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パンチのある風刺の効いた男女逆転小説

ビル・ゲイツとオバマ前大統領、エマ・ワトソンらがその年に読んだベストの一冊として推薦する本書。

かつてあったとされる男性社会からどのように今の女性社会が樹立されていったかを描いた、男女の立場を逆転させたディストピア小説。

本書の作者は女性ですが、物語は「男流作家」の書いた小説という体裁をとっているのも興味深いです。

「男流作家」、聞き慣れない単語ですけれども反対の立場の単語は使っていますよね・・・

ある時、女性は進化します。

鎖骨辺りに眠っていた渦巻き状の器官が目覚め、あたかも電気ウナギのように帯電した雷を操る能力を得ます。

そして、女性たちはお互いに眠っていた機能を覚醒させ合い、その力をもって世の中を変えていきます。

雷の能力は、これまで男性が見せつけてきた筋力を遥かに凌駕し、立場を逆転させていきます。

夜道をひとりで歩く男性は、雷をこれ見よがしに悪用する女性たちに襲われます。

暴力やレイプなど力を振るう性別は逆転し、今や男性は弱い立場であり、女性に守ってもらう立場に成り下がります。

そして時は流れ、荒れた世の中で誰かが嘆きます。

「もしも男性中心の世の中だったら、もっと平和的な優しさに満ちた世界になるはずなのに」と。

結局は、男はとか女はといった二極化の話ではなく、「誰が」が問題であり、持っているその力をどのように活かすかによって世界はいくらでも変わるということですよね。

立場が逆に描かれて、酷いと感じる描写は全てこれまで、そして現在においても男性が女性にしている仕打ちに他ならないという痛烈な皮肉を含んだシチュエーションSF小説。

圧倒的な女性の暴力と、虐げられる男性たちのリアルな描写に興味のある人は是非。

もちろんストーリーも一気読みの面白さです。

そして、気づいたらアマプラでドラマ化もされていてビックリ‼️

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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