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じゃがいもローストと鯖と180度の魔法

「オーブンの温度は180度で」
「オーブンの温度は180度で」
「オーブンは180度に設定して・・・」

そのトスカーナ州の郊外の学校で、授業を受け持つ先生たちは、申し合わせたようにオーブンの温度は180度、とわたしたちに指示するのでした。
その言葉に、同じクラスにいた日本人のお姉さまが「イタリアのオーブンって180度しかないのかしら」と口をちょっと斜めにして、いたずらっぽい目でコメントするのもお約束。

きのう十勝の大きな畑で育ち、雪の下で冬を越した、雪下熟成ジャガイモが届きました。皆がもういらないと言った1月の大雪は、この雪下熟成じゃがいもには天の恵みとなり、まぁ、甘くてうまいこと!!

これはシンプルにローストでいきましょう!!
そこで思い出したのが、じゃがいものローストを世界一食べているかもしれないイタリア人の、あの先生たちの言葉でした。
180度は、素材にストレスを与えにくい、時間の調整でローストをおいしく作れる温度なのかな。

じゃがいもは串切りにして天板に並べ、
オリーブオイルを回しかけ、塩を振ります。
180度のオーブンに入れて、15分ほど焼いて、様子を見て時間を追加します。

インカのめざめはまるでサツマイモのような甘さで、じゃがいもならではの香りとうまみの塊です。

こがね丸は、よりうまみに寄っています。

イタリアのあのキッチンでは、じゃがいもと一緒に鶏肉を焼いていたことを思い、鶏肉がなかったので、後で塩焼き鯖の缶詰とレモン汁を混ぜました。
「何でも180度で焼く」と言えば覚えやすいし失敗は少ないし、
そして経験を重ねると素材によって温度を調整していく基準なのかな。

さて、雪の下で味を育てた野菜のおいしさは、北海道の春の恵みです。
じゃがいも、にんじん、きゃべつに大根。
雪のみずみずしさを含んだ彼らは、芽吹きの季節を迎えて、芽が出やすかったり、早めに食べないと味が抜けたりします。
おいしい一瞬を逃すな!!
雪の世界からの解き放たれて、秋の野菜が春野菜として食卓に登場すると、いよいよ北海道の春が始まります。






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