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Joseph M. Grieco “Anarchy and the limits of cooperation: a realist critique of the newest liberal institutionalism”
ジョセフ・M・グリエコ 「アナーキーと協力の限界:新たなリベラル制度論に対するリアリストの批判」 リアリズムは、少なくとも第2次世界大戦以降、国際関係論の主流となっている。リアリストは、国際的なアナーキーが国家間の競争と対立を助長し、たとえ共通の利益を共有する場合でも、国家が協力する意欲を阻害すると考えている。また、リアリストの理論では、国家間の協力に対するアナーキーの制約的な影響を国際機関が緩和することはできないと主張する。つまり、リアリズムは、国際協力の見通しと国際機
Kevin Narizny 「On Systemic Paradigms and Domestic Politics A Critique of the Newest Realism」
Kevin Narizny 「On Systemic Paradigms and Domestic Politics A Critique of the Newest Realism」 ケビン・ナリズニー 「システム・パラダイムと国内政治について:新しいリアリズムへの批判」 1990年代後半は、国際関係理論に国内政治をどう組み込むかについて、新しい考え方が生まれた時期であった。まず、アンドリュー・モラヴシックは、"Taking Preferences Seriously
RANDALL L. SCHWELLER “New Realist Research on Alliances: Refining, Not Refuting, Waltz's Balancing Proposition”
ランドール・L・シュウェラー 「同盟に関する新しいリアリストの研究:ウォルツのバランシングの命題に反論するのではなく、それを洗練させる」 リアリズムは、科学的な研究プログラムであると同時に、より伝統的には政治哲学である。すべてのリアリストは、安全、威信、パワーをめぐる集団間の永遠の闘争を想定し、人間の理性が平和と調和の世界を創造する能力を否定する悲観的な世界観を共有している。いわゆるネオ・トラディショナル・リアリストと呼ばれる人々の最近の研究は、ウォルツのバランシングの命題
Stephen M. Walt〜China Wants a ‘Rules-Based International Order,’ Too〜 スティーブン・M・ウォルト『中国も「ルールに基づく国際秩序」を望む』
中国も「ルールに基づく国際秩序」を望む 〜問題は、誰がそのコードを書くのか、そして米国がそのコードを守るかどうかだ。〜 スティーブン・M・ウォルト 2021年3月31日、11時48分 ルールに基づく国際秩序」という言葉をすぐに使えることが、米国の外交政策機構でトップの地位に就くための必要条件になっているようだ。アントニー・ブリンケン国務長官が最近、中国高官と会談した際の冒頭の発言を見れば一目瞭然だろう。「我が政権は、米国の利益を増進し、ルールに基づく国際秩序を強化する
Philippe Lemoine【Putin, NATO Expansion and the Missing Context in McFaul’s Narrative】
プーチン、NATOの拡大、そしてマクフォールの語る文脈の欠落 ロシア専門家は話の半分しか語らず、平和の実現をより困難にしている フィリップ・ルモワンヌ 11月22日 冷戦終結後、NATOは数回の拡大を経て、旧ワルシャワ条約加盟国のうちソ連以外のすべての国、さらには一部の旧ソ連邦がNATOの一員となっている。ロシアは以前からNATOの拡大を安全保障上の脅威と主張してきたが、この主張はクレムリンによるウクライナ侵攻の正当化の重要な論拠となったため、最近になって批判を浴びて