俺独自のゲームワールド[俺独ゲー]1-7


「(バーン!べシン!)」
ギルドについてすぐに俺は扉を勢いよく開けた。
「ぐへぇー。(バタン)」
「ん?なんだ?」
床を見ると人がぶっ倒れている。なんか見覚えあるな?この銀髪の男………………あっ。
「お前ぇ〜〜!何すんだよ!!突然扉開けやがって!ってお前は!昨日門のとこで俺様の醜態をにやにや眺めてた野郎だな!」
「なっ!?あの時俺に気付いてただと……ゼンじいに隠れて見てたから見えないと思ってたのに…」
「お前!まずは今突然扉開けた事を謝れ!たんこぶ出来たんだよ!聞いてんのか!おーーい!おーーーい!おーーーーい!!!」
「うるせぇ!分かったよ。ごめんごめん。」
「絶対思ってねぇな!あと三億回謝れぇ!」
「適当な数字過ぎだろ。」
なんかまだぐちぐち言ってるが、まさかまたこいつに会うとは。というか、
「出所したんだ。」
「捕まってねぇよ!」
「いや、捕まっただろ。宝盗んだとかで。」
「…いや、色々あって俺様は悪くなかった。」
色々って何だよ。
「お前、それで何しに来たんだ?ずっと俺様と話してるけど?」
「あ、そうだ、冒険者登録するんだった。」
「えっ?お前まだ冒険者じゃねぇのか?じゃあ俺の後輩かー。敬語な!」
「うぜえー」
俺は受付と書いてある所に歩き始めた。というか良かったー。森にあった看板みたいに読めなくなって無かった。ちゃんと日本語表記だ。ゲーム設定が日本語だったからか?これ英語とかでふざけてやってたらやばかったかな?
「すみませーん、冒険者登録をしたいんですけどー。」
すると奥から「はーい」という声が聞こえた。若いポニーテールの女の人が出てきた。
「こんにちは!冒険者登録ですね。50Gです。お二人ともですか?」
「50Gと、お二人?」
後ろでは真顔で突っ立っているさっきのアホ。
「なんでついてくんだよ。」
「ん?なんとなく。」
「こいつはもう冒険者なんで俺だけです。」
横で無表情のまま見つめてくるこいつをほっといて、お姉さんにそう伝える。
「は、はぁ、分かりました。ではここにお名前と生年月日、血液型と、出身地と、星座をお書きください。」
「?血液型から星座までいります?」
「血液型はスキルの種類の数、出身地は所持スキルの判別。星座は属性が分かります。」
「ほぇー。すげえな。占いみたいな感じか。」
「そう。そして血液型はA型で2種類、Bが2種類、ABが強いの一個、Oは3種類だけど、弱いのがいっぱいだ。出身地はたまーに特殊スキルが生まれる地域があるらしい。そして星座は……」
「めっちゃ喋るなこいつ。一回お黙り!」
「むぐっ。」
口を抑えて強制シャットダウン。
「あ、すいません、俺の連れが。ちょっと頭がパーなので、空気が読めないんすよー。あはははは。」
「あはは…分かりましたー。」
「誰が頭パーだ!」
よし、書くとするか。すると横からニヤニヤしながら覗いてきた。
「なあなあ。星座の属性言ってもいい?」
「勝手に言ってて。」
俺は書く事に集中する。
「星座では牡羊座が木属性、牡牛座が武属性、双子座が雷属性、蟹座が土属性、獅子座が火属性、乙女座が氷属性、天秤座が風属性、蠍座が闇属性、射手座が光属性、山羊座が岩属性、水瓶座が金属性、そして魚座が水属性だ。分かったか!というかすげえだろ。俺12種類も覚えてんだぜ!頭いいだろ。」
ドヤってるが、俺はつい最近20人の異名覚えてるじいさんに会ってんだよ。
「へー。じゃあ俺は土属性か。」
「聞いてたのか……!?」
「そんな驚く事じゃないだろ。よし、終わった。」
名前・谷口圭吾
生年月日・2006年6月22日
血液型・AB型
出身地・日本、神奈川県
星座・蟹座
「ふーん。ケイゴっていうのか。俺様はキース。よろしくな。」
「突然だな。よろしく。」
キースは紙を奪い取り、
「おっ!AB型じゃん!もしかしたらレアスキル出るかもな!良かったじゃねぇか!ん?日本の神奈川県?どこだ?聞いた事ねぇな。」
「あーー、めっちゃ遠いから誰も知らないだけ。あはははは……(言った方がいいのか?ゲームしてたらゲームに入っちゃったんだよーとか。でもこいつらは自分がゲームって認識無いだろうから流石に止めておくか。)」
「へー。でも遠い地域の奴はあまり見ないからケイゴのスキルレアかもしんねーぞ!ワクワクすんな!(目キラキラ)」
紙を振り回しながら興奮してやがる。
「そんなワクワクすんなよ…どうせ雑魚スキルだから。(いやでも異世界召喚あるあるだとチートスキル必ず主人公持ってるよな!?これは無双しちゃうかも!?ワクワク!!)」
そして俺は内心ワクワクしながらワクワクを隠そうともしないキースと共に紙をお姉さんの所に持って行った。
「「書きました。」」
「何で同時に言ったんだよ。」(俺)
「あはは……仲良くなられましたね…では確認しますね。……………えっと、タニグチケイゴさんですね。ではこの玉に手を乗せて下さい。」
お姉さんは水晶玉を出してきた。
「私のスキルは、[ステータスアイ]です。この水晶玉を通して他人のステータスを知る事が出来るので、手を置いてみてください。さあどうぞ。」
よーし、どうだ。(ポン)
「えーと、タニグチケイゴさん、趣味ゲーム、特技ゲームプレイ、人間観察。」
おお!すげえ!言ってないのに分かってる!
「属性…ん?あれ?」
「え?どうしたんですか?土属性ですよね?」
「いや……あれ?おかしいですね………少々お待ちを…………」
「おいおいどういうことだ?ケイゴが蟹座なら土属性で間違いないはずなんだけどな。」
「もしかしたら特殊体質なのかもしれん!かっこいい火属性か?雷も強いよな!なんだなん」
「無いですね。」
「ファっ?」
「属性が書いて無いです。」
「え?そんな事あんのか?」
「私もこんなことは初めてですね……」
「いや!まだだ!俺にはまだスキルが」
「スキルの種類、一つ。ですが、無いですね。」
「?無いって何が?」
「スキル名が書いて無いです。」
「いやぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うわぁ!うるっせぇ!ケイゴも人の事言えねぇ声量じゃねぇか!」
まさか!まさかそんなはずは!
「まさか!まさかそんなはずは!嘘だろ!スキルも属性も!無いだって!?嘘だぁーーー!!!」
心で思ってた事がそのまんま出てしまった。
「ちょい!静かにしろ!」
ギルドに居た人が全員こっちを向いた。
「おい、聞いたか!?こいつ所持スキル無し!しかも属性も無いんだってよ!」
「まじか!?聞いたことねぇ!ぶふっ!!」
「ギャハハ!雑魚の中の雑魚じゃねぇか!」
「俺が聞いたことあるのはせいぜいマッチの火を消せるスキルだなぁ!それ以下じゃねぇか!」
「おい!いくら何でも言い過ぎだぞてめぇら!ケイゴに失礼だぞこら!」
キースが止めに入った。
「ん?おめぇは[アホ面のキース]じゃねぇか!なんでアホが雑魚を庇ってんだよ?アホと雑魚で仲良くなったか?ブハハハハ!」
「俺様の異名はそんなんじゃねぇよ!とにかくてめぇらはどっかいけ!」
「ありがとうキース。もう大丈夫だ。」
「え?でも…」
「お前の心配は嬉しかった。でも俺はこんなんで挫けたりする人間じゃないんだよ。」
するとお姉さんが、
「すみません、私のせいで……」
「いや!お姉さんのせいじゃないですよ!俺が雑魚なのは間違ってませんから!まぁ代わりに俺は頭が回るんで!昨日もバウラドッグ倒しましたし!」
すると、さっきとは違う驚きの表情で全員がこっちを見た。
「バ、バ、バウラドッグを倒しただぁ?う、う、嘘つけぇ!お前みたいな雑魚が倒せるようなモンスターじゃねぇよ!」
「そ、そ、そうだ!バウラドッグは近くの森で最強クラス!王都の騎士でも3人がかりだぞ!」
「俺もじいさんとにわとりもどきだけでたおしたけど?」
「「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」」
「ま、まあ!どうせ嘘だろ!」
「嘘じゃねえよ!あ、そうだ。レベルってどうやって分かりますか?」
「え?どなたでも目を閉じて表示しようと考えれば分かりますよ?」
やってみると、
「17Lv………」
何とも言えない。
「しょ、しょ、初心者冒険者で17レベ!?嘘じゃなかった!!」
「あ、そうだ!エスリアさん!水晶玉で倒したモンスター見てください!そうすれば分かります!」
近くにいた男が言った。このお姉さんはエスリアさんというらしい。
「えっと……あ!本当にバウラドッグのみしか倒していませんね。」
「本当だった!!??」
「だからそう言ってんだろうが!」

1-7 完

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