マガジンのカバー画像

たいせつ

32
大切にしたい文章などを集めています
運営しているクリエイター

2022年5月の記事一覧

夢の国での夕暮れ

夢の国での夕暮れ

ディズニーランドで迎える夕方は面白い。

朝早くから入場して歩き回り、ようやく方向感覚が掴め、ざっくりとした地図を思い描けるようになった頃、街灯に明かりがともる。シンデレラ城もほかのアトラクションもライトアップされて、昼間とはまた違った様相を見せてくれる。

目当ての乗り物には大方乗れた充足感と、もう迷うことなく歩けるという安心感。その二つを抱きながら、ふたたび新鮮な気持ちで夢の国を楽しめる。それ

もっとみる
シナモンロールは、うさぎですか。

シナモンロールは、うさぎですか。

「シナモンロール」というサンリオキャラクターを、ご存知だろうか。

長く垂れた耳を持つ、うさぎのような姿をしたキャラクターで、その体は二頭身で真っ白い。瞳は淡い水色をしており、その水色が彼(シナモンくんは男の子)のイメージカラーだ。白いおしりにくっつくしっぽは、その名に冠する「シナモンロール」のパンのようにくるりと巻かれていて、なんともかわいらしい。

……やってみて思ったのだけど、人外の、それも

もっとみる
違いを認め合える仲こそ。

違いを認め合える仲こそ。

相性のいい人について考えている。

一般的に「相性がいい人」とは、価値観が同じであったり、近しかったりする人のことを指す。趣味が合うとか、金銭感覚が似ているとか、笑いどころが同じであるとか。

それを否定するつもりもないし、納得する部分もあるのだが、必ずしも同じであったり、似ていたりする必要はないと思うのだ。むしろ「違い」があって当然で、その違いを認め合える仲こそ「相性がいい」と呼ぶのではないだろ

もっとみる
徒然草を読んでいるはなし

徒然草を読んでいるはなし

エッセイが書けないので、ふと思い立って吉田兼好の徒然草を読んでいる。正直、エッセイと随筆のちがいすらあまりよくわかっていないのだが、とりあえず「日本3大随筆を読めばなんか分かるんじゃね?」と思い、今日その足で駅前のブックオフに出かけることにした。
日本の古典文学を買って読む機会など滅多にない。せいぜい読んでも『あさきゆめみし』くらい。もはや古典文学そのものですらないけど。

訪れたブックオフで、ま

もっとみる
「Noteをそんなに読んで何になるの?」と言われれば

「Noteをそんなに読んで何になるの?」と言われれば

 Noteを、結構読んでいる方だと思う。
 知人で毎日noteを書いている人が多い。でも、仕事が忙しくない時期は、そのうちかなりを読んでいると思う。単純に楽しいのもあるが、癖になっている部分も多い。思わずnoteのトップページを開いてしまうのだ。嫁に「見すぎ」と言われたこともある。
 でも、「読んで何になっているのか?」は、これまでよく分からなかった。
 今日、それについて考えるきっかけがあった。

もっとみる
「そんな悲しいこと言わないで」は言わないで。

「そんな悲しいこと言わないで」は言わないで。

緩和ケア病棟に入院していた祖母は、家族が面会に行くたびに「まぁはよ死にたい」「いつになったら迎えが来るんやろ」のような言葉を口にしていた。
そのたびに娘たち(特にうちの母)は「そんなこと言わんといて」「みんなが悲しくなるでしょ」などと返していた。

こういう会話、まわりでも聞いたことありませんか?

緩和ケア医との会話を今でも忘れないようにしている。

「おばあちゃんが『もう死にたい』とか言うこと

もっとみる
今はまだ、四分割のチーズトースト【KUKUMU】

今はまだ、四分割のチーズトースト【KUKUMU】

わが家は実質、一日四食なのかもしれない。

お腹いっぱいに食べた夕飯が消化され、胃にちょっとした隙間ができる23時頃、誰が号令をかけるわけでもないのに、父、母、弟、私、そして猫がリビングに集う。家族全員で、夜食を食べるのだ。

食卓に上がるのはケーキだったり、特大のペヤングだったり、ハンバーガーだったり、焼肉だったり。日によってさまざまだが、軽食のラインを超えることもしばしば。自分のお皿を肉球でタ

もっとみる
つっぱれない方がいいかもしれない

つっぱれない方がいいかもしれない

去年の夏から暮らしている今の家は大きな窓があるのになぜかカーテンレールがない。なのでつっぱり棒を使いカーテンを付けている。けれど私の力が弱いのとカーテンが重いのと両方でカーテンを何度か開け閉めしているうちに「ガシャン」と落ちてくる。

大体、落ちてくる時は急いでいる時か眠たい夜。
もう1回つっぱればいいだけだからいいのだけど。
ストレスだ。
自分でできるけど誰かやってくれないかなと思う時がある。

もっとみる