ゲーム小説

ゲーム屋人生へのレクイエム 52話

家庭用ゲームの仕事がクソゲー評価地獄でげんなりしたころのおはなし

「もう勘弁して~!これじゃまるで罰ゲームじゃないか~!」

「どうしたんですか急に」

「当時の心境だよ。遊ぶか遊ばないか、自分で判断することができないゲームの評価ばかりやり続けたらさすがに疲れてね。目は疲れるし、指先は痛くなるし、頭も疲れるしね。何とかならないものかと考えたんだよ」

「それでどうしたんですか」

「息抜きに自分

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ゲーム屋人生へのレクイエム 51話

家庭用ゲームの仕事を本格的にはじめたころのおはなし。

「らんらんふんふんらんらんふんふん」

「ご機嫌がいいですね」

「いつも見出し画像でお世話になってる白黒ええよんさんの記事でこの話をとりあげてもらって上機嫌なのよ。ほら」

「わあ、ほんとだ~。見出し画像に原稿用紙が50枚ありますね」

「うむ。50話だからかな。感謝感激雨あられとはこのことだ。じゃ気を引き締めてはなしを続けるぞ」

「はい

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10-7 決着



 ……ずっと、強いって、なにかわからなかった。

 そして憧れていた。

 俺から見て強いと感じる人間に惹かれたのも、それが理由かもしれない。

 ハヤト。

 ササハラ。

 そして……サユリ。

 初めてサユリと出会ったときのことは鮮烈に覚えている。二つ年下のサユリは、高校生の頃からアーチェリーでならし、東西大学に進学が決まったあとも、期待のホープとして部に迎えられた。

「悪いけど、自分

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10-6 異形

YANO

『お、俺がやるのかよお……』

「そんな話、勝手に……!」

「開始前に確認したはずだ。プレイアブルキャラクターは福岡ファイターと。ヤノもれっきとした福岡ファイター。参加資格がないとは言わせん。そして、私は参謀として好きにしていいと言われた。だから、操作をやらせてもらう……ルールにはまったく抵触していないと思うが?」

「そんなのズルい! 卑怯ものっ!」

「いいことを教えてやろう。ズ

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10-4 劣勢

 ハヤトの解毒剤を賭けたリアル格闘ゲーム……【QUEEN OF FIGHTER 9X】……。

 サユリの操る悪意ファイターは二人倒したものの、福岡ファイターもすでに四人やられ、旗色は悪い……。

 そして、炎属性であるシンジローを選択したあと、サユリが出してきたのは、見るからに強そうな氷属性の悪意だった。

「ヤノ……相手の悪意だが、実は見覚えがある」

 

「ええ?」

「私の筑紫丘高校の後

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10-3 激闘



「げ、ゲームだとお?」

「そう! 悪意になって、故障していた腕は治った! あとはヤノくん、アナタとの関係の決着だけ。だから、ワタシとアナタで、勝負がしたい!」

 そういえば、アーチェリー以外でたったひとつ、サユリが好きなものがあった。

 対戦格闘ゲーム……。

「どういうゲームだ?」

 ニヤリと笑ったサユリが指を鳴らすと、地震のような地響きがして、動物園の敷地内に、とつぜん妙な舞台がせ

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10-2 開幕



「…………もう! 今度はぜんぜんつながらない! あいつどこでなにやってんだーーーー」

 ナミが電話を叩き壊しかねない勢いで言った。

 すでにカタギリ家には福岡ファイターが全員集合しているのに、かんじんのリーダーだけが、朝からずっと居ない。

 ナミの電話もさっきは繋がったようだったが、どこで何をしているかは、はぐらかされたらしい。

「こっそり格闘技の練習でもしてるんじゃないですかねえ。最

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10-1 策略



「今はとにかく戦うしかねえ」とハヤトは言った。

「『教団』とは、いつか決戦のときが来る。戦えるだけの強さを手に入れたら、すべてを話すから」とナミは言った。

 俺はそんなふたりに流されるまま、悪意との戦いを続けている。

 握力計を、親指と人差し指だけでつまんだ。

 200キロまで計測できる握力計は、かんたんにヒシャげた。

 俺は、強くなっている。

 もともと身体の大きさと腕力には自信

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幕間9 その名は【福岡ファイト!】



 ホクトが去り、静けさを取り戻した夜の展望台で、おれは兄貴を抱き起こした。

「…………ん……くっ……」

「あ、アニチッ! 目が覚めたっ?」

「俺は…………?」

 兄貴はコンクリの床に尻を着いたまま頭を振る。

「…………俺は…………ホクトの野郎に……やられたのか……?」

「お、おぼえてないのっ?」

「………………………………」

「………………………………」

「…………また負けち

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9-4 シンジロー完全燃焼



「……弟、か」

 ホクトの鋭い目が楽しそうにおれを見た。

「ひ、ひいいいいいい」

「さて、続きだ……。お前はなぜコイツ……ハヤトに依存して生きる? 弟として、兄を越えたいという気概はないのか?」

「な、ないよ……だって、アニチには勝てるはずが……」

 その無敵の兄貴は、ホクトに叩きのめされ無言で床に転がっている……。

「…………まるで洗脳だな。だが、それもまた、ハヤトの狂気のなせる

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