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noteに投稿した詩をまとめました。 (pixivでは、過去作や詩集等も投稿されてます。よければそちらもよろしくです!→https://www.pixiv.net/users/6…
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2022年11月の記事一覧

「誰かの記憶。」(詩)

「誰かの記憶。」(詩)

貴方の横顔を見る。

その顔は物憂げで。

その顔は何かを見据えてる。

横顔だけでも鮮やかだから……

……正面向いて、貴方を見れない。

「情けないな」って、たまに思うんだ。

貴方と話す。

何気ない筈なのに、
大切な気がして。

心が安らいで。

何故だか、心臓が強く脈を打つ。

何故だか、生きたいと思えた。

貴方が話す。

緊張してそうな姿にヒヤリとしながら。

それでも、凛とした姿に

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「run far away.」(詩)

「run far away.」(詩)

「思い出す暇なんてない」

どっかの言葉に感動して。

後ろめたく、がむしゃらに走る。

その先で。

恐怖の鎖に捉えられたように

思い出してしまう。

現実は思ったより変化が緩やかで。

展開が早いように思えた小説より、

スロー再生。

文字が僕を突き刺した。

急に襲ってくる理性と罪悪感。

「……何をしてるんだ?」

考える暇がある。

顔を伏せる。

立ち向かいたいけど。

生きること

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「その歩みを、止めないなら。」(詩)

「その歩みを、止めないなら。」(詩)

冷えた空気が身を引き締める。

結論は思うより早く、

行動を縛る。

集中のその先。

ぼんやりと思い浮かべては。

何処かから、

ぴしゃりと呼び止められてしまった。

僕の定めたレールの前。

何かが僕の道を遮っている。

それは感情思念なのか?

それとも、実態がある人が止めているのか?

知らずとも、全力で楽しむ人生に。

じわじわ追い詰められていく現実に。

(……ほら、またわかってい

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「No title(Ⅲ)」(詩)

「No title(Ⅲ)」(詩)

ある日僕は走り出した。

躊躇も遠慮も殴り付けて。

ひとりぼっちのESCAPE.

汗ばむ身体も、

今すぐ泣き出しそうな心も。

辛い時もあるさ。

悲しくて投げ出したくなる時もあるさ。

僕だってヒトなんだ。

何者にも変えられぬ

一人の人なんだ。

「我が儘くらい言わせてくれよ。

……臆病なんて、笑うなよ。」

loneliness.

息を吸った帰り道。

死にたくなるような0.1秒

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「Q.E.D.」(詩)

「Q.E.D.」(詩)

長い道のりを見つめた。

これまでとこれから。

悲しみと喜び、少しの揺れ幅。

脳に響くアナウンス。

僅かな感情と挙動の変化。

自分という存在。

他者との境界線。

近づきたいと願っても、

怖がるのはいつかの記憶。

呼吸と心音が証明するだけの

自分が。

怖かったから。

自分に価値がつくように。

 

自分が自分を認められるように。

生きれるように。

足掻き、もがき、ここまで

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「STORY.」(詩)

人に刻まれた生涯。

始まり、知って、決意。

走る、知って、砕けるまでは……

人の一生は儚くて。

あめざいくみたいに崩れる。

(……それでも。)

種を飛ばす植物のように

未来を託す。

意思の欠片は繋がれて。

過去、今、未来。

人間は、その全てを生きる。

言葉で紡がれるSTORY.

感覚越えた超感覚で

己の心を探せ

不確かでも、妙な確信を持って。

ただ、その暖かさだけを頼

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「ゆらゆら」(詩)

「ゆらゆら」(詩)

揺りかご揺れて。

心が揺れて。

心音は今日も鳴り響く。

魂が揺らめく。

意思を持って、眠気を掻き消して。

ロウソクの炎が揺れる。

目が輝いて、光の海を行く。

船が揺れる。

海上は静かで。

ただ、君が揺れている。

幻想じゃない君が眼前に。

横顔がゆらゆら

夕焼けに沈んで、落ちていく。

世界がゆらゆら、ストーリー。

意識が落ちる。 

「幸せ」が浮かぶ。

空から落ちて、電

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「殺意。」(詩)

「殺意。」(詩)

誰かを恨む心とか。

誰かを許したくない声とか。

振り上げたその手とか。

諌めるその理性とか。

そんなこんなで満ちた殺意。

負の感情が、爆発する。

理由はどうあれ、

今の自分にはないもので。

他人なら、受け入れるつもりもないものだが。

「……大切な誰かなら。」

そんな風に考えちゃ、また。

(……なんかつごうよく、
使われちゃうんだろうな。)

って、かんがえた。

身体を伸ばし

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「ちっぽけな僕を、世界に置いて。」(詩)

「ちっぽけな僕を、世界に置いて。」(詩)

大きな世界。

それは宇宙。

銀河、星雲、星団。

果てのない空が広がって。

その隅に、ぽつんと僕がいた。

地球は広い。

人間の身では

歩き詰めても14年間かかるらしい。

そんなひとつの国の中。

県、市、街、町、村。

その座標を指した位置に、僕はいた。

光の花束が彩る夜にいた。

ひとりきりで、僕は歩く。

通学路、行事の終わり、

自転車での帰り道。

人生。

……ここには、

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「時を刻んで。」(詩)

「時を刻んで。」(詩)

時を刻んで。

傷を刻んで。

心も身体も、擦り切れる。

そんな状況も。

そこに置いてある幸せも。

……いつか、終わるけれど。

思いを刻んで。

心に刻んで。

あわよくば、歴史にも刻んで。

全身全霊で生きた、誰かの記憶。

繋いで、刻んで、遠くまで。

僕は死ねない。

やりたいことがたくさんあるから、

時を刻む。

書きたいことが、たくさんあるから

時を刻む。

君は死なない。

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「何も、出来なくても。」(詩)

「何も、出来なくても。」(詩)

何も、出来ないような気がした。

(……そこにいるだけじゃ、駄目だ。)

罪悪感に押し潰される。

何やら長文のメッセージ。

(……そんなわけがない。)

夢だった

かそうが、現実になる。

……ただ、ひたすらに無力だ。

守りたかっただけなのに。

自分の言葉が出たり引っ込んだりする。

伝えたい言葉がか細く消えた。

強く在る為に、足掻いた記憶。

負けたくなくて、足掻いた。

冷静であっ

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「無知の海。」(詩)

「無知の海。」(詩)

心に雨が降る。

いつも降っている。

海の水面が揺らめいてる。

傷の付いた身体が揺れる。

震えて、雫を落とす。

砂に足跡付けて笑うような。

浮かれすぎの足が止まる。

「エス」

自分の中の衝動。

飼い慣らせなくて、ただ逃げたくて。

(……誰かの、せいにしたくなった。)

心は藍色に染まる。

海岸の塩水が、傷に染みた。

凍って。

雪の凍(し)みる11月に。

……そろそろ、冬が

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「バケツの火。」(詩)

「バケツの火。」(詩)

顔が映る。

灯された炎。

拍手の様に、ぱちぱちと燃えて。

微笑んだ。

生きる活力を裏返し。

頭から被って、灰塵へ。

燃えていく身体。

心は焦がれ墜ちた。

21gを思う暇もなく、

終わりが来る。

起きたら地獄は終わっている。

……遺されたのは、不在着信だけ。

声は掠れて消えていた。

顔が歪む。

灯された炎。

ぱちぱちと燃えていて。

バケツの中の

生命の証をひっくり返

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「再生。」(詩)

「再生。」(詩)

感情が生き返る。

生きたいと思う心。

愛する心。

人みたいな感性も全部………

あの時の映像を脳内で再生する。

……そこには、ただ必死な僕がいて。

「愛」を求めていて。

人と話したくて。

傷だらけの身体で走っていた。

あの時と傷は変わらなくて、

結んだ包帯からは血が滲んでいる。

けれど。

見据えて、氷で固めた心が、

熱でほどけて溶けていた。

信頼できる人がいる。

ただ、

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