保阪正康

この時代の日本を凝縮した一書

書評:青木理『情報隠蔽国家』(河出書房新社) すごい密度の本だ。 喩えて言うなら、黒光りのする鋼製チョコレートの詰合せ。 短めのルポと連載コラムからなる一冊だが、軽くなどなく、恐るべき密度を誇り、どれもこれも美味いが、その味は極めて苦い。 重ねて喩えれば、この時代の日本をそのまま封…

【対談】池上彰×保阪正康「東京五輪と日本人」リーダーなき国の悲劇

池上彰(ジャーナリスト)×保阪正康(昭和史研究家) ▶昭和の終戦時から「今さらやめられない」を繰り返す ▶エリートのお家芸「主観的願望を客観的事実にすり替える」 ▶「危機の宰相」の明暗——日本は再び米英に敗北した 池上氏✕保阪氏 「このままじゃ、政治に殺される。」池上 東京五輪の開会式…

保阪正康『日本の地下水脈』|共産主義者と「攘夷の水脈」

ソ連から流れ込んだマルクス主義に知識人層は感電する。ところが——。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 左翼の源流大正7(1918)年に設立された結社「老壮会」には、国家主義者からアナーキストまで、あらゆる思想家たちが集い、活発な議論がおこなわれた。…

保阪正康「日本の地下水脈」|テロに流れる攘夷の思想

「天誅」──維新前夜の尊王攘夷派の合言葉は、なぜ後世のテロで蘇ったのか?/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成:栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 右翼によるテロリズム 思想家・社会運動家の満川亀太郎が大正7(1918)年に設立した「老壮会」には、国家主義者から社会主義者まで左右を問わず…

人間社会

瀬島龍三。昭和の権力の傍らには常にその名前が見え隠れしていた。 では、何がそんな偉かったのか、保阪正康等日本の知性たちが挑んでも、そこにあったのは空洞だった。 集団や組織とは何たるかを誰よりも理解し、自身の巨大な幻想を作り上げた。 人間社会、という大仰な言葉を口にするとき、それを象…

【追悼・半藤一利】「おい、二度とあんな時代に戻ることはないだろうな」 半藤さんの声…

真贋を見抜く目を持ち、人情に溢れる——数々の名対談、名座談会を繰り広げてきた“相棒”の保阪正康さんが、半藤一利さんの実像に迫る。/文・保阪正康(昭和史研究家) <summary> ▶︎半藤さんは、文藝春秋に入社して1年目の時に担当した坂口安吾から「実証的に歴史を見ることの大切さを教わった…

保阪正康「日本の地下水脈」|国家主義者たちの群像

北一輝や大川周明らの思想に感電した青年将校は「昭和維新」に突き進むが……。/文・保阪正康(昭和史研究家)、構成・栗原俊雄(毎日新聞記者) 保阪氏 老壮会以降の右派 明治維新から50年余が過ぎた大正中期、日本社会は曲がり角に直面していた。 第1次世界大戦で日本は戦勝国となり、国際連盟…

「陰謀論」からはかなり遠い作品:読書録「陰謀の日本近現代史」

・陰謀の日本近現代史 戦争と大事件の「闇」を照らす 著者:保阪正康 出版:朝日新書 「へえ、保阪さんが<陰謀論>の本を書くなんてな〜」 と珍しく思って手に取ったんですが… 全然違ってましたw。 なんか、ここら辺のことを取り上げると、 「日米開戦はルーズベルトの謀略だった」 みたいな話に…

半藤一利さんが指摘していた“戦争の教訓”が生かされていない現代日本の民主主義「官僚…

作家の半藤一利さんは、『文藝春秋』2018年5月号の座談会で「安倍政権(当時)と旧日本軍の相似形」を指摘していた。あれから約3年。菅政権に変わっても、実態は変わらぬまま。「国民の民度が下がっているから、政治家のレベルも下がる」という半藤さんの言葉を今こそ噛みしめたい――。/【座談会】半…