【迷い羊はつきあかりに】演出本山コメンタリー6

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多分今回やってる「迷い羊はつきあかりに」の作風って、演出も含めて流行りではないのよ。

いわゆるエンターテインメントの作品の方が、人の目も引くし話題にもなるし。ちょっと違うことをやってるのよ。

時代と逆行してることをやってるなって思いながらやってるんだけど、それが初の演劇体験をするにはめちゃくちゃいいと思うんだよな、今回の作品ってマジで。

エンターテインメントの作品でめちゃくちゃ面白かったって思うのもとってもいいのよ。「つきのしろ」とかを初めて見たら絶対ね、面白かった、よく分かんないけどすごーいみたいな感じになったと思うのよね。

今回の作品は演劇演劇してるから、演劇ってなるほどなんかすごいなーみたいなるって思ってる。演劇面白い超面白いすげーっていうのではなくて、演劇ってすげーんだなってなると思うんだけどなーって思って作ってるの。


今回の作品に関して使う演劇の技術って、本当に一番基礎の基礎の根底の根底の根底が一番重要になっていて。安易なテクニックとか培ってきた人生観とかめっちゃ大いに必要なんだけどそうじゃなくて、技術で何とかなるとかっていうのとは本当に違う、何かを感じて何かを受け取って何かを返すみたいな本当に会話のダイアログの基礎の基礎を駆使しまくってると私は思ってるんだけどどうなんだろう。

だから本当に演劇が好きな人はこれは演劇だってなるからぜひ見てほしいなとか思ったりするの。

歌があったりダンスがあったりとは違う演劇の形。本当に演劇の演劇の基礎の形を駆使して作っている演劇って感じがする。だからぜひぜひ演劇あんま見ないよっていう人も見れると思うし、演劇を志している若者にも見てほしいなとか思ったりする。


今回、本多劇場の本多社長がゲスト出演してくださってるわけ。あの人なんかもう立ってるだけで役者なんだもんな。

でもそれも自分の見せ方みたいなところも含めて、演劇をやるにあたりすごく一番基礎の大事なところだったりするわけ。でも大事なところを学ぶのってすごい時間がかかるわけで。それこそ何かを感じて何かを受け取って何かを返すっていう会話の本当に初歩的なことも、何年もかけてそれを研ぎ澄ましていく作業なわけ。

役者なんて歌ったり踊ったりとかそういう技術は技術で学んで必要なんだけどそうじゃなくて、本当に会話をするときの本当の基礎の基礎の基礎の基礎を一生磨き続けるのが舞台の演劇の役者の仕事のような気がするのだよな。舞台だけじゃなくて映像も含めてさ。

なんかそれを本当にしっかり今回やってるんじゃないって思うんだけど。本当に役者目指し始めの若者にめっちゃ見てほしいんだよな今回。


だからちょっと思っている。ワークショップで使えると思うんだよねこのテキスト。

だって台本読んだだけだと何でもないことなんだもん。何でもないことなんだけど、こんなに行間を深めることができるんだみたいなワークショップに使えると思う。

平田オリザも好きなんだよ結構。私は寺山修司と唐十郎が好きで、そっちホームでアンダーグラウンド詩人的な表現をする人たちもめちゃくちゃ好きなんだけど、その反面で平田オリザも好きなんだよ。

平田オリザって日常の会話何でもない会話で、何でもない日常の一つの事件みたいなことを掘り下げて書いたりするし演出するの。本当に何でもない日常を切り取るみたいなやり方をする。 なんかちょっとそれも今回あるよなーって。やっぱり新劇感が強いなーってなって、新劇とそのポエトリーなところ。

ポエトリーリーディングの音楽に合わせて心情を描いた詩を読むみたいなことをするのが新しいジャンルとして新詩劇というのをね、本山の作品は新詩劇じゃって勝手に一人で騒いでいこうと思っている次第です。


魅力的な人たちが本当に上手くないとできないことやってるなって思うんだよね、今回。

どの作品やるにもうまいに越したこともちろんないんだけど、フレッシュだからこそいいっていうのもあるじゃない。

だけど今回に関しては青春の物語で大学生の話なんだけど、かといって大学生くらいの年齢の子にはなかなできんぜってことをしてんなって思うんだよな。

そこは青臭い青春のアオハルって感じじゃなくて、程よく人生経験をしてきた役者たちがやる大学生の10代後半なり20代前半の何とも言えない、大人になりかけているっていうか半分大人なんだけどまだその青臭さの残っているみたいなところの年齢の気持ちの不安定さみたいなことやったらそらもうよ。やっぱりうまいなって思っている、おねいちゃんもこばさんも。

今まで培ってきた人生経験とテクニックも含めて、演劇の基礎の基礎を磨き続けてきたことを生かしてくれている、生かさないとできないようなことをさせていると思っているし、それがとてもこの作品の魅力になってるんじゃないかなと勝手に思ってる。多分本当に若い子をキャスティングするんじゃできないと思う「迷い羊」じゃん。ある程度お兄さんお姉さん達で、20代前半とかの子じゃなくて、大学生役だからリアルに大学生とかじゃなくてちゃんと人生の道のりを歩みつつ、かつ演劇を貫き通してきた人たちでやることに意味があるんだなって思う。


前筋についてのお話をいっぱいさせてもらっちゃったけれど、本当にまじで面白いと思う。

演劇を演劇としてめちゃくちゃ演劇してるし演劇を楽しめると思うって感じ。難しいな。

かといって演劇あんま見たことないからって敬遠するじゃなくて、演劇をあんま見たことない人が「あ、演劇だ」って思うようなある意味単純さもあるからぜひ見に来てください。

エンターテイメントな演劇も私大好きだけど、今回は本当に私が学んできたことの、一番最初に学んだ演劇、触れた演劇じゃなくて学んだ演劇に立ち返ってやってる気がするので、本山の演劇をぜひ見に来ておくんなましーということで、そろそろ終わりにしようと思います。



終わり

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