【迷い羊はつきあかりに】演出本山コメンタリー


公演直前!
LORE.p主宰【迷い羊はつきあかりに】脚本演出の本山由乃(劇団ロオル)がX(旧Twitter)のスペースで作品について語ったコメントをテキスト化いたしました。
作品を楽しむヒントが散りばめられている……はず!
是非ご一読下さいませ!

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劇団ロオル派生プロジェクトのLORE.p(ロアプロジェクト)の公演が迫ってきました。

今回「迷い羊はつきあかりに」という作品はだいぶ本山的には良くて。良くてって言い方変だけど、今回「新詩劇」だよーみたいな感じで、ちょっと新しいジャンルなんだぜみたいなことを言ってみたりしてるんだけど、本当にこの密な濃い濃い会話劇と本山の書く詩の融合がすごくバランスが良くてね。

良くてね、というか本山が元々新劇出身なんですよ。会話劇の先生というか師匠たちに習っていたもんですから、新劇をベースとしているんですけど本山の芝居って。

今回そこに、本山が学んできた演劇というものに立ち返りながら、かつ本山の詩とかそういうポエティックなところなり、寺山修司とか唐十郎とかにインスパイアされているものとか影響を受けたものみたいなものを含めていて。

「つきのしろ」も本山のやりたいことに立ち返ったことを言ってたんだけど、今回は今回で本山の演劇と演劇人生というか、本山の演劇というものの核にある新劇と詩というものが「つきのしろ」とは違う形で表に出ている作品なんじゃないかなとすごく思っておるわけでございます。


とても今回の作品は好きで、好きすぎてちょっと熱く語りすぎてこの間ちょっと大号泣したっていう。

先日この話ってこういうオチなんですよ、みたいなことを役者たちに稽古外で説明してたらね。こういうオチをどういう風にお客さんに伝えたいんですよみたいな話をしてたら、自分の作品が好きすぎて大号泣するっていう感情移入しすぎたみたいなことがあったんだけど。

なんか本当に今回本山作品史上、マジで史上初くらいの完全にハッピーエンドだと思ってるから。

なんかちょっとした不安とかこの先どうなるんだとかっていうのだったりとか、いつも本山の作品は半歩一歩前に出る、半歩前に出る勇気をみたいな感じの終わり方なんだけど、今回に関してはマジでハッピーエンド。ハッピーエンド書けるんじゃんって、ちょっと自分でも思ったぐらいハッピーエンドですよ。


「三四郎」っていう夏目漱石の小説を土台にしてるんだけど、ストーリーの展開としては「三四郎」をすごく参考にしていて、かつ夏目漱石の描く青年と女性みたいなもののイメージというか。

夏目漱石が描く青年って、恋の物語に関しては女性に対して「女性って何ぞや」みたいな「すごくミステリアスな生物だこれは」みたいな感じだったりとか、恋愛以外のいろんなものに揉まれていてみたいなところが描かれてるんだけど。

続く

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