スローニュース【公式】調査報道やノンフィクションを支援します

日々の出来事を追いかけるのではなく、時間をかけた調査報道やノンフィクションを通して複雑な世界をゆっくりと咀嚼して理解する、それがSlowNewsという考え方です。現在、新たなサービス展開に向けて開発を進めています。

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    ロシアのQアノン、ウクライナ侵攻で内部分裂か

    取材・執筆:アイガニシュ・アイダルベコヴァ 翻訳:谷川真弓 2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した数時間後、ロシアのSNSテレグラムの人気チャンネルに、平和への祈りのような、励まされるメッセージが投稿された(訳注:テレグラムのチャンネルとは、管理者が登録者に対して一方的にテキストや画像、映像などの情報を発信できる機能)。 「神よ、ロシアとウクライナをお守りください」と投稿は言う。「我々は互いに神のご加護がありますようにと祈っています。我々の罪をお許しください」

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      • 調査報道大賞⑤国家によるデータ改ざんをどう暴いたのか 大賞/全体総括

        「調査報道大賞2022」の授賞式が9月2日に開かれました。選ばれた報道は何が評価され、受賞者たちはどんな取材の苦労や思いを語ったのでしょうか。最終回は大賞を受賞した報道です。選考委員による講評と、報道にあたった記者のことばのほぼ全文を、こちらで公開します。 『国土交通省の統計不正問題をめぐる一連の調査報道』朝日新聞取材班 講評:江川紹子さん 「統計は未来を作るための資料。報道がなければずっと不正が続いていた」 統計というのは、公文書と並んで本当に大事な基礎の資料だと思い

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        • 調査報道大賞④厳しい環境でどうスクープを出したのか 選考委員特別賞

          「調査報道大賞2022」の受賞式が9月2日に開かれました。選ばれた報道は何が評価され、受賞者たちはどんな取材の苦労や思いを語ったのでしょうか。今回は選考委員特別賞を受賞した2つの地方メディアの報道から。選考委員による講評と、報道にあたった当人のことばのほぼ全文を、こちらで公開します。 『中国新疆ウイグル自治区の強制不妊疑惑などを巡る調査報道』西日本新聞 坂本信博講評: 西田亮介さん 「新聞が置かれている難しい環境の中で、リスクを伴うテーマに取り組んだ」 皆さんご承知の通り

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          • 調査報道大賞③デジタルでこそ発信できた理由とは 優秀賞 デジタル部門

            「調査報道大賞2022」の受賞式が9月2日に開かれました。選ばれた報道は何が評価され、受賞者たちはどんな取材の苦労や思いを語ったのでしょうか。今回から優秀賞にデジタル部門が設けられました。選考委員による講評と、受賞した記者のことばのほぼ全文を、こちらで公開します。 『「キッズライン」不祥事報道』 中野円佳/Business Insider Japan他講評: 三木由希子さん 「報道が信頼されると情報が集まる好循環。1人で発信するデジタルの可能性を示した」 キッズラインをめ

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          • 不思議な裁判官人事
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            調査報道大賞②スクープ番組はどのように誕生したのか 優秀賞 映像部門

            「調査報道大賞2022」の受賞式が9月2日に開かれました。選ばれた報道は何が評価され、受賞者たちはどんな取材の苦労や思いを語ったのでしょうか。今回は優秀賞の映像部門を受賞した2つの報道から。選考委員による講評と、報道にあたった当人のことばのほぼ全文を、こちらで公開します。 『偽りのアサリ ~追跡1000日 産地偽装の闇~』CBCテレビ講評:三木由希子さん 「この問題は、消費者であるあなたの問題だと社会に問いかける優れた調査報道」 一連の報道では、中国から輸入されたアサリを

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            調査報道大賞①スクープ記者は何を語ったのか 優秀賞 文字部門

            「調査報道大賞2022」の授賞式が9月2日に開かれました。選ばれた報道は何が評価され、受賞者たちはどんな取材の苦労や思いを語ったのでしょうか。まずは優秀賞の文字部門を受賞した2つの報道から。選考委員による講評と、報道にあたった当人のことばのほぼ全文を、こちらで公開します。 『公文書クライシス』毎日新聞取材班講評:塩田武士さん 「公文書の隠蔽体質が民主主義の根幹を揺るがす伏線に」 『公文書クライシス』がいかに現代社会にとって重要なものだったかは、今回受賞した他の報道、『国交

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            ロシア連邦保安庁、ボリス・ネムツォフ元第一副首相暗殺に関与か

            取材・執筆:ベリングキャット調査報道チーム 翻訳:谷川真弓 以前、ベリングキャットとパートナーたちは、ロシア連邦保安庁(FSB)の秘密チームが、ロシアの反政府政治家アレクセイ・ナワリヌイを、大統領選挙に向けた選挙活動中の2017年、および2020年に毒殺未遂事件に遭うまでの数カ月にわたり尾行していたことを解明した。そのチームは、ウラジーミル・カラムルザとドミトリー・ビコフも、それぞれが毒殺未遂と思われる事件に遭うまでの数カ月尾行していた。 旅行データによると、このチームは

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            ウクライナ侵攻の口実 車両爆破は「捏造」べリングキャットが専門家と解明

            ロシアのウクライナ侵攻が進行中の今となっては、真偽の疑わしい挑発行為や、やらせのような事件が開戦前に次々と報告されたことはもう忘れられているかもしれない。どれもウクライナ軍の関与をほのめかし、軍事侵略の必要性を煽り立てる意図があったようだった。たとえば、ウクライナ軍が国境を越えているところを撮影したという映像に、下水処理場の塩素消毒設備を爆破しようとするサボタージュ(妨害工作)グループの様子とされる映像など――どちらも実際にはそういうものは映っていなかった。 取材・執筆:ニ

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            ロシアのオンライン・ヘイト・グループ「男の国家」の卑劣な手口

            取材・執筆:ベリングキャット差別監視プロジェクト 翻訳:谷川真弓 2021年10月18日、ロシアの州都ニジニ・ノヴゴロドの法廷で、〈男の国家〉(Muzhskoye Gosudarstvo)と自称するオンライン・ミソジニー・グループのちんぴらたちは運命の分かれ道に立っていた。 その数週間前、地方検察局は〈男の国家〉を起訴し、「過激派組織」と認定し活動禁止処分を下すよう求めた。〈男の国家〉はウラジスラフ・ポツニャコフ――2018年に女性に対する憎悪を扇動した罪で有罪判決を受け

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            Q アノンの中心人物「Q」の正体に迫る

            取材・執筆:Qオリジンズ・プロジェクトチーム 翻訳=谷川真弓 陰謀論「Qアノン」の熱心な信奉者にとって、Qは無限に近い力を持つ神話的な人物だ。アメリカの「ディープ・ステート(闇の国家)」について機密情報を知る特権を認められた政府内部の人間とされる、このQという人物が、未来を予言できると信じている人さえいる。 しかし、このたび再発見されたQアノン発生当初のインターネット掲示板への書き込みを検討すると、Qのまったく異なる人物像が見えてくる。再発見された一連の書き込みはQが書い

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            ウクライナ住宅街で「クラスター爆弾使用」デジタル調査で解明

            ロシアとウクライナとの戦争に終わりが見えないなか、民間人の犠牲者も増加している。侵攻直後には、クラスター爆弾が学校や病院の周辺地域にすら着弾したようだ。 取材・執筆:べリングキャット調査報道チーム 訳:谷川真弓 クラスター爆弾は、爆撃目標に小さい子爆弾を大量にまき散らす種類の兵器だ。この子爆弾は散開して、さらに広範囲で爆発し、損害と死傷者が出る確率を高める。 被害が広範囲に及ぶため、クラスター爆弾は、「紛争において民間人への直接的脅威」をもたらす兵器として、また、最初の

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            ウクライナの戦争捕虜を惨殺した、顔のない殺人者たちを追う

            取材・執筆 :ベリングキャット調査報道チーム 翻訳:谷川真弓 7月28日、ウクライナ人戦争捕虜らしき人物に対する性暴力と処刑の行為を映した一連の凄惨な映像が、親ロシア派のソーシャルメディアで出回った。きわめて生々しい内容であるため、ベリングキャットは本記事では映像へのリンクを掲載していない。 この3本の映像(以後まとめて「暴力映像」と呼ぶ)は、当初は「貨物200便、ウクライナ人に死を」というアカウント名のロシアのテレグラム・チャンネルに投稿された(訳注:「貨物200便」は

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            「アクリル板とコロナ」~極私的コロナ考察

            取材・執筆:市川衛  コロナ感染拡大から2年と半年余り、それまでと違った光景を見慣れるようになった。  飲食店のテーブルとテーブルの間や、食卓の上などに設置された「アクリル板」だ。  正直、客の立場からすると煩わしく感じることもある。お皿を置くときに邪魔だし、醤油やお箸が板の反対側にあるときは、店員に手渡しを願わなければならないこともある。ランチ相手の声が聞き取りにくく、余り会話が盛り上がらない、なんてことも増えた。  そういえば飲食店にとどまらず、アクリル板はどこで

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            がん新薬誕生 最終回 世界のどこかで誰かが

            取材・執筆:下山進  免疫細胞ががんを攻撃することは知られていた。だから、以前の免疫療法というのは、免疫自体の力を強めようとした。  たとえば患者の骨髄からリンパ球をとってきて、免疫細胞を刺激して活性化させ、それをもとに戻す。そうすると熱がでる。つまり免疫が働いている。しかし、こうした方法では大規模治験をしても、結果はでなかった。  ノーベル賞を受賞することになる京都大学の本庶佑の研究が画期的だったのは、がん細胞が免疫細胞を回避しているメカニズムを探ったことにあった。が

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            がん新薬誕生 第4回 甲状腺がん治験第三相

            取材・執筆:下山進  甲状腺はヨウ素をとりこみ甲状腺ホルモンとして分泌する器官だ。だからそこが「がん」におかされたときには、ヨウ素131を飲む治療が行われる。ヨウ素131は、半減期が7日で、その際に微弱な放射線を出す。この放射線を使ってがんを叩くというわけだ。だから、この治療をうける患者は、アイソトープ室という鉛の壁で覆われた放射能を外に出さない病室で、3、4日過ごす必要がある。  パリ南大学の難治性甲状腺がん関連センターの医者マルティン・シュルンベルジェにとっても、第一

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            がん新薬誕生 第3回 化合物選択

            取材・執筆:下山進  プロジェクト名をHOPEと名づけた2000年4月の段階で、すでに化合物は絞られつつあった。  船橋泰博はプロジェクトリーダーであったが、最終的な化合物選択は、合成のチーム長であった鶴岡明彦にまかせることになる。  というのは、翌年の9月に船橋はコロンビア大学の産婦人科に留学することになっていたのだ。船橋は、ここで、新しい作用機序の薬をつくるつもりだったが、船橋のもとで働いている研究所の所員が、どうしても労働過重になってしまうことから、船橋を筑波の研究所

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