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組織進化とキャリア自律について~ティール組織とプロティアン・キャリアとの出会い~
はじめに
ある出来事がきっかけになって、組織進化のことについて少し書いてみたいと思いました。「ティール組織」は、原始的な組織から先進的な組織へ進化のことを言っていますが、進化する主体が何なのか、うまく説明できた文章に出会うことはほとんどありません。一つは、そこの解像度を上げて書いてみたいと思いました。もう一つはグリーン化する組織に辞める社員といった現象に対して、それをキャリア自律の観点から捉え
「労働時間の再分配」についてChatGPTに聞いてみた
ルトガー・ブレグマンの『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』という本を読んでいるときに、「20世紀には富の再分配が進んだ。今世紀は、労働時間の再分配が行われるだろう」という一文が目に止まりました。ジェームズ・W・ヴァウペルという人口統計学者の言葉です。近い将来、人々は、自身の収入のために、また、自身の健康のために、80歳まで働くようになる。そして、若い世代との間で、労
もっとみるティール組織は、必ずしも自律分散組織というわけではない
何気なく、「ティール組織」は、自律的な働き方をする個人で構成され、自律分散した組織を指すと思われがちですが、実際には、そうした形態は非常にまれです。
「ティール組織」の著者であるフレデリック・ラルーも、個人について「自律分散した働き方」という表現を使ったことはないと思います。むしろ、彼が述べるのは、個人ではなくチーム全体が「自律分散チーム」として機能することです。ビュートゾルフ、京セラ、ハイア
意識の誕生と争いのはじまり ~縄文から弥生への意識の変遷~
いま私の周りでは、戦争や格差のない時代であったことを理由に、大勢の人が、縄文時代回帰への関心を高めています。私はそれが単に共同幻想となってしまわないように、知りうる限りの力を使って、多角的に整理したいと思っています。共同幻想の怖いところは、それが特定の人たちの意志によってコントロールできてしまうところにあります。なので、憧れに対するメリット、デメリットを知った上で、自らの判断で共同幻想に参加したい
もっとみる「環境破壊」「格差」「戦争」は弥生時代に始まったというのは本当か?そして、日本人のルーツとは?遺伝子情報から見る「天孫降臨」
最近、「縄文時代への回帰」が一部でブームになっているようです。簡単にいうと、現在の三悪と言われている「環境破壊」「格差」「戦争」、これらはすべて弥生時代に始まったというものです。目の敵にされている、「所有」という概念や、資本主義の原型がそこにあると言われます。私は正直、数千年前のことが分かるものかと高をくくっています。しかし、それならば、やはり調べてみなければなりません。そこで、次のような問いを立
もっとみる実は、私は、コミュニティ・イベントがものすごく苦手であることが分かった件
先日、ある食に関するコミュニティ・イベントに参加してきました。主催者の方のブログを読んで、これは一度いただいてみたいと心底思ったからです。
店に着いて、店自体がイベント用の急づくりでスタッフもみんなボランティアっぽいなと感じ、ただ、それはそういうものかと受け流していました。しかし、奥の大テーブルの片隅を案内されて、しまったというか、店に来たのをものすごく後悔しました。
初対面の人たちがニコニコ
氷川神社、久伊豆神社、香取神社の分布からわかる“国”の成り立ち
私は、関西出身で、もうかれこれ20年近く関東に住んでいます。関西になくて関東にあるものの一つが氷川神社です。私は長い間、氷川神社は、関東一円に、特に河川の流域を中心に分布しているのかと思っていました。昨日、ふと気になって、Google mapで氷川神社の場所を検索して分かったのですが、全く関東全域などではなく、分布の中心は東京と埼玉に偏っていました。それよりも、特に千葉方面にはまったくないことがす
もっとみるトランスパーソナル心理学の25年周期説
現在は、トランスパーソナル心理学や成人発達理論のブームの時期なのだと思います。それらがタイトルについた数多くの本が出版されています。しかし、心理学の分野で新しい発見があったとかではなく、ほとんどが過去の焼き直しのような気がしています。私が学生から社会人の最初の時期を過ごした1990年代の後半から2000年頃にかけても、ニューサイエンスの残り香か、複雑系ブームに乗ってか分かりませんが、東洋的なアプロ
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