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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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2022年8月の記事一覧

発信をまとめる中で自分を再発見する

発信をまとめる中で自分を再発見する

SNSを始めた際に、私はこう思いました。
「自分には、何が発信できるだろうか?」

それまで、SNSでは「見る専」「読む専」で
発信することはありませんでした。

しかし後に、それは勘違いだとわかりました。
「炎上」など、よほど読んだ人を逆上させ、
慣習や気持ちに背いた記事を発信しない限りは、
そんなには起こり得ません。

そもそも、SNSを始めたての人の発信など
そんなに見る人は、いないのです

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ピラミッドか、ジグソーか?

ピラミッドか、ジグソーか?

積み重ねた上下固定か、組み合わせた平面柔軟か?

①ピラミッド と ②ジグソー という比喩を使い、
その対照で考える、という方法は
なかなかに「使える」思考のツールだと思います。

①は積み重ね、固定、上意下達、序列固定。
②は組み替え、柔軟、行動自由、フラット。

①ピラミッドは、かっちりがちがちで、
②ジグソーは、凸凹に合わせフリー。

…これらを前提とした場合、

「個人」の「キャリア」レベ

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酒の神「ディオニューソス」の変遷

酒の神「ディオニューソス」の変遷

調和を重んじるギリシア神話の中、
「酒の神」「豊穣の神」ディオニューソスは
極めて異端であり、異様、異色です。

本記事は、この神様について少々…。

あまりにも異端であるため、
この神は長らくギリシア神話「ではなく」
他の神話の神なのではないか…?
と思われていたそうです。

19世紀の学者たちは、
「こんな変な神がギリシアで
信じられていたはずがない!」
(ちょっとラノベのタイトルみたいですが

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読み返して分かる『プロゴルファー猿』の狂気

読み返して分かる『プロゴルファー猿』の狂気

藤子不二雄Ⓐさん(以下Ⓐさん)の代表的な名作。
藤子・F・不二雄さん(以下Fさん)とは
ちょっとカラーの違う漫画を描かれている
Ⓐさんですが、その中でも断トツに有名な漫画!

本記事ではこの
『プロゴルファー猿』について、書きます↓

まず、作者のお二人の紹介を少し。

お二人がデビューしたのは、
1951年「天使の玉ちゃん」から。
当時高校生だったお二人が、
あるべきはずの手塚治虫さんの
連載が

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『中年男ルネッサンス』と再生

『中年男ルネッサンス』と再生

髭男爵の髭の方、山田ルイ53世さんが
社会学者の田中俊之さんと
本を出されているのをご存知ですか?

『中年男ルネッサンス』↓

髭男爵といえば、いわゆる
「一発屋お笑い芸人コンビ」。
あのワイングラスを掲げながら
「ルネッサーンス!」と
いうネタが思い浮かびますが、

山田さんは、実はこの本のように
「文筆業」や「ラジオパーソナリティ」と
してもご活躍中なのです!

ちなみに髭のない方の「ひぐち

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ドス黒い地下室にて

ドス黒い地下室にて

『地下室の手記』という小説が、あります。
書かれたのは1864年、日本で言えば幕末、
新選組が池田屋を襲撃した頃です。

本記事では、この小説について書きます。
あえて作者名は最後までは書きませんので、
誰の小説か、考えてみていただくのも一興かと。

この小説は、ひたすら主人公が
「手記」を書いて自分の思いを告白する、
という形になっています。

一言で言えば、異常。

そこから放たれる言葉は愚痴

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令和のセブン、明日への明かり

令和のセブン、明日への明かり

何十年もコンビニ業界のトップリーダーとして
走り続けてきた「セブンイレブン」。

ローソン、ファミマ、ミニストップなど
ライバル店は多々ありますが、
その全国ネットワークと商品力は圧倒的!
まさに「王者の風格」さえありますよね。

しかしその成長の裏では、
本部とフランチャイズ店との、言わば
『鉄の掟』があったのです。

これを全国津々浦々の店に守らせてきたからこそ、
セブンイレブンは、業界の頂点

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玄奘三蔵、摩訶不思議アドベンチャー

玄奘三蔵、摩訶不思議アドベンチャー

「三蔵法師」と言えば夏目雅子さん…!
と思い浮かぶ人は年がばれてしまいますけれど↓

「三蔵」とは、仏教における経蔵・律蔵・論蔵。

この三つの「蔵」を修めた高僧のことを指します。

なので別に一人の人を指す言葉ではないのです。
しかし、日本で「三蔵法師」と言えば
「孫悟空の師匠のお坊さん」というイメージ。
孫悟空の頭についた輪っかを、お経を読んで
ぎりぎり締めつける隠れSキャラ、という感じ。

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最果ての地よりさらに遠く

最果ての地よりさらに遠く

世界で一番、行きにくい場所は、どこか?

…そう言われれば、北極点とか南極点とか、
エベレスト山頂とかタクラマカン砂漠の中心とか
そんな「極地」が思い浮かびますが、

あくまで「人が住んでいる場所」で
行きにくい場所はどこか、と聞かれれば…?

うん、確かにそうです。
イースター島は、絶海の孤島。
太平洋にぽつんと浮かぶチリの領土でして、
2,000キロほども隣の島から離れています。

ですが「イ

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庄内と徂徠学、致道館とソライ

庄内と徂徠学、致道館とソライ

「キッズドーム・ソライ」という施設があります。
山形県の庄内地方、鶴岡市のスイデンテラスという
ホテルのすぐ近くにある施設↓

ホームページから、施設の概要文を引用します。

(ここから引用)

(引用終わり)

この施設の名前の由来になったのは、
「荻生徂徠」(おぎゅうそらい)という
江戸時代の学者です。

…なぜ、そんな人の名前がこの施設の名前に?
本記事では、その理由を探ってみます。

庄内

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スイデンテラス、水田照らす

スイデンテラス、水田照らす

こんなキャッチフレーズで売り出している
ホテルをご存知ですか?

山形県の庄内地方。東北地方の日本海沿い。
「鶴岡市」や「酒田市」があるあたり。
日本有数の稲作地帯としても有名。
ここの「スイデンテラス」というホテルです↓

本記事は、このホテルについて書きます。

まずは「庄内地方」の歴史を少し。

古くは「庄内藩」の領地です。
とにかく国替えの多い江戸時代、通常は
鉢植えの如く大名が変わってい

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関ケ原は天下分け目だったのか?

関ケ原は天下分け目だったのか?

徳川家康が天下を取った「関ケ原の戦い」。
1600年、この勝利により事実上、
「天下人」となった家康は、
その三年後の1603年には江戸幕府を作ります。

豊臣側は、その家康の勢威に押されます。
その十何年後の「大坂の陣」によって、
滅亡してしまうのです。

…というのが、歴史の教科書的な
認識ではないでしょうか。
ですが、この「関ケ原の戦い」、
本当に天下分け目の戦いだったのか?

後の歴史から

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日立のラストマン

日立のラストマン

日立製作所を中心とする日立グループと言えば
トヨタに並ぶ日本の大企業グループのひとつ。
「この木 なんの木 気になる木」のCMでも有名。

ですがこの日立、リーマンショック後に
もの凄い巨額の赤字を抱えて、
グループ存亡の危機にまで陥った…というのは
いま(2022年)では、読者の皆様の記憶からは
薄れているかもしれません。
何しろ、13年ほども前のことですから。

2009年3月期の決算。
「7

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「五番目の社会」というよくできたストーリーの功罪

「五番目の社会」というよくできたストーリーの功罪

Society 5.0。ソサイエティ 5.0!

日本の政府はこの概念を主軸として、
「科学技術計画」を立てています。

2021年、令和3年、
「第六期科学技術計画」が立てられました↓

ここでは「Society 5.0」の概念を具体化する
「スマートシティ」「スーパーシティ」などの
プロジェクトに、多額の予算が下りています
(これらについてはリンクからぜひ)↓

本記事では、この「Societ

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