【迷い羊はつきあかりに】演出本山コメンタリー3

2023年8月14日 19:47

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女を演じる大島朋恵さんがね。

大島おねいちゃんがとてもよくてだね。とんでもねえんだわ。っていうのが本当に、なんかその行間の行間の行間ぐらいの表情をしてくれるのさ。うまって思って演出しながら「それだよこの顔が見たかったんだぜ」みたいなことすっげえ多くて、おねいちゃんさすがですねと思いながら見ている。

青年の小林由尚さん。

深海洋燈のこばさんがね、「三四郎」を原作にするぞって私が決めた時に絶対この人しかいねえだろうって思ったのよ。

この作品をやるならもうこばさんしかいないよみたいな。

お芝居が巧みでね、かつなんだろうなんだか純朴さがずっとあり続けるみたいな。でなんかセリフが絶対にこの人に喋らせたら嘘にならないなって思ったんだよな。

三四郎の田舎から出てきて、都会のシティボーイシティガールに揉まれてちょっと翻弄されるみたいな部分もあるからってなった時にその翻弄され方に嘘がないなとか。

シティボーイシティガールたちの中に入った時にちょっとだけ浮き立つものがあるなみたいな。それが悪い意味で浮くとかじゃなくて、この人は本当に素直で純粋なんだろうなって思わせる説得力のある声なのよ。

そこもまた含めてこばさんを絶対にキャスティングするんじゃいいって感じで無理やりよんだんだけど。無理やりっていうか、7月に主演をやって9月にも主演を控えてる中、8月ちょっと休みたいだろうに8月も主演やってよってお願いしたんだけど。

そういうことがあってですね。大島さんとこばさんっていうこの2人がすごい物語を引っ張ってくれていてとても素晴らしいのです。

なんて言うんだろうな、今回の座組も本当に素晴らしくて。

友人、その2人を取り巻く友人達っていうのがいて、それがBARロオルでも一緒にやってるはなちゃんね。藤堂はなちゃんとあと宮村裕さんっていう男性の方が友人と友人女っていう役、いわゆるシティボーイシティガールなんだけどその2人は。その2人がいい味を出していてね。

青年と女の恋模様っていうか心のこの寄せる寄せないのをせめぎ合いみたいなところをつついていくというか、心の柔らかい部分をツンツンしていくような役柄なのよ。

それがまたね、この2人もこの2人でなんか個性が豊かでね。とても味があるのさ。だから青年と女がしっかりとしたそういう会話劇をやってる中ですごくテンポよく面白い場面になってるんだけど、はなちゃんと宮村さんが出てるシーンは。

なんだけどなんか面白い中にも「あ、なんかすごい切ない」っていう瞬間もあるしさ。

宮村さんの演じる友人とこばさんの演じる青年のシーンなんかは、私は男性じゃないから、リアルな男性同士の友情なのかっていうとちょっと分かんないんだけれども。男性が見てどうだったって教えてほしいんだけど、友達同士の中での、友達だから雑に扱えるみたいなところと友達だからちょっと気を使うみたいなところの、なんかちょうどいい塩梅なのよ2人のところが。

本当漫才みたいな2人のシーンが、そのテンポ感だとかっていうのも、コンビとしてもさ、なんか大きいガタイがいいのとちょっとちっちゃめの細身の男みたいなのでいい塩梅なのよ。それも見どころだなとか思いながら。

で、その2人がどんどん稽古を重ねるごとに、すごいいいコンビ感というかいい友情感を出していて、通し見てたら本当に恋の物語ではあるけど友情の物語でもあるんだなと思って。

女と青年の恋のお話がメインなんだけど、サブでその裏のお話っていうか、スピンオフみたいなところの観点だと友人と青年の関係がとても濃くて面白くて。で、そこにはなちゃん演じる友人女も相まって、矢印の、人を思う矢印の方向先がいろんな方向を向いていてすごく面白いなと自分で演出しといてちょっと思ってます。

続く

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