小林範之

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小林範之

人材関係の仕事をしています。最近、「サーキュラー・エコノミー」や「リジェネラティヴ」、「ネガティブケイパビリティ」などの言葉が気になっているアラフィフ男性です。たまに哲学とか歴史とか、気になったことを記事にしています。

マガジン

  • 共感コミュニティ通貨eumo

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    共感資本社会を目指すeumoに関する記事を載せています。共同で作成しているマガジンです。

  • 【翻訳メモ】INSIGHTS FOR THE JOURNEY

    • 141本

    ■全体目次 https://note.com/enflow/n/n51b86f9d3e39 ■「ティール組織」の著者であるFrederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEY( https://thejourney.reinventingorganizations.com/ ) の日本語訳を公開しています。 ■支援する方はこちらから 全てギフトエコノミーで成り立っているので、この取り組みに共感される方はぜひ以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。 https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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組織進化とキャリア自律について~ティール組織とプロティアン・キャリアとの出会い~

はじめに ある出来事がきっかけになって、組織進化のことについて少し書いてみたいと思いました。「ティール組織」は、原始的な組織から先進的な組織へ進化のことを言っていますが、進化する主体が何なのか、うまく説明できた文章に出会うことはほとんどありません。一つは、そこの解像度を上げて書いてみたいと思いました。もう一つはグリーン化する組織に辞める社員といった現象に対して、それをキャリア自律の観点から捉えなおすことはできないかと思った次第です。 きっかけとなったのは、先日オブザーブ

    • 奈良と福岡は相似形 ~地形地図から邪馬台国を探す~

      新しい都を作るとき、その都が栄えるように、過去に栄えた都の構造を模して、相似形で作られることが多いようです。江戸が作られた時も京都がモデルとなりました。鬼門方向にある上野山が比叡山に見立てられ、延暦寺に模して寛永寺が立てられました。不忍の池は琵琶湖。真ん中には竹生島を模して弁財天が安置されました。 福岡県の地図を見ていると、その形が、左右反転はしますが、大阪湾と奈良盆地の構造に酷似していることに気付きました。もっとも、筑紫の野に邪馬台国があったとして、大和政権の最初の都と言

      • 浮遊感とメタ認知 ~『盗まれた神話 記・紀の秘密』を読んで~

        例えば宝探しをするとき、私たちはあらかじめ場所を絞り込んで、そこに集中して探索をします。しかし、最初の絞り込みが間違っていたら、永遠に宝にたどり着くことはできません。 会社などでもそうでしょう。事象をカテゴライズして、目星をつけたら誰もそこにしか注力しない。思い込みからよく吟味もせず、最初に宝を捨てているといったことは、頻繁に起こっているのではないでしょうか。 その点、著者の古田武彦の研究方法は際立っています。支点となるような固定的な前提条件に頼ろうとはしません。純粋無垢

        • 意識の誕生と争いのはじまり ~縄文から弥生への意識の変遷~

          いま私の周りでは、戦争や格差のない時代であったことを理由に、大勢の人が、縄文時代回帰への関心を高めています。私はそれが単に共同幻想となってしまわないように、知りうる限りの力を使って、多角的に整理したいと思っています。共同幻想の怖いところは、それが特定の人たちの意志によってコントロールできてしまうところにあります。なので、憧れに対するメリット、デメリットを知った上で、自らの判断で共同幻想に参加したいなら参加するのがいいと思っています。 ということで、『ハーモニー』という小説を

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          たびのくま 他
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          山田裕嗣 / Yuji Yamada 他

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          賃金を上げたら自殺者が増えるんですか? ~「NHKスペシャル 2024私たちの選択 -AI×専門家による“6つの未来”-」を視ての感想~

          ・賃金を上げたら自殺者が増えるんですか? ・テレワークを推奨して、育休取得率も上げて、労働時間が減った先には、「幸福」を手放さないといけないのですか? この番組を見て、率直に感じたのは上の2つのことでした。 AIが指し示す私たちの30年後の未来は大きく6つのシナリオに分類される。そして、何年までにこれを達成していないといけないといった分岐点が複数存在する。皆さんの望む未来はどこにありますか?と番組の内容はざっとこんな感じだったと思います。 6つのシナリオといっても、6つ

          賃金を上げたら自殺者が増えるんですか? ~「NHKスペシャル 2024私たちの選択 -AI×専門家による“6つの未来”-」を視ての感想~

          「環境破壊」「格差」「戦争」は弥生時代に始まったというのは本当か?そして、日本人のルーツとは?遺伝子情報から見る「天孫降臨」

          最近、「縄文時代への回帰」が一部でブームになっているようです。簡単にいうと、現在の三悪と言われている「環境破壊」「格差」「戦争」、これらはすべて弥生時代に始まったというものです。目の敵にされている、「所有」という概念や、資本主義の原型がそこにあると言われます。私は正直、数千年前のことが分かるものかと高をくくっています。しかし、それならば、やはり調べてみなければなりません。そこで、次のような問いを立てました。 <問い①> 縄文時代と弥生時代には富の所有や争いの有無といった観点

          「環境破壊」「格差」「戦争」は弥生時代に始まったというのは本当か?そして、日本人のルーツとは?遺伝子情報から見る「天孫降臨」

          ティール組織の「Evolutionary purpose」はなぜ「存在目的」なのかを勝手に考察してみた

          ティール組織の3つのブレイクスルーと呼ばれる、ホールネス・セルフマネジメント・エボリューショナリー・パーパスは、それぞれ、全体性・自主経営・存在目的と訳されます。 「存在目的」と聞いて、昭和世代は、「レゾンデートル(存在理由)」のことを想起されるのではないでしょうか。生きている理由というか、何のために存在しているのかという問いに対しての答えです。ただし、「Evolutionary purpose」にその意味合いはまったくありません。 「Evolutionary purpo

          ティール組織の「Evolutionary purpose」はなぜ「存在目的」なのかを勝手に考察してみた

          実は、私は、コミュニティ・イベントがものすごく苦手であることが分かった件

          先日、ある食に関するコミュニティ・イベントに参加してきました。主催者の方のブログを読んで、これは一度いただいてみたいと心底思ったからです。 店に着いて、店自体がイベント用の急づくりでスタッフもみんなボランティアっぽいなと感じ、ただ、それはそういうものかと受け流していました。しかし、奥の大テーブルの片隅を案内されて、しまったというか、店に来たのをものすごく後悔しました。 初対面の人たちがニコニコと当たり障りのない会話をしている空気と、その中に入ってしまうことはものすごく苦手

          実は、私は、コミュニティ・イベントがものすごく苦手であることが分かった件

          氷川神社、久伊豆神社、香取神社の分布からわかる“国”の成り立ち

          私は、関西出身で、もうかれこれ20年近く関東に住んでいます。関西になくて関東にあるものの一つが氷川神社です。私は長い間、氷川神社は、関東一円に、特に河川の流域を中心に分布しているのかと思っていました。昨日、ふと気になって、Google mapで氷川神社の場所を検索して分かったのですが、全く関東全域などではなく、分布の中心は東京と埼玉に偏っていました。それよりも、特に千葉方面にはまったくないことがすごく不自然に感じました。さらに、「氷川神社 分布」と画像検索していると、下の地図

          氷川神社、久伊豆神社、香取神社の分布からわかる“国”の成り立ち

          トランスパーソナル心理学の25年周期説

          現在は、トランスパーソナル心理学や成人発達理論のブームの時期なのだと思います。それらがタイトルについた数多くの本が出版されています。しかし、心理学の分野で新しい発見があったとかではなく、ほとんどが過去の焼き直しのような気がしています。私が学生から社会人の最初の時期を過ごした1990年代の後半から2000年頃にかけても、ニューサイエンスの残り香か、複雑系ブームに乗ってか分かりませんが、東洋的なアプローチでの統合・合一といったトランスパーソナルは存在していました。当時、真言立川流

          トランスパーソナル心理学の25年周期説

          ことばから知る、縄文人・弥生人の感覚

          日本人はどこから来たのか、そのルーツはどこにあるのかという問いは、DNAのハプロタイプによってほぼ解明されました。しかし、日本語のルーツは、依然、謎のままなのです。表音文字としての漢字が入ってくる前から、文字のない時代から、縄文~弥生に起源を持つ、「やまとことば」が存在してきました。中国や近隣のアジア地域にも、日本語のような音節言語(イ・ン・グ・リッ・シュと音節ごとに区切って発音する)が見当たらないことでもそのルーツは謎とされてきました。 Amazonで、「日本語 成り立ち

          ことばから知る、縄文人・弥生人の感覚

          「結晶性知能」とシニア向けビジネス

          最近、「流動性知能、結晶性知能」という言葉をよく聞きます。なんでも、「流動性知能」とは、情報を獲得し、それをスピーディーに処理・加工・操作する知能のことで、暗記力・計算力・直観力などが該当するそうです。そして、それは、10代から20代にピークとなるそうです。一方で、「結晶性知能」とは、経験や学習などから獲得していく知能のことで、言語力に強く依存し、洞察力、理解力、批判や創造の能力といったものが該当するということです。「結晶性知能」は、経験や学習によって20歳以降も上昇をつづけ

          「結晶性知能」とシニア向けビジネス

          ネガティブケイパビリティ③ 嫌悪感情とネガティブケイパビリティ(中島 義道『ひとを<嫌う>ということ』を読んで)

          Amazonでこの本のタイトルを見て、これは買わなければならないと体が反応しました。 私は、どちらかというと誰とでも仲良くできてしまうタイプです。ひょっとしたら、嫌いな人がいないのでは、などと思う時があります。しかし、それは、とんでもない欺瞞でもあります。というのも、嫌いな人がいないなんてことはありえなく、むしろ、顕在化してこないことに罪深さを感じてしまいます。おそらく、今回は、そういった理由で、反応してしまったのではないかと思います。 まず、筆者は、<ひとを嫌う>という

          ネガティブケイパビリティ③ 嫌悪感情とネガティブケイパビリティ(中島 義道『ひとを<嫌う>ということ』を読んで)

          高杉晋作のネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ~答えの出ない事態に耐える力~』を読んで②)

          「ネガティブ・ケイパビリティ」の概念を発見したと言われる詩人のジョン・キーツ、その手紙を集めた『キーツの手紙』を読んだとき、日本で、幕末、奇兵隊を率いて活躍した高杉晋作のことがふと頭に浮かびました。夭逝という点も二人の共通点です。キーツが亡くなったのが25歳、高杉は満27歳で、死因は二人とも肺結核でした。思い通りにならない自分の体、近づいてくる死の足音など、療養時の心のありかたも、明日がある前提の人たちとは違ったはずです。 考えても仕方ない人生に、短く太く生きて後世に名を残

          高杉晋作のネガティブ・ケイパビリティ(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ~答えの出ない事態に耐える力~』を読んで②)

          一元論から二元論へ、「共感」へと至る「ネガティブ・ケイパビリティ」の変遷について(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ~答えの出ない事態に耐える力~』を読んで)

          「ネガティブ・ケイパビリティ」とは まず、「ネガティブ・ケイパビリティ」とは何か。ここはあっさり、Wikipediaさんに頼りましょう。 数年前、帚木さんのこの本を読んだ時、当時はこの、「ネガティブ・ケイパビリティ」の「ネガティブ」が何に対してのネガティブなのか、答えのないものが、なぜ「否定的」と表現されるのか、その意味がよく分かりませんでした。今回、原点を当ってみようと、キーツ著『詩人の手紙』(富山坊百貨文庫)を買って読んで、ようやくそれが理解できました。なるほど、

          一元論から二元論へ、「共感」へと至る「ネガティブ・ケイパビリティ」の変遷について(帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ~答えの出ない事態に耐える力~』を読んで)

          キャリアにおけるシンクロニシティ  ~ベクションと多次元選択仮説~

          (注:かたく始まりますが、最後はスピリチュアルな内容です。時間の無駄だっという感情が起こりそうな方は、読まないことをお勧めします) キャリデザインは、大きく分けて、2つの種類に分かれると思います。一つが、キャリデザイン研修などでよく行われるバックキャスティング的なもの。つまり、将来のありたい姿を定めて、そこから引き算して、今の自分との差分を埋めていくもの。そして、もう一つが、クランボルツ博士が提唱するような、偶発性を計画していくようなアプローチです。 前者は因果関係がはっ

          キャリアにおけるシンクロニシティ  ~ベクションと多次元選択仮説~