- 運営しているクリエイター
2021年9月の記事一覧
詩)昔の歌 一瞬の邂逅
少し以前の歌が流れる
小さな傘 ブランデーグラス 忘れられない人 そんなフレーズ
優しい声に夢が沈んでいる。ああ。
頭を振り かしげ
外をみる。
短い詩を書く 短い人生のように
なにもない外
まっくらをみつめ
眼をとじる
これが
生きることか
晴れていたのにポッツポッツと雨。
なにごとも黙っているのがいい
降りしきるものがあるから。この冷たい雨。
雨がやんだら
さっさと出ていくのさ
土曜日の
詩)親父の命日《ルビ付》
兜を被り 新聞紙の刀
弟と二人で斬将八落ごっこ
親父が写真で追いかける
僕らはそれこそ ふりちんで燥ぐ
凧揚げといえば 糊で長い脚をつけ
親父が走って手を放す
ふらふらと凧はさ迷い
とんとんと 角を引きずりあらら 糸こん絡がる
親父 糸解す
またやり直し
少し大きくなって 自転車に乗る為
親父は補助輪を外し 後ろで押さえてるからな
そう言って手を離した
蹌踉 八の字を描いて ばたんと空に舞い