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大好きな漫画たち

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#漫画

芦原妃名子『セクシー田中さん』

芦原妃名子『セクシー田中さん』

 今日、夕方。

 わたしは何気なくニュースを観ていました。

 そして、先生の訃報を知りました。

 嘘だと思いました。

 きっとフェイクニュースだ。

 一体誰がこんな趣味の悪い冗談を?

 これ以上先生を追い詰めるのはやめて欲しい。

 ドラマの件で元気をなくしているのだから。

 …と。

 けれど…、残念ながらフェイクニュースでは無いようです…。

 繰り返し流される先生の訃報。

 

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右野マコ『田舎の美少年』

右野マコ『田舎の美少年』

 この漫画の1巻を数ページ読んだ時点で、わたしは心の中で叫びました。

 「この作品を今すぐ川端康成先生へお届けしたい…! どうやったらプレゼント出来るの!? 〝Amazonあの世便〟とか無いかな!?」

 と…!

 読み進めていけばいくほど、その思いは強くなり、

 「三島由紀夫先生にも送りたい…! 間違いなくお好きだと思う…!」

 と、どんどん贈りたい文豪が増えていきました。

 なぜか?

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岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』

岡野雄一『ペコロスの母に会いに行く』

 心が和むコミックエッセイ。

 ひとさまのお母さんを「可愛い」なんて言ったら失礼かもしれませんが、作者・岡野さんのお母さん・みつえさんがほんわか可愛いので、このコミックを読んでいると癒されます。

 認知症になった母の介護が大変だ! と嘆くだけというタイプのコミックエッセイではなく、むしろ、あとがきで岡野さんが「忘れることは、悪いことばかりじゃない」とおっしゃっている通り、認知症になった母もまた

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岩本ナオ『金の国 水の国』

岩本ナオ『金の国 水の国』

 「きっと〝両想い〟ってこういうことだよね」とわたしが思い描いているイメージをそのまま漫画化してくれたかのような作品です。

 今までに何度読み返したか分かりません。

 ストーリーを知っているのに、読む度に新鮮な気持ちになってキュンとします。

 この漫画に登場するナランバヤルとサーラ姫の様子を見る度、わたしはこう思います。

 「なんて素敵なカップルだろう!」と。

 二人とも穏やかで、優しく

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かずはしとも『オズの魔法使い』

かずはしとも『オズの魔法使い』

 大人の為の「オズの魔法使い」。

 この漫画の主人公・ドロシーは開拓時代の娼婦。

 ドロシーはまだ23歳なのですが、お客はもっと若い娘を選んでしまうため、ドロシーは嘆き、愛犬トトに励ましてもらう日々を送っていました。

 ある日ドロシーは竜巻によってトトと一緒に異世界へ飛ばされてしいました!

 これを機に、ドロシーは前向きに決意します。

 イケメンのオズ様と結婚しよう!

 と。

 かく

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秋乃茉莉『賢者の石 (12) 堕天使の城』

 秋乃茉莉先生の賢者の石シリーズ。

 1巻から16巻まで続くこの漫画の中でもわたしの一番のお気に入りは、12巻『堕天使の城』。

 ジャンヌ・ダルクとジル・ド・レに関する作品が好きな人にはたまりません。

 ※注意
 以下の文にはネタバレを含みます!

 ⭐️あらすじ

 物語の舞台となるのは、かつて、ジル・ド・レによって数え切れない少年たちが惨殺された城。

 その城で、悪い錬金術師のたくらみ

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福田宏『5分後の世界』

福田宏『5分後の世界』

 ※注意
 以下のレビューには、結末まで明かすネタバレを含みます!

 拘束具をつけた仏像たちが人々を無差別に殺戮する…というショッキングな漫画。

 その残虐な殺しっぷりは、仏像=人がすがるもの、という善いイメージを覆します。

 わたしは法事の折に手を合わせる程度の信仰しか持ち合わせていませんが、そんなわたしでも、仏像がまるで呪詛を吐くかの如く「KILL HUMANS」と言うシーンには「こん

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深谷かほる『夜廻り猫 1 今宵もどこかで涙の匂い』

深谷かほる『夜廻り猫 1 今宵もどこかで涙の匂い』

 不思議な猫・遠藤平蔵が主人公の漫画。

 遠藤は頭に猫缶を乗せ、「泣く子はいねが〜 泣いてる子はいねが〜」と呼びかけながら、二足歩行で夜の町を歩きつつ、辛い思いをしている人々のもとを訪ねます。

 遠藤は弱り切っている人間に「助け合って生きるのじゃ 元気になったらおまいさんからボールを投げなされ 誰かが必ず待っておる」と言い、頭の上の猫缶をくれることもあります。

 なんだかアンパンマンみたい…

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桜井海『おじさまと猫』

桜井海『おじさまと猫』

 妻を亡くし、子どもたちが巣立ち、一人暮らしをしていたおじさまが、ペットショップで猫と出会うところから始まる漫画。

 この猫はお客さんから「ブッサイク」などと馬鹿にされ、売れ残り続けた結果、子猫時代をとうに過ぎて大きくなってしまったため、「もう諦めた…どうせ私なんて誰も欲しがらにゃい…」と絶望していました。

 そんな寂しい猫と、寂しいおじさまが出会います。

 自分を選んでくれる人が現れたこと

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うつろあきこ『3回まわって恋をして』

うつろあきこ『3回まわって恋をして』

 ほのぼの4コマギャグ漫画。

 いちこさんはトップモデル。

 日本人離れしたスタイルと、浮世離れした美貌の持ち主。

 いちこさんは流行りの既製品ブランドグッズを一切買いません。

 なぜなら、デザイナーさん自ら、いちこさんをイメージしたものをデザインしてくれるから!

 一国の王子から猛烈アプローチをされるくらい、ハイレベルな男性にモテモテ。

 四季のうつろいは、男性からの贈り物の変化から

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松田奈緒子『花吐き乙女』

松田奈緒子『花吐き乙女』

 突然ですが、あなたは花を吐いたことがありますか?

 この漫画に登場するのは「花吐き病」。

 それは、心の底から誰かを好きになって、でもそれが片想いだという場合に、口から様々な花を吐いてしまう…という、何とも不思議な病のことです。
 ※架空の病気です。

 水仙、薔薇、蓮、雛げし、チューリップ、ガーベラ、パンジーなどなど…。

 花吐き病の患者は、想いが募って苦しくなると、いつでもどこでも花を

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高口里純『紅のメリーポピンズ』

高口里純『紅のメリーポピンズ』

 「自分も子どもの頃にフタバさんと出会いたかった!」と心の底から思わせる漫画です。

 フタバさんは育児・教育の専門知識を持つ女性。

 子どもと同じ目線になって話します。

 上下関係がありません。

 偉そうに命令したりしないし、逆にペコペコして子どもの家来に成り下がることも無いし、いつもビシッと筋が通っています。

 フタバさんの言動には矛盾が無いから、子どもは戸惑うことがありません。

 

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水木しげる『ゲゲゲ家族の肖像』

水木しげる『ゲゲゲ家族の肖像』

 短編漫画集。

 漫画『朧車』『夢先案内猫』『姥捨株式会社』『突撃!悪魔くん』、水木先生の娘さんたちへのインタビュー『ゲゲゲの姉妹が明かす水木家のヒミツ』、水木先生のコラム『借金やら、倒産で……』『人生と努力』が収録されています。

 ※注意
 以下の文には、結末までは明かしませんがネタバレを含みます。

 わたしが特に好きなのは『朧車』。

 水木家の皆さんとおばけたちが家族ぐるみで交流を深め

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武田登竜門『あと一歩、そばに来て』

武田登竜門『あと一歩、そばに来て』

 短編漫画集。

 わたしは特に『その時がきたら』という作品が好き。

 読み返すたび、好きな人に「好き」と伝えたくても伝えられない主人公に自分の姿を重ねて、胸をギュッと締め付けられます。

 …と言っても、主人公は一国の王女様なので、わたしとは立場が全く違うのですが…。

 ※注意
 結末までは明かしませんが、以下のあらすじと感想には一部ネタバレを含みます。

 〈あらすじ〉 王女様が子どもの頃

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