2021年秋冬に書いた短い詩の記録です。
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背を押すは母の微笑み父の黙
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刺さりゆく瞼に眩し白光と
ぬくもりにまた まもられながら
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酒棚に並ぶ男を指なぞる
空のグラスに水滴のあと
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ふれかけの 時そのままに
帰りゆく
いつか去る道 いつか逢う道
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散りてなお
刺さりし棘を抱いては
幾年巡らいてたらちねの母
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振り向けば白い手に触れ今日もまた
知らず逃れる旅の道連れ
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たらちねに
穏やかなる日々
遥か霞に遠きて
あの頃の棘まで
我は帰らじ
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