北欧型社会主義はビルマルク社会主義の後継であって、その本質は産業主義であるのだが、この点は何時も見落とされている 社会主義が資本主義よりも優れている点として、(適切な政策の下では)産業の育成に優れるというメリットがある 重商主義の延長の資本主義では、社会主義国家には勝てない
冷戦期を模倣して世界に国が二つしかないと考えよう A国は鋼10金1を、B国は鋼1金10を所有する 他の条件が対等な場合、A国が鋼11金11を所有する状態になるのは明らかだ 金銀の蓄積は、防衛兵器の存在に繋がらない 実際にドイツは、ウクライナに武器を売却することを拒否している
極めて皮肉なことだが、経済学における金属主義は、実社会における金属製造能力を劣化させる 前者は蓄財を重んじて金銀を蓄積するもの(重商主義)であって、後者は生産能力を重んじるが故に金属の製造能力や再利用能力を高める そして、大体の古代社会において、精錬鋼は金銀よりも価値が高かった
オーストリアのチロル銀山は、南米のポトシ銀山が発見されるまではヨーロッパの大部分の銀貨を供給する銀山であった 現在でもドイツは、政府による財政黒字の蓄積を重視している(重商主義)が、これは典型的な金属主義と呼ばれる中世的経済学である 彼等が重商主義から離れられない理由を考察したい