易で私は変わりました(いそうな人インタビュー)

瑞樹先生と出会ったのは、一年前です。


 工場の嫌いな女に私の口癖の「死ねばいいのに」を聞かれて、唐揚げのラインからポテトサラダにまわされたあたりですね。ポテトサラダは唐揚げより難易度が高いんですよ。で、その女が「マジ、勘弁だわ。他の人の事も考えて動けっつーの」と聞こえるように言ってきましてね。

 もう腹が立って腹が立って仕事終わったら速攻この怒りを晴らさぬでおくべきかと彼氏に電話したんですね。そしたら奴が「だから?・・・・お前、本当に自己中だよな」ってそんな感じのこと言ってきて私、ブチ切れてしまって。

「はぁ?あたしがこんなに困ってる時に話を聞いてくれないってどういう事?ありえない、もういい!」って電話切ったら涙止まんなくて、近くの駅ビルのトイレで泣いてたんです。そしたら壁に地下に占いの館があるってチラシが貼ってあって。そこで瑞樹先生と出会ったんです。

とにかく気持ちが混乱していたんで、今日の事や今までのつらかった事などあれこれぶちまけました。瑞樹先生は、普段なら30分のところを一時間半も私の話を聞いてくれました。

「辛かったのね。大変だったわね。いつでもここにいらっしゃいね」と言ってくれた時、子供みたいにワンワン泣きました。瑞樹先生は私のメンターになりました。

 メンターは、助言者、師匠って感じで困ったときはいつも相談して、進むべき道を照らしてくれるんです。「あなたはもっと伸びる人よ。あなたにぴったりの本があるわ」って毎回会うたびにお土産をくれるんです。先生は何でも知ってるんですよ。ロックからクラシックまでなんでも聞くし。職場は利害関係があるから何も言わず、誰とも群れないのが一番なんです。特に私みたいな仕事のできない奴は何時つぶされるかわかりませんから。

 先生には何でも言えました。そんな人とは今まで出会えませんでした。私は今までの人生を肯定された気がしました。毎日先生に会って話していたのであっという間にお金は飛んでいきました。でもおかげでつまんない男と別れることができたし、先生に言われた言葉を復習したり、教えてもらった本を読んだりしてるんで、外食を減らしてその分を勉強に充ててたら、痩せたし、今まで体の中にあった鉛のようなものがだんだんなくなっていくのがわかりました。これがデトックスってやつなのかなって思います。

 今度、先生は高齢だから店をたたんで、電話占いだけにするそうです。今度その手伝いをしてくれないかと頼まれています。先生のために働けるなんて私はなんて幸せなんだろうと思います。おかげで仕事を辞められました。周囲には反対されましたが、私は今晴々した気持ちでいっぱいです。一生かけてやりたいことを見つけました。瑞樹先生みたいな占い師になることです。今私の魂の放射は始まったばかりです。死にきれない生き伸ばしの私はもういません。これから本当の私の人生が始まるんです!!

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