俺独自のゲームワールド[俺独ゲー]1-6
「で?魔人って何なんだよ。ずっと後回しにされたら疲れるんだけど…」
ゼンじいの部屋に入って直ぐに聞いた。
「そうじゃな。悪かったのぉ、しかし街中で普通に魔人の話などしてたら魔人の部下に殺される危険があるんじゃ。」
「ころ…!?まじか!?」
まさかそんな大それた話だとは思わなかった。
「ああ、大マジじゃよ。じゃあ魔人の危険性を教えてやろうぞ。まず、魔人は全員が特殊能力を持っている。そして特殊能力は魔法と違い、魔力を使わないから無限に使えるらしい。その特殊能力を冠した異名を持っていて、全員で20人いる。そして一番の問題は、全員ではないが、ほとんどの魔人は魔王軍の幹部じゃ。」
「特殊能力……魔力無し……20人……魔王軍幹部……????」
ごめーん情報が多すぎて半分くらいしか分からなかった……。
「つまり、やばいやつが20人いて、その中で1番強いって言われてるのがさっきの時空の魔人なの?」
「そうじゃ。よくわかったな!?もう一回説明しようかと思ってたくらいじゃぞ!」
いや〜まだ理解はしてないかな…。
「魔人20人ってどんなのがいるの?」
「魔人は〇〇の魔人と呼ばれている為本名を知っている者は数少ない。しかし異名は全員が判明している為、それだけ教えよう。」
ゴクリ。
「憎悪の魔人。大地の魔人。自然の魔人。剣舞の魔人。殺戮の魔人。海洋の魔人。龍翼の魔人。蟲巣の魔人。氷河の魔人。雷光の魔人。鋼装の魔人。飛来の魔人。呪骸の魔人。霊魂の魔人。重力の魔人。毒腐の魔人。爆風の魔人。溶解の魔人。時空の魔人。急襲の魔人の20人じゃ。」
多っ。
「よく覚えてたな、この人数の魔人の異名。」
「名前無しだったら、20人くらい朝飯前じゃよ。」
年寄りは違うなぁ……。
「ちなみに1人欠けたら新しく補充されるんじゃ。この20人の魔人は危険じゃから関わらないようにするんじゃぞ。分かったか?」
「分かった。覚えとくよ。ありがとう。」
「あ、言い忘れてたがわし、明日になったらタテッホに帰るんでな。」
「うえぇ!?それまた急に!なんで?」
「タテッホに実家があっての、孫と共に帰省するんじゃよ。実家には親戚がモンスター達の面倒見てくれてるんじゃが、1年くらい帰ってないから申し訳なくての。あと久しぶりに顔を見たいからの。」
「そっか……じゃあ俺もいつかタテッホ行ったら挨拶するよ!俺もいつか行きたいなって思ってたし。」
「そうじゃな。今日はわしの家に泊まっていってええぞ。」
「ありがとう!」
するといい匂いが漂ってきた。肉が焼ける匂いだ。
「お二人さーん!ご飯出来ましたよー!」
「おお!今行くぞぇ!さぁ、飯じゃ飯。」
「すげえ!タマキ君がご飯作ってんの!?」
食卓に行くと、ハンバーグが皿に盛り付けてあった。
「はい。じいちゃんはしょっちゅう家からいなくなっちゃうので、ずっと僕がご飯作ってます。」
「何たってタマキの料理美味いんじゃもん。」
「コォン。」
「そうかい!じゃあ早よ椅子につけぇ!」
ちょっと照れてるな。
「「「いただきます!」」」「コオン!!」
ハンバーグを一口。
「うめぇぇぇぇぇーーーー!!!なんじゃこりゃーーーー!!!料理人になれるぞ!これは!」
「え?まじっすか?照れますね〜えへへへ。」
「なんじゃ、その気色悪い笑い方は。やめといた方がいいぞ。モテんぞ。」
「うるさいな!褒めてくれたから嬉しかっただけだよ!」
「いやこりゃ今まで食べた中でトップだわ!!まじうめぇ!」
「えへへへ。照れますね〜」
これは冗談でもお世辞でも何でもなくこの世で一番美味いんじゃないかっていうくらい美味かった。料理人したら5つ星シェフになれるんじゃないか?
そして美味すぎてご飯を三杯おかわりして、風呂に入って寝た。(流石に省略し過ぎたか?でもやった事といったら借りた部屋でゴロゴロしながら明日何しようかなーとか考えてただけだからなー。)
――次の日――――
「じゃあわしは身支度するのぉ。ケイゴはどうするんじゃ?」
朝ごはんを食べ終わってゼンじいが言った。
「俺はちょっと冒険者登録をギルドでしてくるよ。まだ行った事ないから。」
「そうですか!僕たち昼にはハマリングを出る予定なのでその時間になったらギルドに寄ってから帰りますね!」
「おっけー。よーし!ギルドへ行って来まーす!」
「お、そうそう。お主G(ゴールド)1Gも持ってないじゃろ?バウラドッグ討伐協力のお礼で50Gじゃよ。これが無いとギルドで冒険者登録出来んからの。」
「お。ありがとう!行って来ます!」
俺は勢いよく飛び出した。
「ギルドに行くのが楽しみだったんだね。」
「センキみたいじゃの。」
「……そうだね。」
センキ、そう、ゼンじいの息子でありタマキの父親の男。彼も同じようにギルドが憩いの場であった。
「さあ!じいちゃん!荷造り荷造り!故郷に帰って墓参りするんだろ!でも突然墓参りに行くって言い出したのは何で?」
「ケイゴの雰囲気がセンキに似てて思い出しただけじゃよ。それだけじゃ。」
「ふーん?……そっか。」
――――ある洞窟の深部――
誰かが大声で電話をしていた。
「何?ハマリングダト?ナゼソンナ外レノ街にヤツガイルノダ?マアイイ、スグニ使イヲ送レ!……ソウカ……モウ送ッタガ使イカラ連絡ガナイノカ…。分カッタ。我ガ赴コウ。我ガヤツヲ魔王軍ニ送ル。コノ[大地の魔人 ジライゲン]ガ!」
そう言って電話を切った。
――――――――――――――――――――――――
「よーし!ギルドどんなとこか楽しみだなー!いっくぜー!」
俺は爆速でギルドに走って行った。
1-6 完