空が美しい朝だった 雲が一面空を覆っていた 山の稜線近くだけ一部晴れていて 薄いオレンジとピンクの間の色が見えた 見た美しさを言葉にしたい だが言葉で表そうと考えて書けば書くほど 目に映った景色とは離れていく 言葉で表そうとするのは人間の傲慢だろうか そして言葉はいつも不器用だ
氷点下の朝 木々は雪をまとい 氷りついていた 一面まっ白な世界 そこに 木は静かに立っていた 人間も木と同じ 命をもらい 地球上にいる それなのに特別だと思っていることにはっとした 言葉や心情を 木だってもっているかもしれない 私たちが知らないだけで そんなことを思う冬の朝だった