最後のギターの素朴な音色がいつまでも心に残るイタリアの傑作 / 「鉄道員」 / オールタイムベスト映画18/100
オールタイムベストミュージック100が終わったので、今度は映画ベスト100を描いてみようと思います。こちらは基本的に1記事につき1作品の予定です。過去掲載記事の中にも、ベスト100に入る映画がありますので、過去記事紹介の回もあります。
イタリア映画には、時折、むちゃくちゃ愛くるしい子供が登場します。ニューシネマパラダイスや、ライフ・イズ・ビューティフルなどなど。
この映画にも、それらに負けるとも劣らない素敵な子役が登場します。
上の画像の少年がそう。
この少年がまあ、いい演技をするんですよ。うれしいときは、本当にうれしそうだし、悲しいときなんて、つられて泣いてしまいそうになるくらい。
さて、この映画は第二次世界大戦後のイタリアが舞台です。
この子の父親は鉄道運転手。
少年は父親の走らせる機関車を誇らしげに見守っている。幸せな中流階級の日常が微笑ましい。
そんなある日、事件が。。父親の運転する機関車になんと若者が飛び込んでしまうんです。もちろん事故。ですが、責任感の強い父親は、いたく責任を感じて、致命的な運転ミスをしてしまい、、さらに自責の念から放浪の旅に出てしまう・・・
そして、少年の父親を探す毎日が始まる・・・
この映画のラストシーンは、映画史に残る名場面です。
父親が隣の部屋でギターを弾いている。ギターを弾く手がアップで写される。
やがて父親の手は音を奏でるのをやめ、ギターの上から手が離れ落ちる。
眠りについたと思い、隣の部屋を見ながら微笑む母親。
父親が戻ってきて幸せそうな少年。
幸せに包まれている家庭を見渡してこの映画は終わります。
きっと、ここで終わらせてよかったんでしょう。あとは見る人が、自分なりにその後を想像すればいいのだし。
今でも、このシーンの手がゆっくりと下りていくところがギターのメロディーとともにスローモーションで頭に焼き付いています。
この最後のギターの音色がいつまでも心に残る名作です。
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