記事一覧
はじめまして、ぐずにです。
初めまして、偶数2(ぐずに)です。
自己紹介を書きます。
偶数2が生まれるまで幼いころから私にとって友達は本でした。学校でいじめられた時、スパルタ教育の両親の元、成績が悪くなって家から追い出されるんじゃないかという恐怖に怯えていた時、本は辛い現実を忘れさせてくれました。寄り添ってくれました。
想像の世界に刺激された私はある日からこんな事があったら楽しいなぁ、こんな事があったら嫌だなぁと日常生
目が覚めて、さぁどうする。
古いフォルダを開いたら8年前に書いた文章が見つかった。当時勤めていた職場の会報向けに書いたものだ。8年半私は埼玉で暮らし、6年前に実家のある熊本に帰ってきた。以下はその文章。
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「変わらないね」と言われると落ち込む。
私の中では「変わらないね」イコール「成長してないね」だから。
「変わらなければ」と半ば強迫観念のように思っている。気を抜くと自分はすぐ
【短編小説】四月の海
寝るには早く、出かけるには遅い21時、今日もパッとしなかったなとぼんやりしていると、突然携帯が鳴った。ロクさんからだ。
「これから海に行くんだけど、お前来る?」
ロクさんの誘いはいつも唐突だ。けれどそのタイミングは見計らったかと思うくらいたいてい暇を持て余している時なので断れない。電話を切ると萎んだ心がむくむくと期待で膨らんでいくのを感じる。今日の夜は楽しくなりそうだ。
15分後にピピッとク
【エッセイ】高校生の恋愛
高校生のころの話である。
ある日、別れた彼氏に話がある、と呼び出された。
彼とは私が高1、彼が高3のころに同じ部活で出会った。「バトルロワイヤル」という今思えばデートにはなり得ない映画に誘われたことから付き合いが始まった。
私は初めての彼氏だったので、浮かれて美容部員の従妹から服を借りてデートに臨んだが、やって来た彼はケミカルウォッシュのジーンズを履いてシャツをインしていた。それは思春期の私
【実話】貝を焼く人になりたかった
「貝灰って知ってますか?」
と聞かれたのは2014年の夏。知り合いの建築会社社長からあなたにぜひやってほしい仕事があるからと呼び出された。
貝灰(カイバイ)とは貝を焼いたもの。漆喰の材料になる。一般的には漆喰の材料は石灰(せっかい。イシバイとも読む)だ。だが、かつては貝灰が主流で、貝灰の方が調湿性、防臭性に優れ、なにより白さが映えると、日本の名城には貝灰漆喰が使われている。熊本城もそうだ。しかし