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毒親の呪縛から解き放たれるには

こういう書き方をすると嫌味に聞こえるかもしれませんが、ありがたいことに私は恵まれた家庭環境に育ってまいりました。

それでも、大変な家庭環境にいらっしゃる方からの相談に理解が示せないかというと、これまでも立場上なんだかんだで多くの人の相談には乗ってまいりましたので、想像の範囲ではありますが共感を持って接するようには心掛けています。

今回は、相談というよりは通常の会話の中で聞かせていただいた内容だったのですが、思うところありテーマにさせていただきました。

話していただいた方は、現在家庭内別居中とのこと。

お子さんが三人いらして、お一人が重度の障害を持っています。だからこそ、かえってとても可愛く、子供たちと母親であるご本人との関係は良好とのこと。

ところが、これも家庭内別居の一因のようですが、旦那さんは子育てには一切関与していないどころか、気に入らないことがあるとお子さんたちに手を出されることもあるとのことでした。

「何かあれば警察に通報する」とご本人は仰っていましたので、今の時点で何か私が余計なことをする必要性はないと思っています。

ところが、これも聞いていてなんだか複雑だったのが、自分は旦那を認めてはいないから、旦那と話すことはなく、出かける際なども挨拶もしないが、子供たちの父親ではあるので、子供たちには自分の真似をしないようにと、ちゃんと父親に向き合うように伝えていると言うのです。

自分は旦那に挨拶はしないし向き合っていない。

ところが、子供にはちゃんと挨拶して向き合えと言う矛盾。

これって、注意書きを壁に貼って「そのとおりにしろ」と言っておきながら、貼ったその本人は行動をしていないのと同じですよね。

お子さんたちが見るのは、張り紙ではなくてお母さんの行動やご両親の関係性の方です。

聞けば、この人ご自身、幼少期から母親の付き合う相手が変わるたびにあちらこちらへと引越しを余儀なくされ、ころころ入れ替わる相手の男性に虐待に遭っていた過去もあるらしいです。

毒親やそういった環境に置かれて育ってこられたから、自分も同じような環境を作り出したり我が子にきつく当たってしまうという「生まれ育ちからの無限ループ」という言い訳も出来るかもしれませんが、負のスパイラルを断ち切ってきている人も世の中には沢山いらっしゃいます。

外的要因以外に言えることは、「原因を自分以外に置いても今ある環境は改善しない」という考え方です。

今回は別に相談というわけではなかったのですが、一番に思ったのは、このお母さんの「悪い言葉を使う習慣」や「旦那さんに対する態度の悪さ」が、そのまま鏡のように自分自身や家庭環境に跳ね返ってきて、悪い状況を引き寄せてしまっているのではないかということ。

お子さんたちには良い母親であるのかもしれませんが、旦那さんにマイナスの姿勢で向き合っている姿も同時に見せているのであれば、その要素は確実に子供たちの心に影を落としていきます。

親の叫ぶ声や罵る声は、子供たちはそれらを結局自分たちへ浴びせられる声として受け止めながら育っていきます。

以前も記しましたが、お子さんたちの人生の質は親の情緒の安定にかかっています。

年末に宝くじを買うのを楽しみにされていて、「当たったら絶対に離婚してやる」と言われていましたが、これも確率の低い外部要因に望みをかけられるよりも現実でもっと出来ることはいくらでもありそうなのにと思いながらお話を聞いていました。

関係性は双方の問題。旦那さんのせいにしている限りは、今ある状況は改善されません。

そのことに気づけた親が、自らを負のスパイラルから解き放ち、同時にお子さんたちの未来を創造していけるのだと思っています。

相談ではなく、ふとした流れの中での会話であったため、その時はここまで差し出がましいことは言いませんでしたが、どこかで自身の在り方に気づいてくださればいいな、何かの機会にこの文章を目にしてくださったらいいなと思い綴らせていただきました。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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