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【短編小説】四月の海
寝るには早く、出かけるには遅い21時、今日もパッとしなかったなとぼんやりしていると、突然携帯が鳴った。ロクさんからだ。
「これから海に行くんだけど、お前来る?」
ロクさんの誘いはいつも唐突だ。けれどそのタイミングは見計らったかと思うくらいたいてい暇を持て余している時なので断れない。電話を切ると萎んだ心がむくむくと期待で膨らんでいくのを感じる。今日の夜は楽しくなりそうだ。
15分後にピピッとク
寝るには早く、出かけるには遅い21時、今日もパッとしなかったなとぼんやりしていると、突然携帯が鳴った。ロクさんからだ。
「これから海に行くんだけど、お前来る?」
ロクさんの誘いはいつも唐突だ。けれどそのタイミングは見計らったかと思うくらいたいてい暇を持て余している時なので断れない。電話を切ると萎んだ心がむくむくと期待で膨らんでいくのを感じる。今日の夜は楽しくなりそうだ。
15分後にピピッとク