俺独自のゲームワールド[俺独ゲー]2-2

「いや知らんわ」
「!?あれ?いつの間にいたの?ごめん気づいてなかった!何でしょうか?」
「嘘でしょ…この距離で話しかけてたのに気づかれてなかったの?…どんだけ集中してたのよ…」
その女の子はいわゆる魔女っ子のような服装で、とんがり帽子にローブを着ている。背は低くて俺より少し小さいくらいの身長だった。そして背中にかけているのは俺の身長を10cm程超える杖があった。特に目を引くのは大きい髑髏が帽子と杖の先端に付いている事だ。
「で?あなた達がケイゴとキース?募集の紙を見て来たんだけど。」
(ちなみにキースは爆睡中)
「!!おい!起きろキース!仲間になってくれる美少女が来たぞ!」
「うえっ?美少女?おきまーす。」
「?!!?」
「ん?何???」
なぜか女の子が固まった。
「ん?何でこの子固まってんの?漏らした?」
「デリカシー無さすぎだな!多分お前の事知ってんじゃないか?お前の顔見た瞬間に固まったぞ?」
キースはこの子を知らないようだ。
「あの?大丈夫?」
「え?ああ大丈夫。じゃあ帰るわね。」
「え、何で??仲間には?」
「やっぱりやめたわ。じゃあね。」
「おおーーい!!キースのせいで仲間になってくれる人がいなくなっちまったよーー!!」
「うぇ!?俺のせい?ごめーん!漏らしたとか言ってごめーん!」
彼女の内心
「(ええ!美少女って言われちゃった!こんな突然言われたら恥ずかしくて一緒のパーティに入るなんて無理!!どうにかして逃げないと!!)」
彼女は美少女と言われた事に照れていただけだった。
「なあ、仲間になってくれよ〜。」
「い、いいわよ!(あっ。間違えた!)」
「え?いいの?ありがとう!これからよろしく。」
「(やっば!良いって言っちゃった〜!どうにか断る理由を探さないと!)ねえ、一応あなた達の事を聞いてもいい?」
「ああ!俺はスキル不明の初心者冒険者タニグチケイゴ。この前街に襲撃しに来た大地の魔人ジライゲンを倒した男だ!よろしく!」
「大地の魔人!?それを倒したの?あとスキル不明?どういう事?」
「いや、俺もまだよく分かってないんだけど倒した奴と、共闘した奴?のスキルを使えるっぽいんだよね。」
「何それ?本当に?」
「うん。多分。」
俺自身もよく分かってないが、俺のスキルは仮に [奪取]スキルとでもしておこう。このスキルは現状
・レベルが年齢と同じ(今17歳でレベルも17)
・持ってるスキルの内、大地はジライゲンの(つまり倒した奴)
・残りがナイフ使いと、逃走本能と、モンスター使い。ナイフ使いと逃走本能はキース。モンスター使いはゼンじいだとしたら、2人の共通点は俺と共闘して勝利している事だと思う。
今の現状はこんな感じなので、奪取(奪い取る)スキルだと命名してみたのだ。
「す、すごいわね…そんなスキル聞いた事ない…。て事は色んな魔法も自在に使えるのね。羨ましいわ。(困ったわ。断る理由が無くなってきた。)」
「続いて俺様の名前はキース!天才肌の…」
「ああ、アホ面のキースね。あんたはこの辺で有名人だから知ってるわよ。」
「誰がアホ面だ!!てんさいはだ!わかるか?てんさい…」
「あーうるさい。分かったわ。あなた達の事何となくはね。私はミラン。ミラン・ライト。B級魔法使いよ。」
「びーきゅう?グルメ?」
「何言ってんだよケイゴ。俺より頭悪そうだぞ。」
「B級魔法使いっていうのは魔法使い試験に合格したランクがBならそう呼ばれるわ。私は上から4番目のB。」
「上から4番目!?全部で何階級あるんだ?」
「魔法使い試験はSS、S、A、B、C、D、Eの7段階よ。」
「へぇーつまりミランは下からも4番目のそこそこってわけか。」
「(ブチっ)」
「ぐへぇっ」
魔法使いなのにキースに飛び蹴りを喰らわせた。
「ともかく私はそこらの雑魚魔法使いよりは戦えるわよ。」
「「「(ブチっ)」」」
周りにいた魔法使いらしき人達が睨んできている。
「ごめんなさい。」
ミランは一応謝ったが
「ここのギルド切れ症の人多いわね。カルシウム不足かしら?」
「いや、今ミランも飛び蹴り喰らわせてたろ。」
「……何のこと???」
怖っ
「さあそろそろゾンビロード討伐クエストやるぞー!」
「ゾンビロード?そんな雑魚モンスターなら私は何度も倒してるわ!任せなさい!」
「おお!頼りになるぅー!」
それで俺たち3人は街を出てゾンビロードの生息地域に歩き出した。
――――
「さあ!2人の下僕!私に続きなさい!リーダーがすぐにゾンビロードを倒してやるわ!」
「なあ、ケイゴ。」
「ん?どうした?」
「何でこいつが仕切ってんの?」
「いや…俺たちのレベルがミランより低かったから、「私がリーダーね!だってレベル低い奴がリーダーなんて弱そうだもんね!ね?」って言われて…」
「そういうミランは何レベなんだ?」
「20。」
「「あんま変わんね〜。」」
「なんか言った?」
「「何も言ってません。」」
これが女子の権力ってやつか…
すると突然草むらが揺れ、中からぷよぷよした丸い物体が飛び出してきた。
「あっ!スライムだ!」
「ぷよっ!」
水色のぷよぷよした体は柔らかそうで見てたら触りたくなってくる。可愛い顔をしているがモンスターだ。
「よーし。ここは俺に任せてくれ。さっき買った剣の強さも試したいしな。」
俺たちは街を出る前に買い物をしてから出たのだが、俺の魔力が尽きた時用に普通の剣を買っておいたのだ。
「わー、頑張れー」
「怪我しないよーにねー」
「おりゃーー!!(ぷにん)」
………
「おりゃ。(ぷにん)おりゃ。(ぷにん)」
「ぷよよ。」
「こんにゃろ!!おりゃあ!(ぷにん)(ぷにん)」
………
「「ぷっ。」」
「笑うな!ぜんっぜんダメージはいらねぇ!なんで!?」
「スライムは打撃、斬撃、水属性のスキルと魔法は無効化するのよ。」
「先に言っといてくれ!!」
「知識がないケイゴが悪いのよ。私がやるわ!はあーーー!!」
「いけえ、やっちまえー」
さっきから応援の熱が無いなキース。
「いくわよ!くらいなさい!」
(ブシャーーーー!!)
え?水魔法?
「ぷよっ!!」
「いや何やってんねん!水が効かないって自分で言ってたじゃんか!」
「……あっ!そうだったわね!う、うっかりしてたわ!あはははは…。今度こそ!はぁっ!」
(ボオッ)
「ブヨっ!!」
スライムは光に包まれて倒れた。
「……」
「よーし!こういう失敗する奴はリーダーにふさわしくない!という訳で俺様がリーダーだ!ついてこい!」
「はーい。分かったわ…。」
なんだかんだ言って仲良いな。でも今の魔法、本当にただの失敗なのか?なんか反応が変だったような…
「よし!着いたぞお前ら!ゾンビロードの住処だ!」
「ヴォーー!!!」
!!!出た!また高台の上に現れたな!
「よし!ミラン!さっきの作戦のままでいくぞ!プランAだ!」
「プランAしか考えてないでしょ…」
プランAとはゾンビロードが高台の上から狙ってくるので俺とキースの2人が逃走本能で避け続けている間にミランが魔法をゾンビロードに直撃させるというものだ。
「ヴォー!!!(ボオッ!)」
「来たぞ!とうっ!」
「俺様の方にも!ふぅっ!」
「じゃあ魔法を撃つわね。はあーー!!」
すると杖の先端が光り、杖の先端が爆破した。
(ドォーーン!!)
「え?何だ?」
ミランの方を見ると黒焦げになっていた。
「は?………まさか。」
ちょっと待てよ。もしかしたらミランって
「ちょ!ちょっと待って!すぐ終わらせるから!」
ミランはゾンビロードに向かってもう一度杖を構えた。
「はあーーー!!」
(バリバリッ!)
「ギャァ!!」
ゾンビロードは悲鳴をあげてやられた。やられたのだが、やはり気になる。
「ミラン、もしかしてだけどさ、」
「(ギクっ)な、何?」
「何の魔法出るか自分でも分かってないのか?」
「…………………そうです。」
「うぇっ!?そうなの?そしてケイゴも何でわかったんだ!?」
「さっきスライムに水属性の魔法を撃った時も、今みたいに爆発する魔法の時も何が出るか分からなかったからかなって思って…。違うか?」
「そうよ。いや、そうなのよーーー!!!」
「うわっ!」
ミランは突然泣きついてきた。どうしたどうした。
「私のスキル[乱魔法]は、使用魔力は少ないけど、何の魔法が出てくるか分からないの!!だから今まで他のパーティに入っても大事な時に役にたたなくて追い出されてきたから!今度こそはバレずにこのパーティで上手くやっていけると思ったの!言わなくてごめんなさい!私みたいな役立たずはいらないよね!さような……」
「え、え、え?いや全然いいけど?」
「え?何で?」
「いや俺だって自分のスキル探り探りだし。何よりミランの[乱魔法]ってスキル強くね?ポジティブに考えたらどんな魔法も軽い魔力で撃てるんだろ?運ゲー要素強いけど俺は羨ましいなー。」
「……!!」
「俺らはそんな事で追い出したりしねぇよ。俺らを間違えて死の魔法とかで殺しちゃったとしても事故だからしゃーないと思うさ。縁起でもねえけど!」
「そうそう。なんせ、俺らには逃走本能があるからな!どんな爆発でも避けてやるよ!」
「そうね。分かったわ。ありがとう!じゃあこれからもよろしくね!2人とも!」
ミランが笑顔になった。今まで色々なパーティから追い出されて来ていたのだろう。俺らはそんなことしないことをこれから分かってもらおう。
――その上空――
「ケヒヒ。あいつが大地の魔人を殺した餓鬼ですかぃ。雑魚そうな見た目の癖によくそんなことができましたねぇ。」
謎のコウモリの羽を生やした者が上空からケイゴ達を眺めていた。下卑た笑みを浮かべながら様子を見ている。
「さぁて、わたくしも役目を果たすとしましょうか。いでよ!ゴーレム!!」
ブゥン
「ん?何の音だ?」
(ヒューーーーーーーン、ドスン!!)
「あ、あれは!」
「ゴ、ゴ、ゴーレム!?」
「あいつ!ハマリングの街の近くにいた!?」
この前時空の魔人が消したやつによく似ている。
「ハ、イ、ジョ、ハ、イジョ!!!」
や、やべえ!!!

2-2  完

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