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「何も、出来なくても。」(詩)

何も、出来ないような気がした。


(……そこにいるだけじゃ、駄目だ。)


罪悪感に押し潰される。


何やら長文のメッセージ。


(……そんなわけがない。)


夢だった

かそうが、現実になる。


……ただ、ひたすらに無力だ。


守りたかっただけなのに。


自分の言葉が出たり引っ込んだりする。


伝えたい言葉がか細く消えた。


強く在る為に、足掻いた記憶。


負けたくなくて、足掻いた。


冷静であった心が激しく揺れる。


貴方の「し」を間近で見つめた。


……嗚呼、皮肉なもんさ。


(……助けたくて、ここまで来たのに。)


重大な事を見逃して、失敗する。


未熟な僕では

到底、何か出来たとは思えない。


……それでも、貴方を助けたかった。


何故か、寂しかったから。


諦めたく、なかったから………


屍、業、想い出なんかを詰めた

大荷物を背負って。


「僕独りが、傷付けばいい。」


吐き捨てる様に呟いた。


誰かの心を救いたい。


言葉で、心で。


貴方の傷口を埋めたかった。


貴方が傷付かない様に、

優しくしたかった。


何も出来なくても。


「……ただ、側にいたかった。」


帽子の暗がりに、顔を覆って。


俯いた下で、

エゴの塊みたいな涙が溢れた。

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