劇団ロオル

女優・本山由乃主宰(演出・脚本)《麗しさに秘められた鋭い棘で、その刹那を刺す》をコンセ…

劇団ロオル

女優・本山由乃主宰(演出・脚本)《麗しさに秘められた鋭い棘で、その刹那を刺す》をコンセプトに、演劇を中心に様々な表現活動をしております。

記事一覧

【迷い羊はつきあかりに】演出本山コメンタリー2

1 https://note.com/gekidan_role/n/nba570a8fa5ec 2 https://note.com/gekidan_role/n/n070a6ae6f5fd 3 https://note.com/gekidan_role/n/n331ec4989adc 4 https://…

劇団ロオル
11か月前

【迷い羊はつきあかりに】演出本山コメンタリー

公演直前! LORE.p主宰【迷い羊はつきあかりに】脚本演出の本山由乃(劇団ロオル)がX(旧Twitter)のスペースで作品について語ったコメントをテキスト化いたしました。 作品…

劇団ロオル
11か月前
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青春哲学

【迷い羊はつきあかりに】より 冒頭群読テキスト 汽笛に背を押されるがまま、 背をとおる一筋は焦りなのだろうか。 抜けていく緑、 いつもの青くささが遥かに遠のいていく…

劇団ロオル
11か月前
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文学フリマ東京参戦

◎速報◎ 劇団ロオル  文学フリマ   出店決定! ……文学フリマとは…… 作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、 文学作品展示即売会 …

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1月の詩

2022年1月に書いた短い詩の記録です。 抱かれて傷付いて尚歩み寄る 茨垣その揃わぬ足並み ✦┈┈┈┈✦ 頭痛さえ覚えるほどに生き急ぐ 瞬く間にも過ぎ去った朝 ✦┈┈…

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秋冬の詩

2021年秋冬に書いた短い詩の記録です。 ✦┈┈┈┈✦ 背を押すは母の微笑み父の黙 ✦┈┈┈┈✦ 刺さりゆく瞼に眩し白光と ぬくもりにまた まもられながら ✦┈┈┈…

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9月の詩

2021年9月に書いた短い詩の記録です。 9月 ✦┈┈┈┈✦ 窓外の雨音に肩を寄せ 秋の夜長に備えて眠る いずれ来たる独りをみつめて。 ✦┈┈┈┈✦ 肌の内側に這う秋…

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仮死状態の日々(エッセイ)

劇団ロオル派生プロジェクト LORE.p First project 【夜半の月】 の上演、配信、物販などの発送、各方面への事務手続き等等を終えてから、私は仮死状態に入っていた。 LO…

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愛の器(エッセイ)

持論であるが、 人は大きな器を持っていて、それを満たすために他者からの《愛》を求めている、と思っている。 その器を目一杯満たすためには1人からの愛では到底無理で、…

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本山由乃抒情詩集 幻日を捉ふ

本山由乃 抒情詩集 幻日を捉ふ 製作開始! 2月中旬より予約開始予定! 実は昨年よりこっそり進めていた企画です。 2020年、巣籠もりを余儀なくされている間、詩作活動…

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のばらの園(詩)

朗読用に書き下ろし 作・本山由乃 劇団ロオル公式サイト のばらの園 白々と映える あの夢に浮かぶ 蕾は今彼方 触れもしない場所 深夜の澄み切った空気に、靴底がしん…

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ジャンヌ(詩)

朗読用に書き下ろし 作・本山由乃 劇団ロオル公式サイト ジャンヌ 炎に呑まれゆく この身に言いつける かの思い出は 散りゆく花びらに 土に還りしまま まみえるその…

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【迷い羊はつきあかりに】演出本山コメンタリー

公演直前!
LORE.p主宰【迷い羊はつきあかりに】脚本演出の本山由乃(劇団ロオル)がX(旧Twitter)のスペースで作品について語ったコメントをテキスト化いたしました。
作品を楽しむヒントが散りばめられている……はず!
是非ご一読下さいませ!

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劇団ロオル派生プロジェクトのLORE.p(ロアプロジェクト)の公演が迫ってきました。

今回「迷い羊はつきあかりに」

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青春哲学

青春哲学

【迷い羊はつきあかりに】より
冒頭群読テキスト

汽笛に背を押されるがまま、
背をとおる一筋は焦りなのだろうか。
抜けていく緑、
いつもの青くささが遥かに遠のいていく。

未知の希望が叩きつける。
車内を煽る生ぬるい風が額を掠めてまた、
知らず故郷の匂いを削ぎ取るのだった。

長い暗転を抜ければ煌めきの街、
歪む蜃気楼は見慣れたものとは違い
騒がしさを映し上げては人々を誑し込んでいた。
さんざめく

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文学フリマ東京参戦

文学フリマ東京参戦

◎速報◎

劇団ロオル
 文学フリマ
  出店決定!

……文学フリマとは……
作り手が「自らが〈文学〉と信じるもの」を自らの手で作品を販売する、
文学作品展示即売会
入場無料・事前予約不要の
文学を愛する者たちが集う場所……!

こちらに劇団ロオルとして出店致します。

売り子として
高橋茉由(元劇団ロオル劇団員)
参戦決定!

本山由乃抒情詩集【幻日を捉ふ】
劇団ロオル過去公演上演台本
の他、

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1月の詩

1月の詩

2022年1月に書いた短い詩の記録です。

抱かれて傷付いて尚歩み寄る
茨垣その揃わぬ足並み

✦┈┈┈┈✦

頭痛さえ覚えるほどに生き急ぐ
瞬く間にも過ぎ去った朝

✦┈┈┈┈✦

知らぬ間に消えた足跡捜しては
途方に暮れたる此の宵の口

✦┈┈┈┈✦

またたく時のまにまに
置き去りの薔薇
棘を抜かれた
淡い肌

✦┈┈┈┈✦

耳鳴りと寄り添うように瞼に散る星

✦┈┈┈┈✦

どよむ眉間

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秋冬の詩

秋冬の詩

2021年秋冬に書いた短い詩の記録です。

✦┈┈┈┈✦

背を押すは母の微笑み父の黙

✦┈┈┈┈✦

刺さりゆく瞼に眩し白光と
ぬくもりにまた まもられながら

✦┈┈┈┈✦

酒棚に並ぶ男を指なぞる
空のグラスに水滴のあと

✦┈┈┈┈✦

ふれかけの 時そのままに
帰りゆく
いつか去る道 いつか逢う道

✦┈┈┈┈✦

散りてなお
刺さりし棘を抱いては
幾年巡らいてたらちねの母

✦┈┈┈

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9月の詩

9月の詩

2021年9月に書いた短い詩の記録です。

9月

✦┈┈┈┈✦

窓外の雨音に肩を寄せ
秋の夜長に備えて眠る
いずれ来たる独りをみつめて。

✦┈┈┈┈✦

肌の内側に這う秋を
捉えきれずに立つ夕べ
信号機 眼刺したる藍色に
追われるままに足早に征く

✦┈┈┈┈✦

身体の水分量に左右されて
体内気圧が変動する
月の満ち欠けに左右されて
戸惑い情緒が揺らいでいく
このおんなというせい

✦┈┈

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仮死状態の日々(エッセイ)

仮死状態の日々(エッセイ)

劇団ロオル派生プロジェクト
LORE.p First project
【夜半の月】
の上演、配信、物販などの発送、各方面への事務手続き等等を終えてから、私は仮死状態に入っていた。

LORE.p【夜半の月】に賭ける思いがあり、
それに向けて魂を燃やしていて、
その行き場を亡くしたから……という簡単な理由ではない。

単なる燃え尽き症候群だったらこんなに傷む事はない。

このひと月というものは自意

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愛の器(エッセイ)

愛の器(エッセイ)

持論であるが、
人は大きな器を持っていて、それを満たすために他者からの《愛》を求めている、と思っている。

その器を目一杯満たすためには1人からの愛では到底無理で、
(因みに愛は液体ではなく固形のイメージ)
底上げして無理矢理いっぱいにしようとすると、器の軽さに不安を感じて「これ愛が入ってますよね?ちゃんと満ちてますよね?」と他者への確認作業を要する事になる。

底上げしないで満たされないままでい

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本山由乃抒情詩集 幻日を捉ふ

本山由乃抒情詩集 幻日を捉ふ

本山由乃 抒情詩集
幻日を捉ふ
製作開始!

2月中旬より予約開始予定!

実は昨年よりこっそり進めていた企画です。

2020年、巣籠もりを余儀なくされている間、詩作活動に勤しんでいた本山。

配信イベントなどで披露したもの、noteに掲載したものの他にもポコポコ書き貯めたものがありました。

その作品たちを一つの本にしたい…

そう思い、今回の企画にまとまりました◎

本山の詩、それから派生し

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のばらの園(詩)

のばらの園(詩)

朗読用に書き下ろし 作・本山由乃

劇団ロオル公式サイト

のばらの園

白々と映える
あの夢に浮かぶ
蕾は今彼方
触れもしない場所

深夜の澄み切った空気に、靴底がしんしんと冷える。
誰に聞かれるわけでもないのに、
ゆっくりと音を潰して歩く。
渡り廊下に棲む天使は、
今夜だけは目を瞑っていてくれる
木戸の向こうは楽園だった
夜霧にぼやけた薄緑
のばらが咲くのは月夜だけ
月光の歓迎は、僕だけに許さ

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ジャンヌ(詩)

ジャンヌ(詩)

朗読用に書き下ろし 作・本山由乃

劇団ロオル公式サイト

ジャンヌ

炎に呑まれゆく
この身に言いつける
かの思い出は 散りゆく花びらに
土に還りしまま まみえるその日まで

突き刺さる眼に、
心臓が止まる
雑音に成り下がった声々で
地獄の門は開かれる

舞うのは花か、火の粉か
白々しくも 祈り続けて
あまりの晴天 突き抜ける蒼
黒ずむ視界は 遠かった

恨み言を言うんじゃない。
そういうものと

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