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#北海道

ゆり根を食べる。

ゆり根を食べる。

お正月の食材といえば。
昆布、黒豆、数の子・・・・・・・
そして、ゆり根。

小さな小さなりん片から、5年もの月日を経て、食卓にやってくるゆり根。
甘くて、ほのかな苦味があって。
おしゃれ感のある味です。なんとなく。

ゆり根のポタージュです。
ゆり根はりんぺんという厚くて白い、花びらのようなモノの集合体です。
それはそれはデリケートで、ぶつかると茶色くなってしまいます。
だから、おがくずのお布団

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トンネルを抜けるとそこはニシンで栄えた町。

トンネルを抜けるとそこはニシンで栄えた町。

小樽の毛無山(けなしやま)の展望台から、石狩湾の向こうにうっすら見える町が目的地だ。海岸線に沿って国道を、いくつものトンネルをくぐりぬける。トンネルの合間には、小さな漁港、切り立った崖が続く。
着いた町は増毛(ましけ)町だ。
 明治から昭和の初めに作られた大きな美しい木造建築がいくつも残っている。大きなお寺の近くには、「中村屋製菓」がある。柔和な笑顔の白髪頭の店主が作りだす和洋様々なお菓子に目移り

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写真の中の人に、会いに行きました。

写真の中の人に、会いに行きました。

それは、波打ち際に腰を落とし片膝をついて、モリのような道具を今にも放り投げて何かをとろうとしている人の写真。うひゃあ。かっこいい、

いったい何をしているのでしょう?

なんと、昆布漁なんです。
拾い昆布といって、海の中の岩盤から強い波のチカラでひっぱがされ、岸に打ちあがった昆布を拾う漁です。
この写真は拾う、って感じじゃないですよね。獲る。
えりも岬の東、十勝の広尾町にお住まいの漁師、☆君@昆布

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ほかいどーのお米がおいしいワケ。

ほかいどーのお米がおいしいワケ。

ほかいどーのお米がおいしいのにはワケがあります。

どうして??
例えば、

「気温が高くなったから、北海道のお米がおいしくなったのです。」

という話は本当なのかな?

じゃあ、どうしてイタリア北部、ピエモンテ州に米の大生産地があるんだろう?アルプスからの風は寒かろうに。
それに、北海道の米がおいしくなったのは、
こんな風に温度が高くなる前からのことじゃない?

と、思いませんか??
そもそも、

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じゃがいもローストと鯖と180度の魔法

じゃがいもローストと鯖と180度の魔法

「オーブンの温度は180度で」
「オーブンの温度は180度で」
「オーブンは180度に設定して・・・」

そのトスカーナ州の郊外の学校で、授業を受け持つ先生たちは、申し合わせたようにオーブンの温度は180度、とわたしたちに指示するのでした。
その言葉に、同じクラスにいた日本人のお姉さまが「イタリアのオーブンって180度しかないのかしら」と口をちょっと斜めにして、いたずらっぽい目でコメントするのもお

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北海道の底力。なんと木で蒸留酒を作る。

北海道の底力。なんと木で蒸留酒を作る。

キノサケって何?

木の酒。木を原料にして作った蒸留酒です。

勉強会に誘っていただいて香りを嗅いできました。

人類にとっての最初のお酒は、今からさかのぼること13000年前、氷河時代を迎える前のこと。現在のイスラエルの地域で醸造が始まったそうです。
8000年前にはジョージアでワインが、5000年前にはメソポタミアでビールが、われらが日本酒は1300年前に登場したそうです。
蒸留酒はといえば、

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最初の秋のおにぎりアクション。

最初の秋のおにぎりアクション。

おにぎりアクションを知っていますか?

「おにぎり」の写真を #onigiriaction  のハッシュタグをつけて投稿すると、1枚の写真につき給食5食分に相当する寄付を協賛企業が提供し、NPO法人TABLE FOR TWO INTERNATIONAL を通じてアジア・アフリカのこどもたちに給食を贈られるという期間を決めて継続されている活動です。

100円で5食?ということにも驚きましたし、それが

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日本酒を自分の真ん中にして、無我夢中でやってきたひとのこと。

日本酒を自分の真ん中にして、無我夢中でやってきたひとのこと。

こんばんは。

まずはこの写真をご覧ください。
手前のモノは何だと思いますか?
わたしは初めて見たときには潜水艦か?と思いました。。。

ここは北海道栗山町の140年にわたる酒蔵、小林酒造です。
昔の北海道は寒すぎて発酵がうまくいかなかったので、ボイラーを使って湯を沸かし、蔵を暖めました。そう、これ、ボイラーなんです。蔵はレンガです。
ここにしかない組みあわせです。

ずいぶん立派な建物ですね。こ

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シゼントトモニイキルコトから野菜が届きました。

シゼントトモニイキルコトから野菜が届きました。

こんばんは。

今朝、今金町のオーガニック生産者シゼントトモニイキルコトの野菜が届きました。

ご近所の八百屋さんには知り合いの生産者から直接入荷する野菜も多いし満足しているのですが、時々は生産者から購入します。

ながーいキュウリ。クロサンゴですね。2本分の長さです(!)
真ん中で切って並べると薄切りしやすい形です。

もう一つのは、名前はわからないのですが、キュウリの一種と思われます。

ほの

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三平汁はすぐ出来て味わい深い魚のスープ。

三平汁はすぐ出来て味わい深い魚のスープ。

こんばんは。

北海道の三平汁といえば、まず、鮭と野菜のスープです。

アイヌのオハウに倣って、和人が作ったと言われています。

昆布だしに野菜と鮭。アイヌは保存食の鮭の燻製で作ったと上の記事にありますが、北海道の郷土料理では、塩鮭が多いのではないでしょうか。

鮭は山漬けなら尚良し。
鮭を山のように積み上げて塩漬けにし、寒風にさらします。
頃合いになれば、上下を入れ替えます。
じんわりじんわり。

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北海道食べる通信とやまの会のこと。

北海道食べる通信とやまの会のこと。

「食べる通信」は読むと食べるを同時に楽しみながら生産者のことを知る雑誌です。
「北海道食べる通信」の夏号はやまの会がテーマです。

やまの会って何ぞや?

道南せたな町・今金町の、志を同じくするオーガニック生産者のグループです。

映画「そらのレストラン」は彼らと、同じ志を持つうみのひと西田船長、そして道産チーズの先駆者、近藤さんをモデルにしています。

彼らのゆるやかなつながり。メンバーそれぞれ

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富山から世界に広がる羅臼昆布ロードのこと。

富山から世界に広がる羅臼昆布ロードのこと。



 富山県黒部市生地(いくじ)。「黒部の太陽」の黒四ダムから山を越えると海に向かって広がる扇状地にある町だ。渓谷に降った雪や雨は地深く染みこみ、80キロほど離れた町で湧き水にとなってこんこんと湧き出す。硬度38。体にすうと染みていく柔らかな水は、昆布から出汁をとるのに最適だ。

 1800年代、不漁がこの生地を襲った。漁師たちが食べていけなくなり、厳しい自然なれど漁業資源の豊かな根室、歯舞、羅臼

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北海道に天然青海苔があるって知ってますか?

北海道に天然青海苔があるって知ってますか?

こんばんは。

函館の青海苔がやってきました。

送ってくださったのは、はこだて海の教室実行委員会です。

この会は、函館のこどもたちに豊かな海をつなげ、
海っていいなー!とこどもたちが感じることを、
海のある函館っていいなーっ!!ってこどもたちが誇りに思うことを目的に、青海苔活動をしています。

函館の町は、昔、遠洋漁業(鮭をとりに大型船アラスカまで行っていました)の基地だったり、それよりずーっ

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昆布はどこからどこへ行く④羅臼昆布・前編

昆布はどこからどこへ行く④羅臼昆布・前編

こんばんは。

羅臼昆布はわたしにとって、遠いものでした。

原因は、そのお値段です。高いです。

でも、わたしたちが買うようになるまでの工程を知り、使い勝手を覚えたら、今は推しの昆布になりました(⋈◍>◡<◍)。✧♡

❓工程を知ると値段の高さを感じないの❓

いえ、高いものは高いです。それでも、味が濃いので少しで効果がある、とか、やわらかくなりやすいので具として食べられる、とか、おつまみ昆布で

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