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日々の出来事を追いかけるのではなく、時間をかけた調査報道やノンフィクションを通して複雑な世界をゆっくりと咀嚼して理解する、それがSlowNewsという考え方です。現在、新たなサービス展開に向けて開発を進めています。

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        • アメリカ軍は何を隠したのか 原爆初動調査の真実【序章】

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            遠隔操作で殺人をしたのは誰なのかGVCで働いている軍事エンジニアたちのバックグラウンドは多様だ。卒業後すぐ陸軍もしくは海軍で働きはじめ、後に軍事エンジニアリングの専門教育を受けた者もいれば、ITやコンピューター科学系の民間企業に勤めていてリクルートされた者もいる。 GVCでミサイルの飛翔経路プラニングを担当するチームの直接的な指揮官は、イゴール・バグニューク中佐と思われる。これはロシアの闇市場で入手した、バグニューク自身のものも含む11名のエンジニアたちの電話データの分析に

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          • 調査報道大賞 受賞者のことば
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          • 不思議な裁判官人事
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          • 下山進の作品
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            【追跡】ウクライナへのミサイル攻撃を遠隔操作していたのは誰か

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            データを伝える技術 第8回(最終回) データ可視化と報道・社会

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            データを伝える技術 第6回 データを見せる 後編

            執筆:荻原 和樹 「シンプルなデザイン」の罠 データ可視化を作る際にはシンプルなデザインがよい、とする方は少なくありません。私自身も部屋のインテリアやファッションはシンプルが好みなので気持ちはよくわかりますが、データ可視化において「シンプルなデザイン」はかなり難易度が高いのが現実です。 シンプルなデザインを採用する最大のリスクは、シンプルを通り越して「手抜き」「殺風景」という印象を与えてしまうことです。そもそもデータは無味乾燥なイメージを持たれやすく、何も考えずシンプル

            データを伝える技術 第5回 データを見せる 中編

            執筆:荻原 和樹 インタラクションを活用する ウェブサイトやスマートフォンアプリにおいて、「ボタンを押す」「画面をスクロールする」「地図を拡大する」といった動作に応じて画面が変化することを「インタラクション」と呼びます。 インタラクションはデータ可視化の使い勝手やわかりやすさを大きく向上させます。あなたが紙やプレゼンテーションではなくPCやスマートフォン上でデータ可視化を作ろうとしているなら、インタラクションを活用しない手はありません。 インタラクションを使う最大のメ

            データを伝える技術 第4回 データを見せる 前編

            執筆:荻原 和樹 データの「軸」を考える データの見せ方を考えるとき、最初に悩むのは「軸」の設定です。ここでいう「軸」とは、データの構造を考えた時にひとつの数字を分類できる「次元」を指します。 たとえばアパレル店の売り上げデータについて考えてみます。会社やシステムによってデータの持ち方は様々でしょうが、おそらく最小単位は「1人の顧客が1つの商品を買った時の売り上げ」でしょう。この場合の軸は「いつ買ったのか」「どこで買ったのか」「どのアイテムと一緒に買ったのか」「顧客の属

            データを伝える技術 第3回 データを編集する 後編

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            データを伝える技術 第2回 データを編集する 前編

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            執筆:荻原和樹 データをわかりやすく・印象的に可視化するためには、まずデータを読みこんで「腹落ち」するまで理解することが不可欠です。データの意味や構造によって最適な切り口や表現方法は異なりますが、データの名前やタイトルだけを見て分析や可視化に踏み込むのは、たとえるなら記事の見出しだけを読んでシェアしたりコメントするようなものです。特に官公庁の公表するような規模の大きいデータは、複雑な定義や集計方法をとっていることも少なくありません。 今回は、データの内容が比較的想像しやす

            調査報道のプロは、いかにして事件の深層にたどり着くのか

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