に自作自演を疑いました。
ジャーナリズムの中には、自作自演だと聞くと、人が亡くなっているのですよ!そんな不謹慎なことを!などという人がいるようですが、個人のナイーブな常識がそのまま言論になってしまう、その現象に私は強く違和感を覚えました。昔、旧日本軍は「共同謀議」をよく行いました。敵か
エンプロイアビリティとキャリア・サバイバル
先日、『エイジングと公共性』という本を読んでいたら気になるレポートに出くわしました。1999年に日経連が出した『エンプロイアビリティの確立をめざして : 「従業員自律・企業支援型」の人材育成を』というレポートがそれです。現在の労働市場や企業の人材戦略の現場では、「リスキリング」、「キャリア自律」、「(個人の)市場価値」という言葉は一般名詞化し、そして、企業はそれらの実現を目指して、様々な施策を打
「縄文時代は争いがなかった」といわれるのは食糧事情が原因か!?~ヒトの本能と外部環境と~
1.縄文時代の人口は8万人!?
縄文時代は、1万4000年くらい前から、約1万年続いた時代とされます。その次に長い弥生時代が、600年から1000年と言われますから、その圧倒的な長さに驚きます。意外と知られていないのがその間の人口推移です。考古学者の鬼頭宏氏は、最大時でも人口は26万人程度で、寒冷化が進んだ時期は、8万人にまで減ったという説を唱えています。鬼頭説は数ある学説の中でも最も人口を低
「労働時間の再分配」について、引用文献をChatGPTに聞いてみた
ルトガー・ブレグマンの『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』という本を読んでいるときに、「20世紀には富の再分配が進んだ。今世紀は、労働時間の再分配が行われるだろう」という一文が目に止まりました。索引を見ると、ジェームズ・W・ヴァウペルという人口統計学者の言葉の引用ということが分かります。同氏は、「近い将来、人々は、自身の収入のために、また、自身の健康のために、80歳
もっとみるティール組織は、必ずしも自律分散というわけではない
何気なく、「ティール組織」は、自律的な働き方をする個人で構成され、自律分散した組織を指すと思われがちですが、実際には、そうした形態は非常にまれです。
「ティール組織」の著者であるフレデリック・ラルーも、個人について「自律分散した働き方」という表現を使ったことはないと思います。むしろ、彼が述べるのは、個人ではなくチーム全体が「自律分散チーム」として機能することです。ビュートゾルフ、京セラ、ハイア
組織進化とキャリア自律について~ティール組織とプロティアン・キャリアとの出会い~
はじめに
ある出来事がきっかけになって、組織進化のことについて少し書いてみたいと思いました。「ティール組織」は、原始的な組織から先進的な組織へ進化のことを言っていますが、進化する主体が何なのか、うまく説明できた文章に出会うことはほとんどありません。一つは、そこの解像度を上げて書いてみたいと思いました。もう一つはグリーン化する組織に辞める社員といった現象に対して、それをキャリア自律の観点から捉え