見出し画像

秋冬の詩

2021年秋冬に書いた短い詩の記録です。

✦┈┈┈┈✦

背を押すは母の微笑み父の黙

✦┈┈┈┈✦

刺さりゆく瞼に眩し白光と
ぬくもりにまた まもられながら

✦┈┈┈┈✦

酒棚に並ぶ男を指なぞる
空のグラスに水滴のあと

✦┈┈┈┈✦

ふれかけの 時そのままに
帰りゆく
いつか去る道 いつか逢う道

✦┈┈┈┈✦

散りてなお
刺さりし棘を抱いては
幾年巡らいてたらちねの母

✦┈┈┈┈✦

振り向けば白い手に触れ今日もまた
知らず逃れる旅の道連れ

✦┈┈┈┈✦

たらちねに
穏やかなる日々
遥か霞に遠きて
あの頃の棘まで
我は帰らじ

✦┈┈┈┈✦

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?